聞き流しラボby kufu-yaWebテキストNEW
中小企業診断士 2次試験

知識ではなく、解き方を聞く。

1次試験の合格者に向けて、与件文の読み方、設問の切り分け方、解答の型を、事例ごとに解説します。

事例別の過去問解説重要論点講義ファイナルペーパー
診断士 聞き流しラボ 2次試験対策

連合作業分析で手待ちと稼働率低下を見抜く

事例Ⅲ 第2回

事例Ⅲ 手待ちと稼働率低下を見抜き得点につなげる読み方8分48秒2026年9月19日公開

「知識としては知ってるのに、二次の本番でどこで使えばいいか分からない論点、ってありませんか」。動画はこんな問いかけから始まります。このページでは動画の流れにそって、事例Ⅲの生産現場で複数の人や機械が組んで作業するときの効率をどう読み、答案にどう書くかを、与件文の着眼点、情報整理の軸、解答の書き方、混同・誤答しやすいポイントの順にまとめました。まず動画を聞いて、あとからここで復習するのがおすすめです。

知識としては知っているのに、本番でどこで使えばいいか分からない

動画は、「知識としては知ってるのに、二次の本番でどこで使えばいいか分からない論点、ってありませんか」という講師の問いかけから始まります。

あります…!用語自体は知ってるつもりなのに、いざ与件文を読んでても「あ、これ使うところだ」って気づけないんです。

今日扱うのは、まさにそのタイプの論点なんです。事例Ⅲの生産現場改善で出てくる、複数の人や機械が組んで作業するときの効率の話です。

あー、知識としては知ってます。でも本番だとどこで使えばいいんですか?

そこを今日、一緒に整理していきましょう。

事例Ⅲで、この論点はどう出るか

事例Ⅲには、複数の作業者や、作業者と機械が組み合わさって進む工程が出てきます。そういう工程で、稼働率が低下している、作業にムラがある、手待ちが発生している、という記述が与件文に出ることがあります。

手待ちって、要は「待たされてる時間」ってことですよね。

そうです。で、そういう状況を改善する場面で、誰が・どの機械が、いつ稼働していて、いつ待っているかを時系列で捉える発想が使われるんです。作業者の人数配分や、機械の稼働バランスを見直す提案の根拠として登場します。

なるほど…単に「忙しそう」で終わらせずに、稼働バランスの問題として捉える、ってことですね。

まさにそこです。

それ、本番でまさに手が止まったところです。工程が忙しいって書いてあると、つい「増員が必要」って書いちゃいそうになるんですよね。

その反応、実はあとで話す誤答パターンにも関わってくるので、覚えておいてください。

与件文の着眼点は大きく5つ

与件文のどんな記述が出たらこの論点だと気づけばいいのか、動画は着眼点を見ていきます。

1複数の作業者、または作業者と機械が組む工程2作業者や機械の稼働率が低い、手待ちがある3一人で複数の機械を受け持つ・受け持てていない4分担や機械の割り当てが経験や勘に頼っている5レイアウトや機械配置の見直し、自動化の検討
与件文の着眼点5つ

お願いします。どこに反応すればいいですか?

大きく5つあります。まず、複数の作業者、または作業者と機械が組み合わさって進む工程がある、という記述。

1人1工程じゃなくて、誰かと誰か、あるいは誰かと機械がペアになってる感じですね。

そうです。2つ目が、特定の工程で作業者や機械の稼働率が低い、あるいは手待ちが発生している、という記述。

さっきの「待たされてる」ってやつですね。

そのとおりです。3つ目が、一人の作業者が複数の機械を受け持っている、あるいは受け持てていない、という記述。

これはちょっとイメージしにくいです…どういう状況ですか?

講師が挙げるたとえは、カフェのキッチンです。1人のスタッフがオーブンとコーヒーマシンの両方を担当しているとします。オーブンが焼き上がるのを待っている間、コーヒーマシンは誰も操作せず止まっている、という場面です。

人スタッフ1人オーブン焼き上がりを待っているコーヒーマシン誰も操作せず止まっている1人が両方を担当している
カフェのキッチンのたとえ

あ、それなら分かります。1人が2台を掛け持ちしてるせいで、片方が動いてない時間が生まれちゃうんですね。

そうです。逆に、受け持てていないパターンもあって、機械の台数に対して人が足りず、機械の方が止まったまま、ということもあります。本番では、与件文のどの人・どの機械が止まっているかを、まずそのまま読み取ることが大事です。

稼働バランスが崩れてる原因を、勝手に想像しないで、書いてあるとおりに拾う、ってことですね。

そのとおりです。4つ目が、作業の分担や機械の割り当てが、経験や勘に頼って決められている、という記述。

「ベテランの感覚で割り振ってます」みたいなやつですか。

まさにそれです。仕組み化されていない、という弱みのサインになります。5つ目が、レイアウトや機械配置の見直し、自動化の検討を進めている、という記述です。

この5つのどれかが出たら、連合作業分析の視点で読む、と。

はい。5つセットで頭に入れておくと、与件文を読むスピードが変わってきます。

覚えておきます。

拾った情報をどう整理するか

この論点の整理の軸は、「誰が、あるいはどの機械が」「いつ」「稼働しているか、待っているか」を時系列で対応づける、という発想です。

図みたいなものを実際に描く必要があるんですか?

二次試験の与件文分析では、実際にタイムチャートを描く必要はありません。与件文の記述から、作業者・機械のどちらか、あるいは両方に手待ちや遊休が生じている状況を読み取れれば十分です。

描かなくていいのは助かります。

大事なのはその先で、その原因が人員配分の偏りにあるのか、機械の受け持ち台数の設定にあるのかを整理することです。稼働率の低下が作業者側の問題なのか、機械側の問題なのかを切り分けるのが、情報整理の軸になります。

誰がどの機械がいつ稼働しているか、待っているか時系列で対応づける稼働率低下は、人側の問題か、機械側の問題か作業者側の問題人員配分の偏り機械側の問題機械の受け持ち台数の設定
情報整理の軸

さっきのカフェの例だと、1人が2台掛け持ちしてるのが原因なら、それは人員配分というより受け持ち方の問題、ってことですよね。

そのとおりです。その切り分けができていると、次の解答への落とし込みがぐっとスムーズになります。

私、そこを読み飛ばしてました。稼働率が低い、で終わらせちゃって、原因を人側か機械側かまで分けて書けてなかったです。

そこまで書けると、一段深い答案になります。

解答への落とし込み:問題点と対応策

問題点を問われた場合は、「作業者・機械の稼働バランスが悪く、手待ちや稼働率低下が生じている」という状態を示したうえで、その原因を「人員配分の偏り」や「機械の受け持ち台数の不適切さ」といった形で、与件文から具体的に拾って書きます。

状態を示す作業者・機械の稼働バランスが悪く、手待ちや稼働率低下が生じている原因を与件文から具体的に拾う人員配分の偏り機械の受け持ち台数の不適切さ「効率が悪い」で終わらせない
問題点の書き方

抽象的な「効率が悪い」で終わらせない、ってことですね。

そうです。対応策を問われた場合は、3点を組み合わせて書きます。1つ目が、作業者と機械の稼働状況を可視化して、手待ち時間を特定すること。

まず現状を見える化する、ってことですね。

2つ目が、作業の分担や機械の受け持ち台数を見直して、稼働バランスを最適化すること。

3つ目もありますか?

3つ目が、レイアウトや機械の改良、自動化によって、協同作業の効率を高めることです。この3つを組み合わせて書くのが型になります。

対応策内容
可視化作業者と機械の稼働状況を可視化し、手待ち時間を特定する
分担見直し作業の分担や機械の受け持ち台数を見直し、稼働バランスを最適化する
レイアウト改善レイアウトや機械の改良、自動化で協同作業の効率を高める

「効率化する」だけで書いちゃいそうなんですけど、それだとダメなんですか?

抽象論で終わらせず、稼働バランスの偏りという具体的な視点を盛り込むことが、評価につながるポイントです。可視化・分担見直し・レイアウト改善、この3つの言葉を持ってるかどうかで、答案の具体性が変わってきます。

書いたのに点が伸びなかった理由が分かりました。「改善する」としか書いてなくて、何をどう改善するかが抜けてたんだと思います。

それだと採点者からすると、根拠のない一般論に見えてしまうんです。

気をつけます。

混同・誤答しやすいポイントを2つ

講師は、混同・誤答しやすいポイントを2つ整理します。1つ目は、似た名前の論点との違いです。

① 似た名前の論点稼働バランスの話(人・機械の協同)は別の論点時間そのものの設定(作業にかかる時間)② いきなり飛びつく「機械を増やす」「人を増やす」先に検討する既存の作業者・機械の組み合わせ方・受け持ち方
混同・誤答しやすい2つのポイント

似た名前の論点、ってあるんですか?

この論点が扱うのは「複数の人・機械が協同する際の稼働バランス」です。一方で、作業そのものにどれくらいの時間がかかるかを設定する論点は、また別に存在します。稼働バランスの話と、時間そのものの設定の話は、似ているようで扱う対象が違う、というのだけ押さえておいてください。

バランスの話と、時間の設定そのものの話は別物、っていうことですね。

そうです。ここを混同すると、与件文の状況に合わない解答になってしまうので、注意してください。

はい、分けて考えます。

2つ目は、先ほど少し触れた、いきなり増員や設備投資に飛びついてしまう誤答パターンです。

さっきの「手が止まった」ところですね。

そうです。単に「機械を増やす」「人を増やす」という解答に飛びつくのではなく、既存の作業者・機械の組み合わせ方や、受け持ち方を見直すことで稼働率を改善できないか、という視点を先に検討することが大事です。

なんでそっちを先に検討する必要があるんですか?

与件文の多くは、設備投資や採用に慎重な中小企業という前提で描かれています。だからこそ、まず今ある人と機械の組み合わせ方を見直す、という発想の解答の方が、その前提に合いやすいんです。

増員や設備投資は、いわばコストがかかる最後の手段で、その前に見直せることがある、と考えればいいですか。

その理解で大丈夫です。この視点があるかどうかで、答案の説得力がだいぶ変わってきます。

覚えておきます。

まとめ

今日のポイント

  • 与件文で、複数人や人と機械が組む工程、手待ちや稼働率低下、経験や勘に頼った分担、この3つの記述に出会ったら、この論点を疑う
  • 整理の軸は、稼働率低下が人側の問題か、機械側の問題かの切り分け
  • 解答は、可視化・分担見直し・レイアウト改善の3点セットで、抽象論に逃げずに書く

補足(動画の言い間違い):動画では、まとめで「この3つの記述」と言っていますが、与件文のサインは動画の前半で挙げた5つです。まとめの3つは、そのうちの「複数人や人と機械が組む工程」「手待ちや稼働率低下」「経験や勘に頼った分担」にあたります。残りの2つ(一人の作業者が複数の機械を受け持つ、またはその受け持ちができていない記述、レイアウトや機械配置の見直し・自動化の検討の記述)も、動画は「5つセットで頭に入れておく」と言っています。

5つの着眼点、しっかり頭に入れておきます。

整理の軸は、稼働率低下が人側の問題か、機械側の問題かの切り分けです。そして解答は、可視化・分担見直し・レイアウト改善の3点セットで、抽象論に逃げずに書く。

増員や設備投資にすぐ飛びつかない、というのも忘れずに。

そうですね。稼働バランスという視点を持っているだけで、事例Ⅲの生産現場の問題は、ぐっと読み解きやすくなります。今日の内容、ぜひ本番の与件文読解で使ってみてください。

ありがとうございました!

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