聞き流しラボby KUFUYA
中小企業診断士 1次試験

7科目を、聞き流しで一周する。

企業経営理論から中小企業政策まで、1次試験の論点を科目別の講義動画にまとめています。過去問の解説も1問ずつそろえています。

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SWOT・3C・PESTのつながり

企業経営理論・経営戦略 00117分12秒2026年5月5日公開

製品は業界トップクラス、お金まわりも健全。それでも会社がつぶれることがあります。原因は、海外で決まった新しい環境規制を見落としていたこと。動画はそんなたとえ話から始まります。このページでは、SWOT・3C・PESTを「バラバラの用語」ではなく「1本の流れ」として、はじめての人向けにまとめました。

POINT

この講義でわかること

  • 環境分析の2つの切り口:「会社の中か外か」「近くか遠くか」
  • SWOT分析は、強み・弱み・機会・脅威を1枚にまとめる道具
  • クロスSWOT:強みと機会などを掛け合わせて、打ち手を考える
  • 3C分析で「その強み、本当に強み?」を確かめる
  • PESTでとらえた世の中の大きな変化が、3Cを通ってSWOTの機会・脅威になる流れ
NOTE

動画の内容をやさしく解説

3行でいうと

  • 戦略を考える前に、まず会社の「中」と「外」、「近く」と「遠く」を見ます(環境分析)。
  • SWOTは全体をまとめる1枚のボード。3Cは身近な相手(顧客・競合)を、PESTは世の中の大きな波を見る道具です。
  • PEST → 3C → SWOT とつながり、最後に強みと機会などを掛け合わせて戦略を考えます。

環境分析ってなに?

会社が戦略を立てる前に、「自分たちはどんな状況にいるのか」を調べることを環境分析といいます。見る範囲は、2つの切り口で整理できます。

  • 会社の中か、外か:自社の人・技術・お金などを見る内部環境と、会社の外で起きていることを見る外部環境。
  • 近くか、遠くか:お客さんや競合など、会社と直接かかわるミクロ環境と、政治や景気など、社会全体の大きな動きであるマクロ環境。

たとえるなら

カメラのレンズを付け替えて1つずつ見るのではなく、飛行機のコックピットのように、いくつもの画面を同時に見るイメージです。遠くの天気だけ見て足元の計器を見なければ、墜落してしまいます。

SWOT分析:全体を1枚にまとめる

SWOT分析は、4つの箱で状況を整理する方法です。

プラスマイナス
内部自分で変えられるS 強みStrengthsW 弱みWeaknesses
外部自分では変えられないO 機会OpportunitiesT 脅威Threats

ポイントは、自分でコントロールできる内部と、自分ではどうにもできない外部をはっきり分けることです。

書き出して終わりにしない:クロスSWOT

よくある失敗は、4つの箱を埋めて「分析完了!」と満足してしまうこと。大事なのは、内部と外部を掛け合わせて、何をするかを考えることです。これをクロスSWOT分析といいます。

掛け合わせるって、具体的にはどういうことですか?

写真フィルムのメーカーの例で考えましょう。デジタルカメラが広まって、フィルムが売れなくなった。これは自社の努力では止められない「脅威」です。

それはもう、どうしようもないですね…

でも、フィルムづくりで育てた化学の技術やコラーゲンの技術という「強み」がありました。それを、伸びている化粧品や医療の分野という「機会」にぶつけたんです。

変えられない波に、変えられる武器をどう使うか。それが「掛け合わせる」なんですね。

3C分析:その強み、本当に強み?

「自分たちが得意なことなら、強みでしょ?」と思いがちです。でも、誰も欲しがらなかったり、他社がもっと安く出していたりしたら、それは強みとはいえません。

そこで使うのが3C分析です。顧客(Customer)・競合(Competitor)・自社(Company)の3つの目線で、自社と、自社に直接かかわる身近な外部環境(ミクロ環境)をあわせて見ます。協力者(Co-operator)を加えて4Cとすることもあります。

たとえば

「絶対に壊れないガラケーを作れる技術」があっても、お客さんは大画面のスマホで動画を見たいし、競合は安くて高性能なスマホを次々に出している。これでは、その技術は強みになりません。

自社は内部環境、顧客と競合は外部環境です。つまり3C分析は、SWOT分析と別物ではなく、SWOTの中身を正確にするための材料なのです。

PEST分析:世の中の大きな波をつかむ

顧客や競合を見ていても、業界そのものがひっくり返るような変化が起きることがあります。冒頭の「海外の新しい規制」がまさにそれです。この大きな波(マクロ環境)を見るのがPEST分析です。

  • P 政治(Politics):法律や規制の変更、補助金など。例:ガソリン車の新車販売を将来禁止するような規制
  • E 経済(Economy):景気、物価、為替、株価など。例:急な円安で、輸入している原材料のコストが上がる
  • S 社会(Society):人口、少子高齢化、生活スタイル、世論など。例:共働き世帯が増えて、ロボット掃除機や冷凍食品が伸びる
  • T 技術(Technology):新しい技術、特許など。例:生成AIの登場

4つの要素は、ばらばらではなく玉突きのように連鎖します。生成AIが広まる(T)→ 働き方が変わる(S)→ 国がルールを整える(P)→ 伸びる産業と縮む産業が出てくる(E)、という具合です。

3つはひとつの流れでつながっている

PESTでとらえた大きな波は、やがてお客さんの好みや競合の動き(3C)を変え、最後はSWOTの「機会」や「脅威」として自社に届きます。

  1. 内部環境を見て、自社の強み・弱みをつかむ
  2. 3C分析で、顧客と競合から見て、それが本当に強み(弱み)かを確かめる
  3. PEST分析で、避けられない世の中の変化を読む
  4. 全部をSWOTの1枚にのせ、掛け合わせて戦略を考える

試験ではここに注目

  • SWOTの内部(S・W)と外部(O・T)の区別
  • 3Cのうち顧客・競合はミクロ環境(外部)、自社は内部環境。PEST(政治・経済・社会・技術)はマクロ環境
  • クロスSWOTは、要素を掛け合わせて戦略を導く方法

この流れがわかっていれば、見たことのない事例が出ても、「これはどの分析の話か」を落ち着いて判断できます。

今日からできる練習

ニュースで新しい法律や技術の話を見たら、「これはPESTのどれ?」「自分の会社やお気に入りのブランドにとって、機会? 脅威?」と考えてみてください。ふだんのニュースが、そのまま試験の練習になります。

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