制限行為能力者のまとめ
経営法務 第3回
「あなたが経営する高級家電のセレクトショップに、1人の若者が来店します。最新型の30万円のゲーミングPCを現金でポンと購入。ところが数日後、『うちの子はまだ17歳です。全額返金してください』と親御さんが怒鳴り込んできたら、この要求を突っぱねることができるでしょうか」。動画はこんな問いかけから始まります。このページでは動画の流れにそって、未成年者の取消しと3つの例外、成年の3段階、詐術までを、はじめての人にもわかる言葉でまとめました。まず動画を聞いて、あとからここで復習するのがおすすめです。
30万円のPC、返金を断れる?
動画の冒頭の場面から考えてみましょう。あなたが経営する高級家電のセレクトショップで、17歳の若者が最新型のゲーミングPCを30万円、現金でポンと買っていきました。ところが数日後、使い込まれたPCを抱えた親御さんが怒鳴り込んできます。「うちの子はまだ17歳です。親の許可もなく高額な買い物をさせて。全額返金してください」。
結論から言うと、この要求は断れません。30万円を返して、中古になったPCを引き取ることになります。大げさな脅しではなく、相手が契約できる法的な力を見誤ると、利益が一瞬で吹き飛ぶリスクがあるということです。
理由は、未成年者が親などの同意なしに結んだ契約を、あとから取り消せるからです。取引を守りたいビジネス側の論理と、判断の十分でない人を守りたい法律の論理。この2つが激しくぶつかる場所が、今回のテーマ制限行為能力者です。
制限行為能力者って、どんな人?
「行為能力」=ひとりで契約して、責任を持てる力
法律には行為能力という考え方があります。やさしく言うと、自分ひとりで、完全に有効な契約(法律行為)を結んで、その結果に責任を持てる力のことです。
世の中には、この力をまだ持っていない人、あるいは十分でない人がいます。たとえば未成年者や、精神上の障害で判断能力が不十分な人です。こうした、ひとりで法律行為をする力が制限されている人たちをまとめて制限行為能力者と呼びます。
「制限」は縛るためではなく、守るため
「制限」と聞くと、自由を奪っているようで少しネガティブに聞こえますよね。でも、法律の目的は逆です。判断能力が十分でないまま、わけのわからない不利な契約を結ばされて、財産を失ったり借金を背負わされたりするのを防ぐためのものです。
たとえるなら
制限行為能力者の制度は、弱い立場の人を守る盾です。ビジネス側から見ると厳しい制約ですが、社会全体で見れば、安心して暮らすための強いセーフティネットになっています。
制限行為能力者は4種類
民法が定める制限行為能力者は、次の4種類です。
- 未成年者:18歳未満の人。年齢で一律に決まります。
- 成年被後見人:精神上の障害で、事理を弁識する能力(物事の良し悪しや結果を理解する力)を欠く常況にある人。
- 被保佐人:事理を弁識する能力が著しく不十分な人。
- 被補助人:事理を弁識する能力が不十分な人。ただし、補助人に同意権を与える審判を受けた人だけが、制限行為能力者になります(くわしくは後ほど)。
大人の3種類は、本人が自動的にそうなるのではなく、家庭裁判所の審判を受けて初めてなります。
【補足】動画では触れていませんが、似た言葉に意思能力があります。契約をしたときに意思能力がなかった人(泥酔した人や重い認知症の人など)の契約は、無効です(民法3条の2)。一方、制限行為能力者の契約は「無効」ではなく、取り消すまでは有効で、取り消すと初めから無効になる契約です。この違いは試験でも狙われます。
未成年者:18歳未満は、親の同意がないと取り消せる
未成年者は18歳未満
民法は「年齢18歳をもって、成年とする」と定めています(4条)。つまり、18歳未満が未成年者です。
【補足】成年年齢はかつて20歳でしたが、令和4年(2022年)4月1日から18歳に引き下げられました。古い教材では「20歳未満」と書かれていることがあるので、注意してください。
契約するには、法定代理人の同意が必要
未成年者が法律行為をするには、原則として法定代理人の同意が必要です(5条1項)。法定代理人というのは、ふつうは親権者、つまり父母のことです。
事情があって親権者がいない場合(親権を行う人がいない、または管理権がない場合など)には、未成年後見人が法定代理人になって、同意を与える役割を担います。つまり、18歳未満の人が契約するときは、親権者か未成年後見人の「オッケー」が原則として必要だということです。
【補足】未成年後見人は、最後に親権を行う人が遺言で指定できます。指定がないときは、家庭裁判所が選任します(839条・840条)。また、法定代理人は同意を与えるだけでなく、本人に代わって契約する(代理する)こともできます(824条・859条)。
【補足】令和6年の民法改正により、令和8年4月1日から、離婚後も父母が共同で親権者になれるようになりました(共同親権)。親権は原則として父母が共同して行い、ただし監護・教育に関する日常の行為などは一方が単独でできる、という整理になっています(824条の2)。試験対策としては、まず「法定代理人の同意」と押さえておけば十分です。
同意なしの契約は「取り消せる」
未成年者が法定代理人の同意を得ずに単独でした法律行為は、原則として取り消すことができます(5条2項)。冒頭のPCの例では、ここが法律が未成年者に与えている最も強い武器です。
ここで大事なのは、取消しは「やっぱりやめた」というただのキャンセルではないことです。取り消された行為は、初めから無効だったものとみなされます(121条)。契約が最初からなかったことになるので、代金は全額返さなければなりません。使われて価値が下がったPCについて、店側が損害の穴埋めを求めるのは非常に難しくなります。
たとえるなら
親の同意のない契約は、あとから押せる超強力なリセットボタンつきの契約です。「返品なら手数料くらい引けるだろう」と考えていると、痛い目を見ます。
【補足】取り消したあとの返還のしかたにも決まりがあります。ふつうは、お互いに受け取ったものを元に戻す義務があります。でも、制限行為能力者は、その行為によって現に利益を受けている限度で返せばよいことになっています(121条の2第3項)。冒頭の例では、店は30万円を全額返す一方、未成年者はPCが手元にあればそれを返す、というイメージです。お金を使い切ってしまったときに、その分を取り戻すことはできません。
【補足】取り消しに関する試験の定番ポイントを、まとめておきます。
- 取り消せる人(120条1項):制限行為能力者本人、その代理人(法定代理人など)、承継人、同意をすることができる人(保佐人・補助人など)。本人も、親の同意なしに自分で取り消せます。
- 取消しの方法:相手が決まっている契約なら、相手に対して「取り消します」と意思表示をします(123条)。
- 追認:取り消せる契約を、取り消さずに有効と確定させること(122条)。本人が追認するには、取消しの原因(未成年なら未成年であること)が消え、取消権があることを知ったあとでなければなりません。ただし、法定代理人・保佐人・補助人が追認するとき、また成年被後見人以外の制限行為能力者が保護者の同意を得て追認するときは、「取消しの原因が消えたあと」でなくてもかまいません(ただし、取消権があることを知ったあとであることは必要です。124条2項)。
- 法定追認:追認できる時以後に、代金の請求や履行、担保の提供などをすると、追認したものとみなされます(125条)。
- 取消権の期間:追認できる時から5年、または行為の時から20年で消滅します(126条)。
未成年者が単独でできる3つの例外
ここで、素朴な疑問が出てきます。16歳の高校生がコンビニでジュースを買ったり、ノートを買ったりするたびに親の同意書が必要だったら、経済活動は止まってしまいますよね。本人の日常生活も成り立ちません。
そこで法律は、原則(同意がなければ取消し可)のほかに、同意がなくても単独で有効にできる例外を3つ用意しています。
① 単に権利を得、または義務を免れる行為
たとえば、親戚から入学祝いのお金をもらう、友人から参考書をタダで譲ってもらう、といった場合です(5条1項ただし書)。理由は、未成年者にとって不利益になるおそれがまったくないからです。財産を失う心配がないので、盾を使って守る必要がありません。
ポイントは「単に」という言葉です。もし「参考書をあげる代わりに、毎日ぼくの宿題を手伝って」という条件がつくと、宿題を手伝う義務が生まれます(負担付きの贈与)。不利益を受けるおそれがあるので、この場合は単独ではできません。「単に」の一言に、不利益を絶対に負わせないという法律の意思が詰まっています。
② 処分を許された財産の処分
法定代理人が許した財産は、その範囲で未成年者が自由に使えます(5条3項)。2つのパターンがあります。
- 目的を定めて渡されたお金:「通学の定期券を買いなさい」と渡されたお金で、定期券を買う。その目的の範囲で自由に使えます。
- 目的を定めずに渡されたお金:毎月のお小遣いで、好きな雑誌を買う。この場合も同じように、自由に使えます。
親が「この範囲なら好きに使っていいよ」とあらかじめ枠を決めている、と考えるとわかりやすいですね。だから、コンビニでお菓子を買っても、親があとから「取り消します」とは言えません。
診断士のアドバイスとしては、こう考えます。子ども向けゲームの数百円の課金なら、お小遣いの範囲として取消しを防げる可能性があります。でも、月に何十万円もの課金になると、処分を許された範囲を超えていると判断され、取消しのリスクが出てきます。取引の規模や金額が社会通念に照らしてどうか、が分かれ目になります。
③ 営業を許された未成年者が、その営業に関してする行為
親が、未成年の子に特定の営業を許可したとします。たとえば、ネットでアクセサリーを売る商売です。このとき、その未成年者はその営業に関しては、成年者と同じ行為能力を持ちます(6条1項)。商品の仕入れやお客さんへの販売に、いちいち親の同意はいりません。仕入れのたびに同意書が必要では、ビジネスのスピードについていけませんからね。
【補足】許された営業は「その営業に関して」だけです。許可されていない別の商売や、営業と関係のない買い物まで、自由になるわけではありません。また、未成年者がその営業に堪えることができない事由があるときは、法定代理人はその許可を取り消したり、制限したりできます(6条2項)。
原則は取り消せる、でも日常生活や商売が回るように例外がある。バランスがよくできていますね。
保護と自立のバランスです。年齢という明確な基準で守りつつ、現実的な例外で自立も促す設計になっているんです。
大人の制限行為能力者は3段階
ここまでは、年齢で線を引ける未成年者の話でした。でも、実際のビジネスで出会うのは未成年者だけではありません。成年でも、精神上の障害によって判断能力が不十分な人には、サポートが必要です。
そこで、未成年者以外の制限行為能力者は、判断能力の程度に合わせて成年被後見人・被保佐人・被補助人の3つに分けられています。成年被後見人がいちばん重く、被補助人がいちばん軽い、判断能力の「グラデーション」です。未成年者の一律ルールと違って、大人は一人ひとりの状態に合わせた対応が必要だからです。
| 成年被後見人 | 被保佐人 | 被補助人 | |
|---|---|---|---|
| 判断能力 | 欠く常況 | 著しく不十分 | 不十分 |
| 保護者 | 成年後見人 | 保佐人 | 補助人 |
| 同意権 | なし | あり13条1項の行為 | 審判で与えたときだけ |
| 取消し | 日用品など以外すべて | 同意が必要な行為を、同意なしにしたとき | 同意が必要な行為を、同意なしにしたとき |
| 代理権 | 全面的財産に関する行為 | 審判で与えたときだけ | 審判で与えたときだけ |
成年被後見人:いちばん手厚い保護
判断能力を欠く常況にあって、家庭裁判所の後見開始の審判を受けた人が成年被後見人です(7条・8条)。保護者として成年後見人がつきます。未成年者の法定代理人に近い役割です。
- 成年後見人には、財産に関する法律行為について、本人に代わって契約する代理権があります(859条)。
- 成年被後見人の法律行為は、日用品の購入その他日常生活に関する行為を除いて、取り消すことができます(9条)。つまり、本人が単独で不利な契約をしても、成年後見人があとから取り消せます。
【補足】成年後見人には、同意権はありません。成年被後見人は判断能力を欠く常況にあり、同意を与えても、その同意どおりに行動できるとは限らないためだ、と説明されます。守り方は「本人に代わって契約する(代理)」と「あとから取り消す」の2本立てだと覚えましょう。
補足:動画にない話です(基準日後の改正):令和8年法律第45号(令和8年6月24日公布)により、成年後見制度は後見・保佐を廃止して補助に一元化する改正が行われました。公布から2年6月を超えない範囲で政令が定める日に施行され、e-Govの版では2028-12-23以降です。令和8年試験の基準日(令和8年4月1日)時点では、この記事の記述のとおりです(参考:法務省 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00389.html)。
被保佐人と被補助人:必要な分だけ、オーダーメイドで守る
被保佐人と被補助人は、判断能力が不十分とはいえ、ある程度の理解力と意思を持っています。ここで何でも取り消せる強すぎる盾を使うと、かえって本人が自分で決める自由や、社会に参加する機会を奪うことになってしまいます。だから、保護は「必要な分だけ」のオーダーメイドです。自己決定をできるだけ尊重しながら、サポートが必要な部分だけを確実に守る仕組みです。
ただし、動画ではこの先の細かい中身までは説明されていません。試験ではここが頻出なので、以下は【補足】として、条文をもとにまとめます。
【補足】被保佐人(11条〜13条)
- 次の行為をするには、保佐人の同意が必要です(13条1項)。同意なしにした行為は、取り消せます(13条4項)。ただし、日用品の購入など日常生活に関する行為は、同意はいりません。
- 家庭裁判所は、請求により、13条1項の行為以外にも同意が必要な行為を追加できます(13条2項)。
- 保佐人が、本人の利益を害するおそれがないのに同意しないときは、家庭裁判所が、本人の請求により、同意に代わる許可を出せます(13条3項)。
- 保佐人の代理権は、当然にはありません。家庭裁判所が審判で特定の法律行為の代理権を与えたときだけです(876条の4)。本人以外の請求でこの審判をするときは、本人の同意が必要です。
被保佐人が保佐人の同意を必要とする行為(13条1項)
- 元本の領収や利用(たとえば、預貯金の払戻しや貸したお金の回収、お金の貸付け)
- 借金や保証をすること
- 不動産その他の重要な財産に関する権利を得たり失ったりする行為(不動産の売買など)
- 訴訟行為
- 贈与、和解、仲裁合意
- 相続の承認・放棄、遺産分割
- 贈与の申込みの拒絶、遺贈の放棄、負担付贈与の申込みの承諾、負担付遺贈の承認
- 新築、改築、増築、大修繕
- 602条の定める期間を超える賃貸借(山林10年・土地5年・建物3年・動産6か月が上限)
- 上のどれかの行為を、制限行為能力者の法定代理人としてすること
【補足】被補助人(15条〜17条)
- 補助は、いちばん軽い段階です。補助開始の審判は、同意権を与える審判(17条1項)か、代理権を与える審判(876条の9第1項)の、どちらか(または両方)と一緒にします(15条3項)。
- 同意権を与えられる行為は、13条1項の行為の一部に限られます(17条1項ただし書)。補助人の同意が必要とされた行為を、同意なしにしたら取り消せます(17条4項)。
- 本人以外の請求で補助開始の審判をするとき、同意権を与える審判をするとき、代理権を与える審判をするときは、いずれも本人の同意が必要です(15条2項・17条2項・876条の9)。
- 代理権だけを与えられた被補助人は、行為能力が制限されません。つまり、制限行為能力者になるのは、同意権を与える審判を受けた被補助人だけです(13条1項10号のかっこ書)。
後見・保佐・補助は、同じ人に重ねて開始することはできません。たとえば、被保佐人に後見開始の審判をするときは、先に出ていた保佐開始の審判を取り消します(19条)。
うそをついて騙した制限行為能力者は、守られない
ここまで見てきたように、制限行為能力者の盾はとても強力です。ところが、この盾が一瞬で砕けてしまう場面があります。それが、制限行為能力者が、行為能力者であると信じさせるために詐術を用いたときです。
たとえば、16歳なのに「私は18歳の成人です」と年齢をごまかして、相手を騙して契約したケースです。この場合、その行為を取り消すことはできなくなります(21条)。
なぜ盾が没収されるのか
法律には、制限行為能力者の保護のほかに、もう1つ大事な考え方があります。取引の相手の保護です。相手が積極的にうそをついて騙したのに、あとから「未成年だったから白紙に戻せ」と言われたら、ビジネス側は一方的に大損です。自分でうそをついて相手を信じ込ませた人まで無条件で守るほど、法律は甘くありません。権利を主張するなら、自分も誠実でなければならない、ということです。
どこからが「詐術」?
では、年齢確認でどこまでやれば「行為能力者のふりをした」と言えるのでしょうか。動画では、次のように説明されています。
- 他人の身分証や、偽造した学生証を見せるなど、相手を信じさせるための積極的な行為があれば、詐術に当たる。
- 対面で「18歳以上?」と聞かれて口頭で「はい」と答えただけとか、オンライン決済画面の「18歳以上です」にチェックを入れただけで、直ちに詐術が認められるとは限らない。
ここは、判例の考え方も合わせて整理しておきます。判例(最判昭和44年2月13日)は、制限行為能力者であることを単に黙っていただけでは、詐術には当たらないとしています。一方で、黙っていた場合でも、本人のほかの言動と合わさって、相手を誤信させたり、すでにある誤信を強めたりしたと言えるときは、詐術に当たるとしています。つまり、「積極的な行為がなければ絶対に詐術ではない」とまでは言えず、事案ごとの総合判断になります。
オンラインビジネスでは、クレジットカード情報の入力や、年齢確認を複数の段階で行うなど、「この手順を通って契約した以上、相手が積極的に偽った」と示しやすい仕組みを作る事業者が増えています。診断士としては、取消しのリスクを減らすための仕組みづくりをアドバイスする場面があるかもしれません。
【補足】取引の相手の側にも、不安定な状態を終わらせる手段があります。それが催告権です(20条)。
- 本人が行為能力者になったあと、1か月以上の期間を定めて「追認しますか」と催告し、期間内に確答がなければ、追認したものとみなされます(1項)。
- 本人がまだ制限行為能力者の間に、法定代理人・保佐人・補助人に催告し、期間内に確答がなければ、同じく追認したものとみなされます(2項)。
- 特別の方式が必要な行為では、期間内に方式を整えたと通知しなければ、取り消したものとみなされます(3項)。
- 被保佐人や、同意権を与える審判を受けた被補助人に対しては、「保佐人・補助人の追認を得てください」と催告できます。期間内に通知がなければ、取り消したものとみなされます(4項)。
未成年者や成年被後見人本人に催告しても、まだ行為能力者になっていないうちは、効力がありません。どの相手に催告するかで、結論が「追認」か「取消し」かに分かれる点に注意しましょう。
まとめと、動画の最後の問い
未成年者や精神上の障害のある人を不当な契約から守る「取消し」という強い盾。一方で、お小遣いや許された営業といった現実的な例外。そして、うそをついて騙したら盾を取り上げるという、取引相手の保護。この3つのバランスで、社会のビジネスは安全に回っています。
動画の最後には、こんな問いが投げかけられていました。AIが年齢確認を自動でする時代に、そのシステムがごまかされて契約が結ばれてしまったとき、事業者はどこまで責任を負い、どこから守られるべきなのか。答えは1つに決まっていません。自分の身近なビジネスに当てはめて、考えてみてください。
試験ではここに注目
- 未成年者は18歳未満。法定代理人(親権者・未成年後見人)の同意なしにした行為は、取り消せる。
- 取り消された行為は初めから無効とみなされる(121条)。制限行為能力者の返還義務は現に利益を受けている限度(121条の2第3項)。
- 未成年者が単独でできる行為は3つ。単に権利を得る・義務を免れる(負担付贈与は不可)/処分を許された財産(目的あり・目的なし)/許された営業(その営業に関してのみ)。
- 成年被後見人:日用品の購入など以外は取り消せる。成年後見人に同意権はなく、代理権と取消権がある。
- 被保佐人:13条1項の10種類の行為に保佐人の同意が必要。代理権は審判で与えたときだけ。
- 被補助人:同意権・代理権とも審判で与えたとき。制限行為能力者になるのは同意権付与の審判を受けた人だけ。同意権の対象は13条1項の行為の一部。
- 詐術を用いて能力者だと信じさせると、取り消せない(21条)。黙っていただけでは詐術にならない。
- 取消権は、追認できる時から5年、行為の時から20年で消滅(126条)。相手方の催告は1か月以上の期間(20条)。

