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中小企業診断士 1次試験

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Web3とNFTって何が違う?CMSから分散型インターネットまで図解

経営情報システム 第47回

経営情報システム・経営とIT 0059分8秒2026年4月18日公開

「あなたが毎日何気なく使っているウェブサイトやデジタルのビジネス環境ですが、その裏側でどんな仕組みが動いているか、立ち止まって考えたことはありますか?」。動画はこんな問いかけから始まります。このページでは動画の流れにそって、CMS、UIとUX、クッキー、チャットボット、リモートデスクトップ、Web3、ブロックチェーンの3種類、NFTをまとめました。まず動画を聞いて、あとからここで復習するのがおすすめです。

毎日使うWebの裏側、考えたことはありますか?

「あなたが毎日何気なく使っているウェブサイトやデジタルのビジネス環境ですが、その裏側でどんな仕組みが動いているか、立ち止まって考えたことはありますか?」。動画はこんな問いかけから始まります。

動画の前半は、いまのWebを支える土台の話です。サイトを簡単に作る仕組み、使う人の体験、それを裏で支える仕組みを順に見ていきます。後半は視点を広げて、次世代の分散型インターネットとされるWeb3と、その周辺の用語へ進みます。

  • CMS:専門知識がなくてもWebサイトを管理しやすくする仕組み。
  • UIとUX:ユーザーとの接点と、利用を通して得る体験。
  • クッキー・チャットボット・リモートデスクトップ:快適さや効率を支える裏方たち。
  • Web3とブロックチェーン:分散型の仕組みと、パブリック型・プライベート型・コンソーシアム型の3種類。
  • NFT:ブロックチェーンを基盤に発行される、唯一無二で替えが効かないトークン。

タイトルの「Web3とNFTって何が違う?」には、動画の整理に沿って先に答えておきます。Web3は分散型インターネットのあり方、NFTはブロックチェーンを基盤に発行されるトークンです。つまり同じ種類の言葉ではありません。この記事では、Web3を「環境」、NFTをその上で使われる「道具」のように捉えると整理しやすい、と補っておきます(動画の言い方ではありません)。章の最後に、もう一度表で整理します。

CMS:完成済みのモデルハウスに家具を置く

昔は、ウェブサイトをゼロから自力で作るのはとても大変で、専門的な知識がないと手が出せませんでした。そこで登場したのがCMS(コンテンツマネジメントシステム)です。動画では、専門的な知識を持たない人でもWebサイトを容易に管理できるように開発された、コンテンツ管理システムだと説明されます。たとえば多数のWebページの追加や更新を、一括して管理したい場面で利用されます。

ゼロから自力で制作する木を切り倒して家を建てる専門知識が必要CMSを使う完成済みのモデルハウスに家具を置いていく管理・更新がラク多数のページの追加・更新を一括管理しやすい
CMSは、完成済みのモデルハウスに家具を置いていくイメージです。

動画のたとえが分かりやすいので、そのまま使いましょう。ゼロからサイトを作るのは、木を切り倒して一から家を建てるようなものです。CMSは、すでに完成しているモデルハウスに、家具を配置していくような感覚です。構築も管理も更新作業も、ずっと簡単になります。

(補足:CMSは、Webコンテンツを構成するテキストや画像などのデジタルコンテンツを、統合・体系的に管理し、配信など必要な処理を行うシステムの総称と説明されています。日本語版Wikipediaでの確認で、二次資料です。)

家そのものを建てなくていいなら、専門家でなくてもお店のページを運用できますね。

そうなんです。サイトを出す側が便利になったことで、次は使う側の体験が進化してきた、という流れで動画は進みます。

UIとUX:ハンドルと、運転の心地よさ

ユーザー側の体験でよく耳にするのが、UIとUXです。UIはユーザーインターフェイスの略で、ユーザーと機器やデバイスをつなぐ接点のことです。画面のデザインやボタンの配置のように、私たちが実際に目にして触れる部分が当たります。

もう一つのUXは、ユーザー体験を意味します。必要な機能を提供するだけでなく、製品やサービスの利用を通して、ユーザーが満足感を得られるように体験を設計することです。動画では、最近はこのUXが競合他社との差別化につながるため、非常に重要視されていると説明します。機能が同じなら、使っていて心地よい方、スムーズに目的を達成できる方を選びますよね。

たとえ:車のハンドルと、運転の心地よさ

UIが車のハンドルや計器盤だとしたら、UXはその車を運転したときの心地よさや楽しさ全体です。UIという「点」を通して、UXという「体験」を提供する、というのが動画の整理です。

UIユーザーインターフェイスユーザーと機器をつなぐ接点車でいえばハンドルや計器盤UXユーザー体験利用を通して得る満足感の全体車でいえば運転の心地よさ全体UIという接点を通して、UXという体験を届ける
UIは「触れる部分」、UXは「使って得られる体験」です。

(補足:IPAの応用情報技術者試験シラバス(Ver.7.2)では、UXデザインを、利用者にとって理想的な体験をしてもらえるようなシステムやサービスを開発するために必要な考え方や手法を理解する、としています。)

クッキー・チャットボット・リモートデスクトップ:快適さを支える裏方

快適なユーザー体験を、裏側で強力に支えている仕組みの一つがクッキーです。動画では、ウェブサイトを閲覧した履歴やログイン情報といったデータを保存しておく仕組みとして紹介されます。ポイントは、そのデータをブラウザ側、つまりユーザーの手元に保存しておく仕組みだという点です。だから次にアクセスしたときも、毎回ログインし直さなくて済みます。動画はこれを「摩擦のないスムーズな体験」と表現しています。

ブラウザ(手元)Webサイト(サーバー)ログインCookieを渡すCookieを保存次のアクセスではCookieを送り返す→ 毎回ログインし直さなくて済む
データは手元のブラウザ側に保存されます。

(補足:クッキーの仕様はRFC 6265(2011年)に定められています。HTTPサーバーが、ユーザー側のブラウザ(HTTP user agent)に状態を保存させることで、もともと状態を持たないHTTPの上でも、サーバーが状態を持つセッションを保てるようにする仕組みです。「ブラウザ側に保存する」という動画の言い方は、この説明と合います。なお、閲覧履歴やログイン情報を例にあげる記述は、今回確認できた範囲では見つかっていません。)

次に、企業のウェブサイトの問い合わせ対応に使われるチャットボットです。動画では、自動で会話を処理するプログラムと紹介され、ユーザーを待たせないという意味で良い体験につながる、とされます。(補足:ITパスポート試験のシラバス(Ver.6.5)の用語例にも「チャットボット」が挙がっています。)

働く環境の効率化ではリモートデスクトップも欠かせません。自宅などの外部から、オフィスなどに置かれている端末のデスクトップ環境へ接続し、遠隔で操作して業務を行う仕組みです。

(補足:総務省のテレワークセキュリティガイドラインでは、リモートデスクトップ方式を、テレワーク端末からオフィスに設置された端末(PC等)のデスクトップ環境に接続し、遠隔操作して業務を行う方法と説明しています。同じ資料は、端末上に情報を保存せずデータ管理を容易にする効果がある一方で、通信回線の影響を受けやすい点をデメリットとして挙げています。)

動画は、これらすべてを、私たちの活動の効率を最大化し、スムーズなデジタル体験を作り出している裏方たち、とまとめています。

Web3:次世代の分散型インターネット

ここまでが、いまのWebを快適にする技術でした。ここからはWebの新しいあり方を示す概念へ、視点を広げます。動画は、次世代の分散型インターネットを指すWeb3と、これに関連する用語として、ブロックチェーンやNFT(非代替性トークン)を挙げます。

(補足:令和5年版情報通信白書は、Web3を、ブロックチェーン技術を基盤とする分散型ネットワーク環境と説明しています。プラットフォーマーなどの仲介者を介さず、個人と個人がつながって、双方向でのデータ利用や分散管理ができるようになることが期待されている、という書き方です。「非中央集権的」とも言われるそうです。動画は「次世代」と言い切りますが、白書は「期待されている」「注目されている」という慎重な表現を使っています。定義は資料によって幅があります。)

ブロックチェーン:みんなで同じ記録を持ち合う

まずブロックチェーンです。動画では、データの改ざんが極めて難しいという特徴を備えた、分散型のシステムと説明されます。大事なのは「分散型」の部分です。1つの場所でデータを管理するのではなく、参加者みんなで同じ記録を持ち合っているので、こっそり書き換えようとしてもすぐにバレてしまう、というイメージです。

このイメージを、自作の小さな例で確かめてみましょう。取引の記録を3つのブロックに入れて、各ブロックに「前のブロックの印」を覚えさせます。印は、前の印と取引内容から計算した短い文字列です(ここでは簡易的なハッシュ値を使い、検算済みです)。

元の記録(つなぎ目の印が一致)ブロック1A→B 100円前の印 000000この印 da72eeブロック2B→C 40円前の印 da72eeこの印 dd81acブロック3C→D 10円前の印 dd81acこの印 70a8aaブロック2を90円に書き換えるとブロック1A→B 100円前の印 000000この印 da72eeブロック2B→C 90円前の印 da72eeこの印 247b9dブロック3C→D 10円前の印 dd81acこの印 70a8aaブロック3が覚えている印と食い違い、すぐ発覚
自作の簡易な例です。実際のしくみはもっと複雑です。

ブロック2の取引を40円から90円に書き換えると、ブロック2の印がdd81acから247b9dに変わります。ところがブロック3は、前の印としてdd81acを覚えたままです。つなぎ目が合わなくなるので、書き換えたことがすぐに分かります。実際の仕組みは、参加者全員が同じ記録を持つことなども加わって、もっと複雑です。

(補足:米国のNIST(国立標準技術研究所)の報告書NISTIR 8202は、ブロックチェーンを、改ざんが分かり、かつ改ざんされにくい、分散型のデジタル台帳と説明しています。各ブロックは暗号学的に前のブロックと結びついています。)

ブロックチェーンの3種類

動画では、ブロックチェーンは主に3種類に分けられるとされます。ネットワーク内の取引範囲や、管理主体の有無といった違いによる分け方で、パブリック型、プライベート型、コンソーシアム型の3つです。

パブリック型管理者中央管理者はいない参加者誰でも自由に参加できる使う場面暗号資産の基盤技術として広く利用プライベート型管理者中央に管理者がいる参加者認可された特定の参加者使う場面不特定多数に公開したくない場面などコンソーシアム型管理者複数の企業や団体で共同管理参加者許可された特定の組織使う場面1社の独占を避けて協力し管理したいとき
動画の3種類を、管理者・参加者・使う場面で並べました。

パブリック型は、中央管理者がおらず、不特定多数の参加者によって維持管理される形式です。誰でも自由に参加でき、データを記録するときは、合意形成アルゴリズムによる承認が求められます。みんなで正しいかどうかを計算して検証する、ということです。代表的な暗号資産の基盤技術として広く利用されているのも、このパブリック型です。

プライベート型は、中央に管理者が存在します。その管理者に認可された特定の参加者だけがネットワークに加わり、データの記録や承認作業を担います。承認には、多数決や専用の合意形成アルゴリズムが使われます。あらかじめ認められた身内だけで行うので、不特定多数に公開したくないビジネスの場面で使いやすい、というのが動画の説明です。

え、ブロックチェーンなのに、管理者がいるんですか?

はい。管理者がいないのがブロックチェーンのすべて、というわけではありません。用途に合わせて、管理体制を変えているのです。

コンソーシアム型は、パブリック型とプライベート型の中間に位置する性質を持ちます。複数の企業や団体が共同で管理を行う形式で、参加できるのは、あらかじめ許可された特定の組織に限られます。1つの企業が独占するのではなく、複数の組織で協力して管理したいときに適しています。

(補足:NISTIR 8202は、ブロックチェーンを大きく2つに分けています。誰でも認可なしに読み書きできる「permissionless」と、参加を特定の人や組織に限る「permissioned」です。permissionedには、通常、所有者かコンソーシアムがいて、ノードの参加や除外を決める、とも書かれています。つまり、動画の3種類は一般的な分け方の一つで、資料によって2分類で整理することもあります。プライベート型とコンソーシアム型は、どちらも「参加者を限る」側、と考えると整理しやすくなります。)

NFT:唯一無二で、替えが効かないトークン

最後に、このブロックチェーンの技術を基盤として発行されるのが、NFT(非代替性トークン)です。動画では、唯一無二で替えが効かないトークンを指す言葉とされ、デジタルアートやゲームの分野などで活用されています。

デジタルデータは、本来は簡単にコピーできるものです。そこに唯一無二の価値を持たせられるようになった点を、動画は「歴史的な変化」と表現します。ブロックチェーンのおかげで、これは世界に1つだけの本物であるという証明ができるようになった。コピーし放題のデジタルの世界に、サイン入りの原画のような価値が生まれた、というのが動画のまとめです。

補足(動画にない確認):NFTは「コピーを防ぐ」ものではない

ここは誤解しやすいので、補足です。英語版Wikipediaによると、NFTは、ひもづくデジタルファイルの共有やコピーを制限しません。また、デジタルアートを表すNFTでは、作品ファイル本体をブロックチェーン上に保存しないのが一般的、とされています(二次資料での確認)。つまり、動画の「本物の証明」は、トークンとその所有の記録についての話と考えると、ずれが出にくくなります。ファイルそのものがコピーできなくなる、という意味ではありません。

では、冒頭の疑問に戻りましょう。「Web3」「ブロックチェーン」「NFT」の関係を、動画の整理に沿って表にまとめます。

用語動画での位置づけひとことで
Web3分散型インターネットWebの新しいあり方
ブロックチェーンWeb3の関連技術分散型のシステム
NFTブロックチェーン上で発行唯一無二のトークン

動画の最後の問い:本物の価値はどこにある?

動画は、思考の種を一つ置いて終わります。NFTやWeb3によって、デジタル空間のアイテムが唯一無二の価値を持つようになりました。もし今後、私たちが現実よりも仮想空間などのデジタル世界で過ごす時間が圧倒的に長くなったら、本物の価値は物理的なものにあるのか、それともデジタルのトークンにあるのか。技術が私たちの価値観をどう書き換えていくのか、ぜひ考えてみてください、という問いかけです。

まとめ

この回のまとめ(動画の流れに沿って)

  • CMS:専門知識がなくてもWebサイトを管理しやすい。完成済みのモデルハウスに家具を置くイメージ。
  • UIはユーザーと機器をつなぐ接点、UXは利用を通して得る体験。UXは競合他社との差別化につながるとされる。
  • クッキーはデータをブラウザ側に保存する仕組み。チャットボットは自動で会話を処理するプログラム。リモートデスクトップは外部からオフィスの端末のデスクトップ環境を遠隔操作する仕組み。
  • Web3は動画では次世代の分散型インターネット。ブロックチェーンはデータの改ざんが極めて難しい分散型のシステム。
  • ブロックチェーンは、パブリック型(管理者なし・誰でも参加)、プライベート型(中央に管理者)、コンソーシアム型(複数の企業や団体が共同管理)の3種類に分けられる。
  • NFTはブロックチェーンを基盤に発行される、唯一無二で替えが効かないトークン。ただしファイルのコピー自体を防ぐものではない(補足)。
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