聞き流しラボby KUFUYA
社会保険労務士試験

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国民年金の強制被保険者(第1号・第2号・第3号)の要件と違い

国民年金法 010 被保険者 Part115分55秒2026年8月21日公開

「あなたは何号の人ですか」と聞かれる場面、想像できますか。動画はこんな問いかけから始まります。日本に住む人の多くは、知らないうちに国民年金の第1号・第2号・第3号のどれかに振り分けられています。このページでは、3つの種別の要件と、国籍・住所・年齢の要件の違いを図でまとめました。まず動画を聞いて、あとからここで復習するのがおすすめです。

3行でいうと

  • 国民年金の被保険者は、条件に当てはまれば当然に加入する強制被保険者(第1号・第2号・第3号)と、本人の申出で加入する任意加入被保険者に分かれます。
  • 第2号は厚生年金保険の被保険者、第3号はその第2号に養われている20歳以上60歳未満の配偶者、第1号は国内に住む20歳以上60歳未満で、どちらにも当たらない人です。
  • 3つとも国籍は問いません。住所と年齢の要件が第1号・第3号にはあり、第2号には原則としてない、という違いがいちばんのポイントです。

被保険者は大きく2つのグループ

動画はまず全体像から入ります。国民年金に加入している人(被保険者)は、条件に当てはまれば本人の意思に関係なく加入する強制被保険者と、条件から外れた人が自分で申し出て加入する任意加入被保険者の2グループです。今回は強制被保険者を扱い、任意加入は次の講義で扱います。

国民年金の被保険者強制被保険者条件に当てはまれば当然に加入任意加入被保険者本人の申出で加入次の講義で扱う第1号自営業・学生など第2号会社員・公務員など第3号第2号の被扶養配偶者
今回は左側の強制被保険者の3種類。右側の任意加入は次の講義です。

強制被保険者はさらに第1号・第2号・第3号の3種類に分かれます(国民年金法7条1項)。条文の並びは1号・2号・3号ですが、理解するときは第2号→第3号→第1号の順に見ると整理しやすくなります。第1号の定義が「第2号にも第3号にも当たらない人」となっているからです。

第2号被保険者:厚生年金に入っている人

会社員や公務員として厚生年金保険の被保険者になっている人は、そのまま国民年金の第2号被保険者にもなります。厚生年金に加入すると、国民年金の加入もセットでついてくるイメージです。

たとえば

スマホの通話プランに申し込むと、データ通信も最初からセットになっている、というのに似ています。厚生年金(通話プラン)に入った時点で、国民年金(データ通信)にも自動的に入っているわけです。

第2号には、国内に住んでいることや20歳以上60歳未満であることといった要件が、原則としてありません。会社の命令で海外支店に転勤しても、厚生年金の被保険者であり続けるかぎり第2号のままです。18歳で就職した人も、その時点から第2号になります。

65歳以上には制限がある

ただし例外が1つあります。当分の間、65歳以上の厚生年金の被保険者は、老齢または退職を理由とする年金の受給権を持っていない人に限って第2号になります(附則3条)。65歳を過ぎても働いていて、すでに老齢の年金を受け取れる人は、厚生年金には入っていても第2号にはなりません。

海外に転勤したら、国民年金から外れてしまうんですか?

厚生年金の被保険者であるかぎり、第2号のままです。第2号には「国内に住んでいること」という要件がないからです。

第3号被保険者:第2号に養われている配偶者

第3号被保険者は、第2号被保険者の配偶者のうち、主として第2号の収入によって生計を維持している20歳以上60歳未満の人です。条文では、この「養われている配偶者」を被扶養配偶者と呼んでいます。

第2号被保険者会社員・公務員など配偶者=第3号20歳以上60歳未満原則、国内に住所収入で生計を維持認定日本年金機構が認定健康保険法などの被扶養者認定の扱いを勘案
「主として第2号の収入で暮らしているか」は、日本年金機構が認定します。

「主として第2号の収入で生計を維持している」かどうかの認定は、日本年金機構が行います。そのとき、健康保険法や、国家公務員・地方公務員・私立学校教職員の各共済組合法での被扶養者の認定の取扱いを勘案します(施行令4条)。

住所の要件と例外

第3号は、原則として日本国内に住所があることが必要です。ただし、海外に留学している学生のように、住所は海外にあっても日本に生活の基礎があると認められる人(厚生労働省令で定める人)は、例外として第3号になれます。また、本人が第2号被保険者であれば第3号にはなりません。夫婦ともに会社員なら、2人とも第2号です。

第1号被保険者:ほかに当てはまらない人の「受け皿」

第1号被保険者は、日本国内に住所がある20歳以上60歳未満の人で、第2号にも第3号にも当たらない人です。自営業の人、学生、無職の人などがここに入ります。ほかのグループから漏れた人を受け止める「受け皿」だと考えるとわかりやすいでしょう。

厚生年金保険の被保険者?はい第2号いいえ第2号の被扶養配偶者で20歳以上60歳未満?はい第3号いいえ国内に住む20歳以上60歳未満?はい第1号いいえ強制加入ではない(任意加入できる場合も)
第1号は「ほかに当てはまらない人」の受け皿。第3号の住所要件や、第1号・第3号から除かれる人は本文で説明します。

ただし、国内に住む20歳以上60歳未満の人でも、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる人は第1号から除かれます。このほか、法律を適用しない特別な理由がある人として厚生労働省令で定める人も除かれます(第3号にも同じような省令による除外があります)。このうち、老齢給付等を受けられるために第1号から除かれた人には、次の講義で扱う任意加入の道があります。

外国籍の人は、国民年金に入らないんですか?

入ります。第1号から第3号まで、どれにも国籍の要件はありません。日本に住む20歳以上60歳未満の外国籍の人も、原則として被保険者になります。

3つを横に並べて比べる

第1号第2号第3号国籍なしなしなし国内の住所必要不要必要(例外あり)年齢20歳以上60歳未満原則なし※20歳以上60歳未満※65歳以上は、老齢・退職の年金の受給権がない人だけが第2号
黄色の第2号だけ、住所と年齢の要件が原則としてありません。

並べてみると、国籍の要件はどれにもない一方で、住所と年齢の要件は第1号と第3号にだけあり、第2号には原則としてないことがわかります。第2号は「厚生年金保険の被保険者かどうか」で決まる、と押さえておきましょう。

なお、日本と社会保障協定を結んでいる国から来て、相手国の年金制度に加入し続ける人などは、日本に住所があっても国民年金の被保険者にならない場合があります。2つの国の制度に二重に加入しないようにするための仕組みです。

まとめ

  • 第2号=厚生年金保険の被保険者。住所・年齢の要件は原則なし(65歳以上は老齢・退職の年金の受給権がない人だけ)。
  • 第3号=第2号の被扶養配偶者で20歳以上60歳未満。原則として国内に住所が必要で、留学生などの例外あり。認定は日本年金機構。
  • 第1号=国内に住む20歳以上60歳未満で、第2号・第3号に当たらない人。老齢給付等を受けられる人などは除かれる。

試験ではここに注目

  • どの種別にも国籍要件はない。「日本国籍を有する者に限る」という選択肢は誤りです。
  • 第2号には国内居住要件も年齢要件も原則としてない。海外転勤中の会社員も第2号です。
  • 65歳以上の厚生年金の被保険者は、老齢・退職を支給事由とする年金の受給権がない場合に限り第2号。
  • 第3号の生計維持の認定は日本年金機構が行い、健康保険法などの被扶養者認定の取扱いを勘案します。
  • 第3号の国内居住要件には、留学生など日本に生活の基礎がある人の例外があります。

「第2号には住所と年齢の要件がない」という1点を軸にすると、ほかの2つとの違いが整理しやすくなります。

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