AIDMAとAISASが解明する購買スイッチが入る仕組み
企業経営理論 第30回
「最後にネットでポチッと買い物をしたときのことを、ちょっとだけ思い出してみてください。そのとき、あなたはご自身でいろいろ比較して、自分で選んで決断した、と思っていませんか」。動画はこんな問いかけから始まります。このページでは動画の流れにそって、購買までの心の動きを表すAIDMAとAISAS、トリプルメディア、ネイティブ広告とステルスマーケティング、パブリシティとPRまでをまとめました。まず動画を聞いて、あとからここで復習するのがおすすめです。
その「買いたい」は、本当に自分で決めたもの?
最後にネットでポチッと買い物をしたときのことを、ちょっとだけ思い出してみてください。そのとき、いろいろ比較して、自分で選んで決断した、と思っていませんか。普通は「当然、自分が欲しくて買った」と考えますよね。
ところが、その「欲しい」という気持ちさえ、何週間も前から綿密に設計された見えない仕組みによって、特定のルートを歩かされた結果だとしたらどうでしょう。ちょっと怖い話に聞こえるかもしれませんが、オカルトでも魔法でもありません。企業が製品やサービスを社会に届け、消費者の心を動かすための広告やパブリシティという、とても明確なメカニズムが背後にあるのです。
1次試験でプロモーション戦略を学ぶあなたにとっても、これはただの暗記項目ではありません。企業の死活問題に直結する、リアルなビジネスの構造そのものです。特に今は、デジタル技術の発達で、企業と私たちの接点に全く新しい生態系ができています。従来の手法とデジタルがどう絡み合って行動を誘導しているのか、その構造を解き明かすのがこの講義の鍵です。
広告を見ても、すぐには買わない:消費者の心を分解する
テレビCM、新聞、街の看板、スマホに出るネット広告。どれも、製品を知ってもらい、買いたいと思わせる仕掛けです。ただ、ここで1つ、大事な事実があります。企業がメッセージを発信したからといって、消費者がすぐに買うわけではないということです。
新しいお茶のCMを見た瞬間に「よし買うぞ」とコンビニへ走る人は、まずいません。だから、広告を見る入り口から買う出口までのあいだに、消費者の心で何が起きているのかを分解して考える必要があるのです。
AIDMA:マスメディアの時代の購買モデル
動画は、昔のテレビショッピングを例にしています。実によくできた流れでした。
- 番組の冒頭で、大げさなリアクションをして、視聴者の注意を引きつける(「おおっ」という感じです)
- 商品の便利さを実演して、関心を持たせる
- 「今ならこのお値段です」と、欲求を刺激する
- 商品名とフリーダイヤルの番号を、頭に刻み込ませる(記憶)
- 最後に、電話をかけさせる(行動)
この古典的な、けれど今でも強力な広告反応モデルがAIDMA(アイドマ)です。Attention(注意)、Interest(関心)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)の頭文字で、注意を引き、関心を持たせ、欲求を起こさせ、記憶させ、行動させるという5段階をたどります。マスメディアが主役だった時代に、消費者が情報をどう処理するかを的確に表したモデルです。
AISAS:インターネット時代の購買モデル
ただ、今の私たちの行動は、これとは少し違っていませんか。動画の聞き手は、自分の行動をこう説明します。SNSのタイムラインをぼーっと眺めていて、誰かが使っているおしゃれなものに惹かれる。ここまでは同じです。でも、そこから「よし、この商品を覚えておこう」とはなりません。すぐに検索エンジンを開いて、評判や価格を調べます。納得したら、その場でネットで購入。商品が届いたら、今度は自分がSNSに写真をアップして共有する。
これが、インターネット時代の消費行動を表すAISAS(アイサス)というモデルです。Attention(注意)、Interest(関心)から始まって、Search(検索)、Action(行動)、Share(共有)へとつながります。これらは単なる専門用語ではなく、私たちが無意識に歩いている道筋そのものだ、と講師は言います。
AIDMAとの違いは、2つの動詞が増えたことです。1つは検索(Search)。「記憶」させて待つのではなく、消費者が自分で調べに行きます。もう1つは共有(Share)。買って終わりではなく、体験を発信して、他の人の購買に影響します。
(補足:動画にない話です。AIDMAは、1920年代にアメリカのサミュエル・ローランド・ホールが示したとされ、注意・関心・欲求・行動だけの「AIDA」を発展させたものと説明されます。AISASは広告会社の電通が提唱したモデルです。提唱者や年は資料によって書き方が違うので、試験では「記憶があるのがAIDMA、検索と共有があるのがAISAS」と押さえれば十分です。)
試験ではここに注目
- AIDMA=注意・関心・欲求・記憶・行動。マスメディア時代の購買モデル
- AISAS=注意・関心・検索・行動・共有。インターネット時代の購買モデル。検索と共有が加わったことが決め手
- AIDMAの「欲求・記憶」の部分がAISASでは「検索」になり、最後に「共有」が加わる、と対応づけて覚える
カスタマージャーニーと、段階を見極める「羅針盤」
こうした、顧客が購入に至るまでのプロセスを可視化したものをカスタマージャーニーと呼びます。直訳すると「顧客の旅」です。
では、なぜ企業は、このカスタマージャーニーの土台になるモデルを、そんなに必死に分析するのでしょうか。理由は、全員に同じメッセージを投げても響かないからです。モデルは、消費者がいまどの段階にいるのかを見極める羅針盤として使われます。
たとえば、まだ商品の存在すら知らない「注意」の段階の人に、長いスペック表を突きつけても、逃げられてしまいます。情報が重すぎるのです。逆に、もう自分で検索して比較検討に入っている人に、派手なイメージ映像だけを見せても、あまり意味がありません。そこまで来たら、詳しい情報や、背中を押してくれる客観的なレビューが必要になります。段階に応じた最適なアプローチをするために、モデルが欠かせないわけです。
そして、時代が変わって、消費者が自分で検索し、共有するようになったということは、企業も従来のようにテレビCMなどのマスメディアで一方的に叫んでいるだけでは、ジャーニーの後半をカバーしきれない、ということです。では、いまの企業はデジタル空間のどこで、どうやって私たちとの接触をはかっているのでしょうか。
デジタル空間の生態系:トリプルメディア
それを読み解く鍵が、デジタル時代のメディアを3つに分類したトリプルメディアという考え方です。ペイドメディア、オウンドメディア、アーンドメディアの3つです。
ペイドメディア:お金を払って枠を買う
ペイドメディアは、言葉のとおり、企業が費用を払って出稿する広告媒体です。大手ポータルサイトのトップに出てくるバナー広告や、検索エンジンでキーワードを入れたときに上のほうに表示されるリスティング広告などが当てはまります。お金を払って、消費者の視界に入る枠を買うわけです。
オウンドメディア:自分たちが持つ城
2つ目のオウンドメディアは、自社で保有するホームページやショッピングサイトのことです。自分たちがオーナーなので、誰にも邪魔されずに、ブランドの理念や世界観を深く伝えるコンテンツを自由に展開できます。いわば「自分の城」です。
アーンドメディア:いちばん厄介で、いちばん強い
3つ目が、現代のマーケティングでいちばん厄介で、かつ強い影響力を持つアーンドメディアです。消費者がSNSや個人のブログなどで発信する、いわゆる口コミやレビューのことです。
聞き手は、すぐにここに引っかかります。「誰がどんな文脈で自社の商品を語るか、全くコントロールできない。リスクが高すぎませんか。インフルエンサーが『これ、最悪だった』と発信して一気に拡散したら、一晩でブランドが崩壊しかねません」。
講師は、その通りだと認めて続けます。コントロールできないというリスクそのものが、現代ではもっとも強力な武器になっている、という逆説です。
考えてみてください。ペイドメディアやオウンドメディアで「私たちの商品は素晴らしいですよ」とどれだけ叫んでも、現代の消費者は「そりゃ売りたいんだから、いいことしか言わないよね」と冷めた目で見てしまいます。
ところがアーンドメディアは、利害のない一般の消費者が、わざわざ自分の時間を割いて発信している情報です。そこには「企業に言われているわけじゃない」という、絶対的なリアルがあります。少し辛口の意見が含まれていても、企業がコントロールできない領域だからこそ、「ここには嘘がないな」と判断されるのです。悪いことも書いてあるレビューのほうが信じられる、という経験はありませんか。
悪評が立つリスクがあるからこそ、企業は製品の質を高く保たざるを得ません。その緊張感が、消費者の圧倒的な親近感や信頼を生む源泉になっている、と講師は言います。「アーンド(earned)」は「獲得した」という意味で、獲得しているのは単なる知名度や露出ではなく、お金では絶対に買えない信頼だったのです。
3つは連携させる
だから企業は、この3つのメディアをバラバラに考えず、連携させます。流れはこうです。
- まず、ペイドメディアでお金を払って、広く認知を集める
- 興味を持った人を、自社のオウンドメディアに誘導して、世界観を伝える
- 最終的に、質の高い製品やサービスを提供することで、アーンドメディアでのポジティブな共有を促し、信頼を獲得する
こうして見ると、企業と私たちの接点(タッチポイント)は、もはやお店の棚やテレビの中だけではありません。SNSのタイムラインも、動画共有サイトのコメント欄も、すべてがタッチポイントです。一般ユーザー自身が参加してコンテンツを作り上げていくSNSや動画共有サイトなどを総称して、CGM(Consumer Generated Media)と呼びます。現代の企業は、このCGMという生態系の中にうまく自社を組み込まないと、消費者のカスタマージャーニーを最後まで伴走できません。
(補足:動画にない話です。企業の公式SNSアカウントは自社で運用するのでオウンド寄り、ユーザーが自発的に書く口コミや投稿はアーンド、と整理するのが一般的です。テキストにより境目は少し違います。)
試験ではここに注目
- ペイド=費用を払う広告媒体(バナー広告・リスティング広告)、オウンド=自社保有(自社サイト・ショッピングサイト)、アーンド=消費者の口コミ・レビュー(SNS・ブログ)
- アーンドはコントロールできないが、第三者の発信だからこそ信頼される
- 3つは別々ではなく、認知→世界観→信頼の流れで連携させる
- CGM=一般ユーザーが参加して内容を作り上げるメディア(SNS・動画共有サイトなど)
デジタル時代のアプローチは、驚くほど多様化している
3つのメディアの連携を機能させるため、デジタル空間でのアプローチ手法もとても多様になっています。動画で挙がった代表的なものを見ていきましょう。
アドネットワークとティザー広告
1つはアドネットワーク(広告ネットワーク)。インターネット上の複数の広告媒体を束ねて、巨大なネットワークとして、広告を一括で配信する仕組みです。これによって、特定のサイトだけでなく、消費者がネット上のどこを移動していても、追いかけるようにメッセージを届けられます。さっき見た靴の広告が、ニュースサイトに行っても、ブログに行っても、ずっとついてくる。あの現象です。
もう1つはティザー広告。あえて商品の全体像を隠して、「Xに何かが起こる」というふうに、情報を小出しにする手法です。「もっと知りたい」という関心を強烈にあおります。
ダイレクトマーケティングとダイレクトレスポンス
デジタル技術の進化で、劇的に変わったのが、ダイレクトマーケティングとダイレクトレスポンスの領域です。
かつて、顧客1人ひとりと直接やりとりするには、莫大な郵送費や人件費がかかりました。しかし今は、SNSのダイレクトメッセージやメール、さらに行動履歴に基づいたターゲティングを活用すれば、極めて低いコストで、しかも自動的に1対1のコミュニケーションができます。これがダイレクトマーケティングです。マスに向けて叫ぶのではなく、「あなただけへの特別なご案内です」と直接働きかけられます。
そして、多様なメディアを使って、特定のターゲットに絞ったメッセージを届け、そこから資料請求や購入といった反応を直接得ることを、ダイレクトレスポンスと呼びます。デジタルの最大の強みは、この反応がすべてデータとして可視化されることです。何人がクリックして、何人が買ったか。これによって企業は、広告の費用対効果を秒単位で最適化できるようになりました。
試験ではここに注目
- アドネットワーク=複数の広告媒体を束ねて一括配信する仕組み
- ティザー広告=商品の全体像を隠して情報を小出しにし、関心をあおる
- ダイレクトマーケティング=顧客と1対1で直接コミュニケーションを取る。ダイレクトレスポンス=その反応を直接もらう(データで可視化できる)
広告っぽさを消す:ネイティブ広告と、越えてはいけない一線
効果を最適化しようとすればするほど、デジタル時代の広告は、どんどん広告っぽさを消そうとしてきます。ニュースアプリで、普通の記事だと思ってタップしたら、実は商品のPR記事だった。SNSのタイムラインで、友人の投稿と投稿のあいだに、全く同じ見た目で自然に挟まっているインフィード広告。こういうものをネイティブ広告と呼びます。コンテンツの一部として自然に溶け込ませることで、消費者の警戒心を解き、高い反応率を得ようとする手法です。
動画の聞き手は、これを風景に溶け込むカメレオンにたとえました。溶け込んでいて、情報そのものが面白ければ、私たちは自然に楽しめます。けれど、危険な落とし穴があります。自分が広告というカメレオンであることを隠して近づいてきたと分かった瞬間、それは重大な裏切り行為に変わってしまうのです。
ステルスマーケティングは禁じ手
それがステルスマーケティング(ステマ)です。宣伝であることを消費者に隠して、あたかも中立的な口コミであるかのように装って行う宣伝行為です。企業にとっては、絶対に手を出してはいけない禁じ手です。なぜなら、先ほどのアーンドメディアの根幹にある信頼を、根底から壊すからです。「なんだよ、この熱いレビュー、実はお金をもらって書いてたのかよ」と分かった瞬間、親近感は一瞬で軽蔑に変わります。
ステマは、一時的に売上を作れても、長期的なブランド価値を確実に毀損します。そのうえ、景品表示法違反という法的な問題にもなります。だからネイティブ広告を展開するときは、どれほど風景にきれいに溶け込ませても、必ず「広告」「PR」といった明示が必要です。自分がカメレオンであることを、きちんと宣言しなければなりません。
(補足:動画にない話です。景品表示法第5条第3号は、一般消費者に誤認されるおそれのある表示のうち、内閣総理大臣が指定したものを禁じています。2023年(令和5年)10月1日からは「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」がステマとして指定され、違反には措置命令(同法第7条)が行われ得ます。消費者庁は、規制を受けるのは広告主の事業者で、依頼を受けたインフルエンサーなどの第三者は対象外と説明しています。)
ここに広告の限界があります。お金を払って出す以上、どんなに自然に見せても、最後は「これは企業からのメッセージです」と明かさなければならず、消費者に「あ、広告か」とバリアを張られてしまうのです。
お金を出さないアプローチ:パブリシティ
そこで、お金を出して枠を買う広告とは根本的に違うアプローチとして登場するのが、パブリシティです。企業が、メディアに対してプレスリリースやニュース素材を提供して、「うちの新しい取り組みを、記事やニュース番組で取り上げてください」とアピールする活動です。
広告とパブリシティは、何が違うのか
聞き手が、違いを上手に整理していました。広告は、お金を払うので、掲載される場所やタイミング、内容まで、すべて自分たちでコントロールできます。確実性がとても高い。一方パブリシティは、メディア側が「これは世の中に伝える価値がある」と判断しなければ、そもそも取り上げてもらえません。内容もコントロールできませんし、報道されるかどうかも分からない、不確実性の極みです。
| 広告 | パブリシティ | |
|---|---|---|
| お金 | 掲載枠の費用を払う | 掲載料は払わない(広告宣伝費がかからず低コスト) |
| 場所・時期・内容 | 自分たちでコントロールできる | メディア側が決める。コントロールできない |
| 確実性 | 高い | 低い(取り上げられるか分からない) |
| 信頼のされ方 | 「売りたいから言っている」と警戒されやすい | 第三者の客観的な報道として信頼されやすい |
それでも企業がこの不確実な手法に力を入れるのは、低コストだからというのもありますが、いちばんの理由は、第三者の視点が入るからです。企業が自分で「うちの新商品はすごいですよ」と言うより、ニュース番組のキャスターが客観的に報じてくれたほうが、圧倒的に信頼感があるからです。この客観性による信頼こそが、パブリシティの最大の強みです。さっきのアーンドメディアと同じで、コントロールできないからこそ信頼される、という構造です。
注意:ペイドパブリシティは広告として扱う
ただし、大きな注意点があります。企業がメディアに費用を負担して、タイアップ企画などの形で記事やニュースを掲載してもらうペイドパブリシティというものがあります。「パブリシティ」という名前がついているのに、お金を払っているのです。これは実質的に広告として扱うべきものです。ここを混同してはいけません。お金が絡めば、それはもう広告です。
PRは「宣伝」ではない:社会との関係を築く
この純粋なパブリシティ活動を、さらに広くとらえた概念がPRです。「自己PR」のように、宣伝と同じ意味で使われがちですが、本当は少し違います。重要な誤解なので、解いておきましょう。
PRとは、パブリック・リレーションズ(Public Relations)の略です。パブリック、つまり公衆・社会一般との、リレーションズ、つまり良好な関係の構築を意味します。パブリシティももちろんPRの一環ですが、PRの対象は、メディアや顧客だけではありません。商品を買ってもらうためのコミュニケーションではなく、社会という大きな枠組みの中で、企業がどう存在し、どう理解してもらうかという、関係を築くコミュニケーションなのです。
たとえば、工場がある地域社会での清掃活動。あるいは、従業員とその家族を対象にした社内運動会や職場見学会。これらも、立派なパブリック・リレーションズの活動に含まれます。
え、社内運動会がPRなんですか? 診断士の勉強をしていないと、なかなか結びつかない視点ですね。
意外ですよね。でも、従業員とその家族に「この会社で働いていてよかった」「社会に貢献している会社なんだ」と深く理解してもらうことは、いちばん身近な社会との関係づくりです。身内から信頼されていない企業が、世間から信頼されるはずがありませんから。
試験ではここに注目
- 広告=お金を払うので確実・コントロール可能だが、警戒されやすい。パブリシティ=掲載料は払わず、メディアの判断次第で不確実だが、第三者の客観性で信頼される
- ペイドパブリシティ(費用を負担して記事にしてもらう)は実質的に広告
- PR=パブリック・リレーションズ。宣伝ではなく社会一般との良好な関係づくり。パブリシティはその一環で、従業員・地域社会向けの活動も含む
- ステルスマーケティング=宣伝であることを隠す行為。信頼を壊し、景品表示法上の問題にもなる
全体をつなぐ:壮大なエコシステム
ここまでの話を、1本の線にまとめましょう。広告で短期的な認知や購買意欲を喚起し、アーンドメディアやパブリシティで客観的な信頼を獲得し、さらにPR活動を通じて、中長期的な社会との絆を築いていく。これらが複雑に絡み合いながら、全体として機能することで、はじめて強力なプロモーション戦略が完成します。
企業は、これらを緻密に組み合わせて、壮大なエコシステムを作り上げています。私たちが日常で何気なく歩いているカスタマージャーニーは、このエコシステムのさまざまなタッチポイントで、極めて戦略的にデザインされているのです。
おわりに:あなたが最初に見る企業のメッセージは?
動画は、あなたへの問いかけで終わります。今日、スマートフォンを開いて最初に見る企業のメッセージ。それは、お金を払ってあなたの視界に置かれた広告でしょうか。それとも、誰かが心から共感してシェアした情報でしょうか。あるいは、その境界線が、カメレオンのように意図的にあいまいにされているものでしょうか。
自分がどの道を歩いているのかを、少し立ち止まって俯瞰してみる視点。それこそが、プロモーション戦略を学ぶ最大の醍醐味かもしれません。次に何かを欲しいと思うとき、自分がいま誰かのデザインしたカスタマージャーニーの上にいるのか、その裏側にある企業の息遣いに、ちょっとだけ思いをはせてみてください。きっと、いつもの買い物がまるで違う、スリリングな景色に見えてくるはずです。
この講義の試験対策チェックリスト
- AIDMA(注意・関心・欲求・記憶・行動)とAISAS(注意・関心・検索・行動・共有)の違いを、検索と共有の有無で説明できる
- カスタマージャーニーが、顧客の購入までのプロセスを可視化したもので、顧客の段階を見極める羅針盤になることを説明できる
- ペイド・オウンド・アーンドの3つのメディアを、具体例つきで区別し、連携のさせ方と、アーンドの信頼の理由を説明できる
- アドネットワーク、ティザー広告、ダイレクトマーケティング、ダイレクトレスポンスの意味をいえる
- ネイティブ広告で広告表示が必要な理由と、ステルスマーケティングが禁じ手である理由を説明できる
- 広告とパブリシティの違い、ペイドパブリシティの扱い、PRが「社会一般との関係づくり」であることをいえる
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