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中小企業診断士 1次試験

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購買決定プロセス5段階が5分で完全理解できる

企業経営理論 第31回

企業経営理論・マーケティング 01114分51秒2026年5月5日公開

「中小企業診断士の試験対策を頑張っているあなた。毎日の生活の中でたくさんある製品の中から、なぜかこれを選んでしまったなんていう経験ありますよね」。動画はこんな問いかけから始まります。このページでは動画の流れにそって、問題認識から購買後の行動までの5段階、関与と情報収集の3タイプ、ヒューリスティックの4つの考え方、口コミと認知的不協和の解消までをまとめました。まず動画を聞いて、あとからここで復習するのがおすすめです。

なぜかこれを選んでしまった、の裏側

毎日の生活には、たくさんの商品があふれています。そのなかで「なぜかこれを選んでしまった」という経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。店頭でパッと直感的に手に取ったつもりでも、実は水面下では、とても論理的なステップを踏んでいます。

動画では、それをまるで精巧な機械の設計図のようなものとして紹介します。消費者が商品を買うまでの心理的なプロセスは、次の5つの段階に分けて考えることができます。

  • 第1段階:問題認識
  • 第2段階:情報収集(教材によっては「情報探索」とも書きます)
  • 第3段階:代替評価
  • 第4段階:購買決定
  • 第5段階:購買後の行動
1問題認識理想と現状のギャップに気づく2情報収集内部探索・外部探索(関与で深さが決まる)3代替評価候補を比べる(補償型・非補償型)4購買決定1つに絞って買う5購買後の行動口コミ・認知的不協和の解消
買う前から買った後まで、1本の流れとして覚えます。終わりは「購入」ではなく「購買後」です。

これを知っておくと、消費者の心を読み解く強力なレンズが手に入ります。診断士試験では、この流れそのものと、各段階で出てくる用語が問われます。用語を丸暗記するのではなく、「消費者はいま、どの段階にいて、何を考えているのか」と順番に追いかけていきましょう。

第1段階:問題認識

すべての購買行動の起点になるのが、第1段階の問題認識です。ここでいう問題とは、困りごとのことだけを指すのではありません。単に「あれが欲しいな」と思うことでもありません。

自分の内側からの刺激、あるいは外部からの刺激によって、今の自分の状態と理想の状況との間にギャップを感じ、ある製品やサービスの必要性を強く自覚する瞬間のことをいいます。

  • 内側からの刺激:のどが渇いた、今のスマホの動きが遅くなってきた、といった欠乏感。
  • 外からの刺激:友人の持ち物、広告、店頭の陳列などの魅力的な刺激。

たとえるなら:頭の中の最初のスイッチ

「これが必要だ。このギャップを埋めなきゃ」と認知した瞬間に、脳内の最初のスイッチが入ります。このスイッチが入らないかぎり、消費者はそもそも探し始めません。だから企業は、広告などの刺激を使って、このスイッチを押しにいくのです。

(補足:動画にない話です。「問題認識」は、教材によっては「ニーズの認識」「欲求の喚起」と書かれることもあります。意味は同じで、現状と理想のギャップに気づくことです。)

第2段階:情報収集

問題を認識すると、次の行動として現れるのが情報収集です。問題を解決するために、情報を探し始めるステップです。ここで面白いのは、消費者がどうやって情報を集めるかというメカニズムで、動画では3つの要素が関わってくると説明されます。

1つ目:内部探索

内部探索は、自分の過去の記憶や、これまでに蓄積された知識のなかから情報を引き出す行動です。まずは自分の頭の中の引き出しを開けてみるわけです。「以前に買って良かったな」「どこかで見聞きしたな」といった記憶をたどる場面を想像してください。

2つ目:外部探索

外部探索は、パンフレットやホームページ、店頭の表示などを見て、自分の外側から新しい情報を得ようとする行動です。自分の記憶だけでは足りないから、外にアクセスするわけですね。

(補足:動画にない話です。外部探索で使う情報源は、友人・家族などの個人的な情報源、広告や販売員などの商業的な情報源、報道や口コミサイトなどの公共的な情報源に分けて説明されることがあります。分け方は教材によって違うので、手元のテキストを確認してください。)

3つ目:関与

そして、情報の集め方を決定づけるいちばん重要な3つ目の要素が、関与です。関与とは、その製品やサービスを選ぶことに対する、消費者のこだわり、重要度、そして絶対に失敗したくないという思いの強さのことです。

毎日使う日用品を買うときと、仕事で使う高価で重要な機材を買うときとでは、頭のエネルギーの使い方がまったく違いますよね。関与の強さによって、消費者の情報収集の行動は3つのタイプに分かれます。

関与:低定型的問題解決(日常的反応行動)内部探索だけで習慣的に選ぶ例:毎日の日用品・消耗品関与:中限定的問題解決限られた範囲で比較検討する例:そこそこ悩む買い物関与:高拡大的問題解決(発展的問題解決)内部+あらゆる外部探索で深く広く例:失敗できない重要な買い物
関与(こだわり・重要度・失敗したくない気持ち)が強いほど、情報収集は深く広くなります。

関与が低い:定型的問題解決(日常的反応行動)

関与がとても低いとき、つまりこだわりの低い一般的な消耗品などを選ぶときは、定型的問題解決、または日常的反応行動と呼ばれる行動をとります。毎回、外部探索をしていたら、決断疲れを起こしてしまいます。そこで、過去の記憶にもとづく内部探索だけで、迷うことなく習慣的にパッと選びます。頭のエネルギーを節約するために、習慣化された選択を繰り返す、というイメージです。

関与が中くらい:限定的問題解決

関与が中程度のときは、限定的問題解決です。完全な無意識の習慣ではないけれど、命がけで選ぶわけでもない。いくつかある選択肢のなかから、ある程度限られた範囲で、情報を比較検討して決めるパターンです。

関与が高い:拡大的問題解決(発展的問題解決)

関与がいちばん強いとき、つまり絶対に失敗が許されない重要な選択の場面では、拡大的問題解決、または発展的問題解決という行動をとります。リスクを最小限に抑えるために、内部探索だけでなく、あらゆる外部探索を駆使して、深く広く情報を求め続ける状態です。

たとえるなら:買い物の「本気度」ダイヤル

関与は、情報収集の本気度を決めるダイヤルのようなものです。ダイヤルが小さいときは、頭の中の記憶だけで済ませます。ダイヤルが真ん中なら、いくつかを見比べます。ダイヤルが最大のときは、口コミ、比較サイト、店舗、専門家の意見まで、あらゆるところを回ります。関与という心理的な重みが、情報収集の深さをコントロールしているのです。

毎日使う日用品を買うのと、仕事で使う高価な機材を買うのとでは、脳のエネルギーの使い方がまったく違いますよね。

そのとおりです。まさにその関与の強さで、情報収集のタイプが3つに分かれます。関与が低いほど内部探索だけで済ませ、高いほど外部探索まで広げます。

(補足:動画にない話です。この3つの類型は、ハワードとシェスの消費者行動の理論で知られる整理とされます。名前の違いに注意してください。「定型的問題解決」と「日常的反応行動」は同じものを指し、「拡大的問題解決」と「発展的問題解決」も同じものを指します。つまり、実質的には低・中・高の3段階です。)

試験ではここに注目

  • 情報収集は、内部探索(自分の記憶)と外部探索(外部の情報)で行う。深さを決めるのは関与
  • 関与が低い=定型的問題解決(日常的反応行動)/中=限定的問題解決/高=拡大的問題解決(発展的問題解決)
  • 同じ意味で名前が2つある類型がある。どちらの名前で出ても対応できるようにしておく

第3段階・第4段階:代替評価と購買決定

さまざまな手段で情報が十分に集まると、次はいよいよ第3段階の代替評価、そして第4段階の購買決定です。頭の中に大量の情報が入った状態から、どうやってたった1つの商品に絞り込むのでしょうか。

代替評価とは、いくつかの候補(代替案)を、自分なりの基準で比べて評価することです。この評価のルールは、大きく補償型と非補償型に分かれます。

補償型:全部を足し算して、総合点で決める

いちばん完璧なやり方は、すべての要素や条件を漏れなくリストアップして、総合点で評価することです。このように、商品の持つすべての要素を加算した総合評価で判断する方法を、補償型といいます。

ある属性のマイナス面を、別の属性のプラス面で補って、総合的に評価します。たとえば「デザインはいまひとつだけど、性能がとても良いから、全体では合格」というふうに、弱点を強みで埋め合わせられるわけです。補う、つまり補償するから「補償型」と覚えましょう。非常に合理的なやり方です。

ただし、実際の日常の買い物で、毎回この計算をやるのは大変すぎますよね。人間の脳の処理能力には限界があります。全部を足し算して評価するのは、消費者にとって負担が大きすぎるのです。

非補償型:全部は見ない、心理的な近道

そこで当然、すべての要素を考慮しない判断方法もあります。これが非補償型です。補償型との違いは、ある属性の弱点を別の属性の強みで埋め合わせないことです。消費者は複雑な思考を避けるために、ヒューリスティックと呼ばれる心理的な近道を使って判断することがあります。情報の海で溺れないために、脳が編み出した、素早く答えを出すためのショートカットです。

動画では、このヒューリスティックの代表的な考え方として、4つが紹介されます。

補償型:全属性を加算して総合評価弱点を別の強みで補える(負担が大きい)非補償型(ヒューリスティック):全部は見ない近道連結型足切り基準未満の属性が1つでもあれば除外分離型一点突破1つでも十分に満たす属性があれば選ぶ辞書型最重視で決めるいちばん大事な条件で最高のものを選ぶ属性排除型消去法重要な条件から順にふるい落とす
補償型は「足し算」、非補償型は「足切り・一点突破・優先順位・消去法」のどれか。

1つ目:連結型(足切り)

自分のなかで設定した複数の必要条件について、1つでも基準を満たさない属性があったら、その時点で選択肢から外すという考え方です。最低限の基準を決めておいて、それを下回るものは容赦なく切り捨てます。いわゆる足切り型のアプローチです。

2つ目:分離型(一点突破)

連結型とは対照的なのが分離型です。こちらは、1つでも十分な条件を満たす属性があれば、他のマイナス要素には目をつぶって、それを選んでしまうという考え方です。他の機能はどうでもいい、この特定の機能さえずば抜けていれば即決する、という一点突破の選び方で、強い強みだけで決断するショートカットです。

3つ目:辞書型

辞書型は、消費者がいちばん重視している条件において最高のものを選択するという考え方です。優先順位のトップだけを見ます。「とにかくいちばん頑丈なもの」「とにかくいちばん軽いもの」のように、自分が設定した最重要項目だけでランキングをつくって、そのトップを迷わず選びます。他の項目は一切無視するので、これも究極の近道です。

(補足:動画にない話です。辞書型は、教材によっては「辞書編纂型」と書かれます。辞書の言葉が最初の文字から順に並ぶように、いちばん大事な属性から順に比べる、という意味の名前です。)

4つ目:属性排除型(消去法)

属性排除型は、先ほどの優先順位と足切りを組み合わせたような考え方です。重要度の高い属性から順番にチェックしていって、条件に合わないものを、消去法でどんどん落としていきます。

いちばん重要な条件でふるいにかけて、生き残ったものを、今度は2番目に重要な条件でふるいにかける。これを繰り返して、最後まで残ったものを選びます。

たとえるなら:同じ近道でも、場面で使い分ける

足切り、一点突破、優先順位、消去法。同じヒューリスティックでも、その時の状況や、こだわりの強さによって、私たちは無意識に使い分けています。情報処理能力の限界を、非補償型の判断で見事に乗り越えている。ここが人間の脳の面白いところです。

数字で見ると:3台のノートパソコン

ここからは、動画にはない私の例です。4つの違いは、文章だけだと混ざりやすいので、数字で確かめてみましょう。3台のノートパソコンを、4つの属性について5点満点で評価したとします。消費者にとっての重要度は、軽さ、価格(安さ)、電池持ち、画面の順だとします。

機種軽さ価格(安さ)電池持ち画面合計
A523313
B344415
C452314
  • 補償型:全部足し算。合計がいちばん高いBを選びます。
  • 連結型:「どの属性も3点以上」を基準にします。Aは価格が2点、Cは電池持ちが2点で、足切りされます。残るのはBです。
  • 分離型:「どれか1つでも5点なら合格」にします。Aは軽さが、Cは価格が5点なので合格です(Bは5点がないので落ちます)。
  • 辞書型:いちばん重視する軽さで最高のAを選びます。
  • 属性排除型:まず軽さ4点以上で絞るとAとCが残り、次に価格4点以上で絞るとCが残ります。Cを選びます。

同じ3台を見ているのに、使うルールが違うだけで、選ばれる機種が変わります。これがヒューリスティックの面白さであり、試験で区別を問われやすいところです。

(補足:動画にない話です。補償型は、教材によっては、各属性の重要度と評価を掛け合わせて足し合わせる「多属性態度モデル(フィッシュバイン・モデル)」で説明されます。動画の「総合点で評価する」の、数式を使った言い方です。)

試験ではここに注目

  • 補償型=全属性を加算した総合評価。弱点を強みで補える。非補償型=補えない(ヒューリスティック)
  • 連結型=1つでも基準未満があれば除外(足切り)/分離型=1つでも十分な属性があれば選ぶ(一点突破)
  • 辞書型=最重視の属性で最高のものを選ぶ/属性排除型=重要な属性から順に基準で消去していく
  • 連結型と分離型は「ほぼ逆」の関係。どちらがどちらかを取り違えないこと

第5段階:購買後の行動

こうして決断を下して購買決定に至るわけですが、ここで非常に重要な視点があります。消費者が商品を買ったからといって、プロセスがすべて完了するわけではないということです。最終段階の第5のプロセスが、購買後の行動です。お金を払ったらそれで終わりではなく、その後の心理状態や行動が、企業のマーケティングにとって決定的な意味を持ちます。

購買後の行動として、動画では2つのことが紹介されます。口コミと、認知的不協和の解消です。

口コミ(バイラルマーケティング)

代表的な購買後の行動が、自分が購入して良かった点などを、他の人に伝える口コミです。口コミは、バイラルマーケティングとも呼ばれます。口コミは、企業にとって新規顧客を獲得するための、ものすごく強力な武器です。

ただし、自社で完全にコントロールするのは難しい、という側面もあります。そのうえ、悪い内容の口コミのほうが広まりやすい、という性質があります。悪い噂は、あっという間に広まりますよね。

さらに、現代ではインターネット上の口コミは、対面での口コミよりも、圧倒的に広く、早く伝わる傾向があります。ネットの拡散力は、企業にとって脅威にもチャンスにもなります。

もう1つ、口コミにはマーケティング上、極めて重要な性質があります。動画では、口コミの影響力は、消費者の購買決定の後半になるほど大きくなると説明されます。

なぜ後半ほど効くのか

購買決定の直前は、自分のお金やリソースを手放す直前です。つまり、最も失敗したくないという不安やプレッシャーが高まるタイミングです。だからこそ、その不安を打ち消してくれる外部の強い保証、つまり他の人のリアルな声である口コミを、藁にもすがる思いで求めてしまう、というわけです。

認知的不協和の解消

その不安と直結する形で、購買後の行動には、もう1つ興味深い心理現象が現れます。それが認知的不協和の解消です。

認知的不協和とは、買ったあとに生じる、「本当にこれで良かったのかな」という心理的な不快感やモヤモヤのことです。人間は、自分の選択を後から正当化するために、次のような行動をとりがちです。

  • 選んだ選択肢の良い情報を、意図的に集めようとする。
  • 選ばなかった選択肢の悪い情報を、意図的に集めようとする。

高い買い物をしたあとに、わざわざ自分が買った製品のポジティブなレビューを読みあさったり、逆に、買わなかった製品の欠点を探したりする。これが認知的不協和の解消です。「自分の決定は、もしかしたら間違っていたかもしれない」という不安と、現実の決定との間に生じた不協和音を、情報を操作することで、無理やり調和させようとしているわけです。

(補足:動画にない話です。認知的不協和の理論は、心理学者のレオン・フェスティンガーが1957年に提唱しました。人は、自分の中の考えや行動に食い違い(不協和)があると不快に感じ、それを小さくしようとする、という考え方です。動画は、その考え方を購買後の場面に当てはめた説明です。)

企業は、どう手を打てるか

この心理を理解していると、企業や広告主の側から、効果的なアプローチができます。消費者は、自分の選択を正当化する理由を探してさまよっています。だったら、企業のほうから「あなたの選択は正しかったですよ」と背中を押す、肯定的なメッセージを届けてあげればよいわけです。

たとえば、企業が発信する「自分へのご褒美」といった、購入を肯定するメッセージがあります。こうしたメッセージは、高価な製品を購入したときなどに生じる消費者の認知的不協和を、緩和する効果を持っています。「奮発してしまったけれど、自分へのご褒美だから、これでいいんだ」と思わせることで、不快なモヤモヤをすっと解消してあげるのです。

購買お金を払って手に入れる認知的不協和「本当にこれで良かった?」というモヤモヤ自分を納得させる行動買った商品の長所・買わなかった商品の短所を探す企業の後押し「自分へのご褒美」など購入を肯定するメッセージ満足度アップ次の購買・良い口コミにつながる
不協和は「悪いもの」ではなく、企業が支えてあげられる自然な心の動きです。

そして、それが結果的に購買後の満足度を高め、次の購買や、良い口コミにつながっていきます。

(補足:動画にない話です。同じ考え方で、購入後のフォロー(お礼の連絡、使い方の案内)や、保証・アフターサービスの案内も、不安や不協和を和らげる手段として説明されることがあります。)

消費者が正当化の理由を探して彷徨っているなら、企業のほうから「あなたの選択は正しかったですよ」と背中を押してあげればいいんですね。

そのとおりです。「自分へのご褒美」のようなメッセージが、高額な買い物をした人のモヤモヤを和らげます。その結果、満足度が上がり、次の購買や良い口コミにつながります。

試験ではここに注目

  • 購買決定プロセスの5段階の順番(問題認識→情報収集→代替評価→購買決定→購買後の行動)。最後が購買後の行動であること
  • 口コミ=バイラルマーケティングとも呼ばれる。コントロールしにくく、悪い内容ほど広まりやすい。ネットの口コミは対面より広く早い
  • 動画の説明では、口コミの影響力は購買決定の後半ほど大きい
  • 認知的不協和の解消=購買後に、選んだものの良い情報・選ばなかったものの悪い情報を集めて自分を納得させる。企業の肯定メッセージで緩和できる

全体をつなげて、自分に当てはめてみる

ここまでの流れをもう一度つなげてみます。問題認識から始まって、関与の度合いに応じた情報収集、そしてヒューリスティックを使った巧みな代替評価と購買決定。最後に、口コミや認知的不協和の解消といった購買後の行動に至るまで、消費者の心理は、驚くほど精巧なシステムとして働いています。

診断士を目指すみなさんにとって、この5つのプロセスは、単なる試験対策の暗記用語ではありません。人間という複雑な生き物の心を読み解くための、強力なツールです。

最後に、動画は2つの問いかけで終わります。ぜひ自分に当てはめて、考えてみてください。

  • あなたが直近で何か製品を選んだとき、連結型、分離型、辞書型、属性排除型のどのヒューリスティックを使って、心理的な近道をしましたか。
  • そして買った後、無意識のうちに、自分の選択を正当化する情報を探していませんでしたか。

ご自身の日常に当てはめて、この精巧なメカニズムを体感してみてください。そうすると、用語が「自分の体験」と結びついて、ぐっと覚えやすくなります。

復習チェックリスト

  • 購買決定プロセスの5段階を、順番どおりに言える
  • 問題認識とは、現状と理想のギャップに気づき、必要性を自覚することだと説明できる
  • 内部探索と外部探索の違い、そして情報収集の深さを決める関与の意味を説明できる
  • 関与の低・中・高と、定型的問題解決(日常的反応行動)・限定的問題解決・拡大的問題解決(発展的問題解決)を結びつけられる
  • 補償型と非補償型の違いを説明でき、連結型・分離型・辞書型・属性排除型を区別できる
  • 口コミの性質(バイラルマーケティング、悪い内容ほど広まりやすい、ネットは広く早い、後半ほど影響大)をいえる
  • 認知的不協和の解消とは何かを説明でき、企業の肯定的なメッセージがなぜ効くかをいえる
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