VMSからD2C・OMOまで流通の進化を図解で完全攻略
企業経営理論 第28回
「ある休日の午後、立ち寄ったお店でデザインの良いジャケットを見つけたとします。試着して、店員さんには話しかけず、スマホでタグをスキャンして決済。ジャケットはお店に置いたまま手ぶらで出て、家に帰ると自宅に届いている。さて、あなたは実店舗で買ったのでしょうか、それともインターネットで買ったのでしょうか」。動画はこんな問いかけから始まります。このページでは動画の流れにそって、流通を一本化するVMS、フランチャイズとボランタリーチェーン、マルチチャネルとオムニチャネル、D2C・O2O・OMOまでをまとめました。まず動画を聞いて、あとからここで復習するのがおすすめです。
その買い物は、店? それともネット?
こんな場面を想像してみてください。ある休日の午後、立ち寄ったお店で、デザインのいいジャケットを見つけました。試着してサイズを確かめたあとも、店員さんには話しかけません。スマホで商品のタグをピッとスキャンして、そのまま決済。ジャケットはお店に置いたまま手ぶらで出て、ほかの用事を済ませて家に帰ると、もうクローゼットの前に届いている。
さて、このときあなたは、お店で買い物をしたのでしょうか。それとも、インターネットで買い物をしたのでしょうか。
実は、この質問そのものが、今の時代にはあまり意味を持たなくなっています。消費者から見れば、ジャケットをスムーズに買えただけ。裏側でどんな経路をたどったかは、気にする必要がありません。ただし、この信じられないほどスムーズな購買体験の裏側には、企業の血のにじむようなシステム構築と、緻密に計算された戦略があります。この講義では、そこを徹底的に解剖します。
中小企業診断士の1次試験の勉強では、分厚いテキストに並ぶ流通チャネルやマーケティングシステムの専門用語を、ついそのまま暗記しがちです。でも、それらの用語は、実際のビジネスの現場で起きた問題を解決するために生まれてきました。
出発点はシンプルです。モノをつくってから、最終的に消費者に届けるまでの流れを、どうコントロールするか。これはビジネスの永遠の課題です。昔は、メーカー、卸売業者、小売業者が、それぞれバラバラに自分たちの利益だけを追っていました。そこから全体をどう統合して最適化していくか。その変遷を追うと、驚くほど合理的な進化のプロセスが見えてきます。
バラバラな流通に筋を通す:垂直的マーケティングシステム(VMS)
まずは、バラバラだった流通にメスを入れた伝統的な戦略から始めましょう。垂直的マーケティングシステム、略してVMSです。商品をつくる製造の段階から、最終的に消費者に販売するまでの流れを、1つのシステムとして一本化する仕組みです。
なぜ、他社まで巻き込むのか
自分たちの持ち場だけやっていれば楽なはずなのに、なぜ企業は自社の範囲を超えて、他の流通業者まで巻き込んだ大きな仕組みをつくろうとするのでしょうか。背景には、各段階の業者が好き勝手に動くことで生じる、2つの問題があります。
- コストの無駄:各段階がばらばらに動くと、流通全体としてむだが出ます。
- ブランドコントロールの喪失:メーカーがせっかく良い商品を安くつくっても、途中の卸売業者や小売店が利益を過剰に載せて高く売ったり、逆にブランドイメージを傷つけるような叩き売りをしたりすれば、最終的に消費者は離れていきます。メーカーにとってはたまったものではありません。
だからこそ、流通全体に一本の強い筋を通す必要があったのです。ただ、一本の筋といっても、誰がどれくらい強い権力を持っているか、つまりチャネルリーダーの統制力の強さによって、VMSは大きく3つの型に分かれます。
企業型VMS:すべてを資本で束ねる(統制力が最も強い)
いちばん力が強いのが企業型VMSです。製造から小売まで、流通のすべてを資本関係によって自社で管理します。特定の巨大なアパレル企業のように、つくるところから店頭で売るところまで、自社グループで持っている姿を思い浮かべるとよいでしょう。
たとえるなら:自給自足の大家族
畑でつくるところから、料理して、みんなで食べるところまで、全部自分たちの家族だけで完結している。そんなイメージです。資本によって完全に束ねられているので、トップの意思決定が末端の店舗まで即座に反映されます。これが企業型の最大の特徴です。
ただし、すべてを自社で抱え込むということは、裏を返せば、店舗の家賃や従業員の人件費といった莫大な固定費も、在庫リスクも、すべて自社で背負うということです。売れなかったときのダメージは大きく、まさにハイリスク・ハイリターンな構造です。
管理型VMS:資本も契約もないのに、動かす(統制力が最も弱い)
そこで、リスクを抑えたいときに登場するのが、中間の強さを持つ契約型VMSです。独立した企業同士が契約で結ばれる形態で、試験での重要度も高いので、次の節でじっくり見ます。先に、いちばん統制力が弱い管理型VMSを整理しておきます。
管理型には、企業型のような資本関係も、契約型のような厳格な取り決めもありません。チャネルキャプテンと呼ばれる、特定のメーカーや小売企業が、その圧倒的なブランド力や規模を背景にして、流通全体を事実上コントロールしてしまう仕組みです。
たとえるなら:町内会長のいるご近所付き合い
町内会長に、法的な強制力はありません。でも「あの人が言うなら、今後の付き合いもあるし、協力しておこう」と、みんなが動く。管理型も、契約書がないのに、影響力で周りが動く状態です。
では、契約書もないのに、どうやって流通の主導権を握るのでしょうか。具体的なメカニズムとして挙がるのが、棚割り(売り場の陳列)の提案力や、情報の提供です。
たとえば、誰もが知る超人気の飲料メーカーが、スーパーの店長に提案します。「うちの最新の消費者データによると、この商品を目の高さの棚に置いて、隣にスナック菓子を並べれば、店舗全体の売上がこれだけ上がりますよ」。小売側も、その人気メーカーの商品がないとお客さんを呼べませんから、喜んでこの提案に従います。結果として、メーカーは自社にいちばん有利な売り場を、契約の縛りなしに確保できます。
法的な縛りではなく、情報やブランド力という影響力で支配している状態。これが管理型です。
完全に自社で管理する企業型、契約でつなぐ契約型、それとも影響力で動かす管理型。統制力の源泉の違いって、ビジネスモデルの根幹に関わってきますね。
そうなんです。どれが優れているということではなく、「どこまで自社で背負うか」と「どこまで支配できるか」のトレードオフだと考えると、整理しやすくなります。
試験ではここに注目
- VMSの3類型(企業型・契約型・管理型)を、統制力の強さと、つなぎ方(資本・契約・影響力)で区別する
- 管理型は資本関係も契約もなく、チャネルキャプテンがブランド力・規模・提案力で主導する
- 企業型は意思決定の速さが強みだが、固定費・在庫リスクをすべて自社が負う
契約型VMSを深掘り:フランチャイズとボランタリーチェーン
真ん中の強さを持つ契約型には、試験を作る側が好んで出題する2つの代表的なチェーン展開があります。フランチャイズチェーンとボランタリーチェーンです。どちらも、独立した企業同士が契約を結んでチェーン展開を行う形態ですが、誰が主導権を握り、何のために集まっているのかという力学が、決定的に違います。
フランチャイズ:本部が決めて、加盟店が従う
日常的によく使うコンビニを想像すると、わかりやすいでしょう。加盟店を募集する本部があり、その本部が加盟店に対して経営のノウハウや商標を提供します。その見返りとして、加盟店は本部にロイヤリティを払います。本部が明確なルールとマニュアルを持ち、加盟店はそれにしっかり従う。完全なトップダウンの構造です。
この徹底した中央集権の体制があるからこそ、私たちは北海道から沖縄まで、どの店に入っても同じ品質のおにぎりやコーヒーを、安心して買えます。本部の強力な統制力が、ブランド全体の品質保証に直結しているわけです。
ボランタリーチェーン:独立店が手を組む、生き残りの戦略
もう1つのボランタリーチェーンは、独立した小売店同士が連携して組織化する仕組みです。自分が個人の酒屋のオーナーで、ボランタリーチェーンに加盟したと想像してみてください。フランチャイズのような絶対的な本部がいないのだとしたら、品質の管理やルールの徹底はどうやるのでしょうか。意見が対立したら、烏合の衆になって空中分解しそうです。
実は、そこがこのシステムの本質であり、同時に最大の弱点にもなり得る部分です。
そもそもボランタリーチェーンが生まれた動機は、巨大な企業に対抗するための、独立店舗同士の生存戦略でした。街の小さなスーパーや酒屋が、単独で商品を仕入れようとしても、買う量が少ないので、大企業のような安い価格は引き出せません。そこで、それぞれの独立性を保ちながら、共同で商品を仕入れたり、物流のシステムを共有したりすることで、規模の経済を働かせるのです。
つまり、本部にロイヤリティを払ってノウハウをもらうフランチャイズとは違い、加盟店自身がお金を出し合って、自分たちのために共同仕入れ機構のような本部機能をつくっています。完全にボトムアップの構造です。
したがって、ボランタリーチェーンの本部の指示には、フランチャイズほどの強制力がありません。たとえば本部が「今月はこの商品を大々的に売り出しましょう」と提案しても、各店のオーナーが「うちは地域柄、それは絶対に売れないから仕入れないよ」と拒否することも、比較的簡単にできます。
これは、地域の特性を生かせるというメリットの裏返しでもあります。反対に、チェーン全体で統一した戦略を打ち出しにくかったり、意思決定に時間がかかったりという、構造的なジレンマを抱えています。
| フランチャイズ | ボランタリーチェーン | |
|---|---|---|
| 力の向き | トップダウン(本部が主導) | ボトムアップ(加盟店が主体) |
| 集まる目的 | 品質の統一・ブランド力 | 共同仕入れ・物流共有による規模の経済 |
| お金の流れ | 加盟店が本部にロイヤリティを払い、ノウハウ・商標を得る | 加盟店が出し合って共同の本部機能をつくる |
| 本部の強制力 | 強い | 比較的弱い |
試験では、フランチャイズとボランタリーチェーンの目的や主体の違いがよく問われます。これは、単なる用語の暗記を求めているのではありません。トップダウンの統制力 対 ボトムアップの共同防衛という組織の力学を、本当に理解しているかを見たいからです。この視点があれば、丸暗記ではなく、すっと腹落ちします。
(補足:動画にない話です。教科書によっては、契約型の例として、ボランタリーチェーンの仲間にコーペラティブチェーン(小売店が共同出資して共同仕入れ組織をつくるタイプ)を並べることがあります。また、ボランタリーチェーンは、主宰する本部が卸売業者の場合(卸主宰)と、小売業者の場合(小売主宰)に分けて説明されることがあります。分類の仕方はテキストによって少し違うので、使っている教材の表現を確認してください。なお、動画ではフランチャイズの本部を「加盟店を募集する本部」と呼んでいますが、用語としては、本部がフランチャイザー、加盟店がフランチャイジーです。)
試験ではここに注目
- フランチャイズ=本部主導・トップダウン・ロイヤリティ・品質の統一
- ボランタリーチェーン=独立店が共同で規模の経済を働かせる・ボトムアップ・本部の拘束力は弱め
- どちらも契約型VMS。企業型のような資本関係はなく、管理型のような契約なしでもない
ネットの登場で複雑に:マルチチャネルとオムニチャネル
ここまでは、主に実店舗を中心とした流通システムの話でした。インターネットが普及すると、買い物の選択肢が一気に増え、事態はさらに複雑になります。登場するのがマルチチャネルとオムニチャネルです。どちらも、お客さんとの接点(チャネル)を増やすという点では同じですが、両者の間には、企業の内部のシステム設計において、超えられない壁があります。
マルチチャネル:入り口は増えたが、孤立している
動画の聞き手は、こんな経験をしたそうです。あるネットショップで服を買ったら、サイズが合わなかった。たまたま近所にそのブランドの実店舗があったので、持ち込んで返品か交換をお願いしようとすると、店員さんから申し訳なさそうにこう言われました。「ネットストアとは実は別事業部になっているので、お手数ですが、郵送で返品手続きをしてください」。せっかく足を運んだのに、もどかしい思いをした、というわけです。
これがマルチチャネルの限界です。販売の入り口(チャネル)を増やすことには成功していますが、それぞれのチャネルが孤立してしまっています。いわゆるサイロ化という状態です。
なぜそうなるのか。単にシステムがつながっていないという、技術的な問題だけではありません。根本的な原因は、企業内の評価制度や予算が分断されていることにあります。
実店舗の店長の立場で考えてみてください。ネットストアで売れた商品の返品を自分の店で受け付けても、自分の店の売上成績には全くプラスになりません。ネットの売上になっているからです。貢献にならないどころか、スタッフの手間とコストだけがかかる、完全にマイナスな行動になってしまいます。店員さんが申し訳なさそうにしつつも対応できなかったのは、社内の利害関係がぶつかっていたからです。
在庫のデータベースが分かれているだけでなく、組織の壁がある。単にチャネルの数を増やすだけでは、かえって顧客のストレスを生むことになりかねません。これが、マルチチャネルの裏側の現実です。
オムニチャネル:すべてのチャネルをシームレスにつなぐ
この壁を壊すために登場するのがオムニチャネルです。オムニとは「すべて」という意味で、すべてのチャネルをシームレス(継ぎ目なし)に連携させる戦略です。
これを実現するには、お客さんとの表向きの接点だけでなく、裏側にある巨大なデータベースを一元化しなければなりません。つなぐのは、たとえば次のものです。
- 顧客ID:どのチャネルでも同じ人として認識する
- ポイントシステム:どこで買ってもポイントが共通
- 全店の在庫状況:すべての倉庫・店舗の在庫をリアルタイムで同期させる
気の遠くなるようなシステム投資が必要です。それだけではありません。先ほどの評価制度も変えなければなりません。たとえば店舗のスタッフが、お客さんのスマホでのネット注文をサポートしたら、そのスタッフの成績としてちゃんと評価される仕組みをつくらないと、本当のオムニチャネルは回りません。
組織の壁、データの壁、そして評価の壁。これらをすべて取り払って初めて、どこでも好きな方法で買い物ができる体験を、顧客に提供できます。企業が莫大なコストと労力をかけてでもオムニチャネル化を進める、本当の理由がここにあります。
(補足:動画にない話です。実店舗とネットの関係を表す言葉として、店頭で実物を見てからネットで買うショールーミング、ネットで調べてから店で買うウェブルーミングがあります。オムニチャネルは、どちらの行動をとっても、企業が顧客を逃さずに対応できる状態を目指す、という見方もできます。また、教科書によっては、マルチチャネルとオムニチャネルの間に、チャネル同士が一部だけ連携する「クロスチャネル」を置いて、段階的に説明することがあります。)
試験ではここに注目
- マルチチャネル=複数のチャネルを持つが、チャネルごとに独立して運営されている(サイロ化)
- オムニチャネル=すべてのチャネルをシームレスに連携。顧客ID・ポイント・在庫のデータを一元化し、評価制度も合わせる
- 両者を分ける決め手は、チャネルの数ではなく「連携の度合い」
デジタル時代のアルファベット3文字:D2C・O2O・OMO
オムニチャネルのさらに先には、デジタル時代のマーケティングを表す、アルファベットの用語が待ち構えています。D2C、O2O、OMOの3つです。仕組みを順に解剖していきましょう。
D2C:中間業者を通さず、直接売る
D2Cは、ダイレクト・ツー・コンシューマー(Direct to Consumer)の略称です。メーカーが、卸売業者や小売店といった中間業者を一切通さず、自社のECサイトなどを通じて、直接お客さんに製品を販売する手法です。SNSが発達して、ブランド自身が直接メディアとしての発信力を持てるようになったことで、勢いを増したビジネスモデルです。
ここで、動画の聞き手が面白い見立てをしました。「これって、最初のほうで出た企業型VMSのインターネット版と言えませんか。製造から販売まで全部自社でやるという意味で」。講師も「かなり的を射ている」と応じています。
ただし、伝統的な企業型VMSとは、決定的に違う点があります。それが顧客データの解像度です。企業型VMSが、主に利益率の確保やブランド統制に重点を置いていたのに対して、D2Cの最大の武器は、お客さんの声を、直接かつ詳細なデジタルデータとして収集できることです。誰がどのSNSの投稿を見てサイトに来て、何分くらい迷ってから購入したか。そうしたデータがすべて取れます。お店でパッと買うのとは、情報の量が全然違います。
そのデータをもとに、数週間単位でものすごいスピードで製品を改良していく。このフィードバックループの速さが、根本的に異なります。デジタルの力で進化したVMS、というわけです。
O2O:ネットから、実店舗へ
ところが、純粋なD2C企業も、最終的には「実際に商品を触ってみたい」というお客さんのニーズに行き当たり、結局、実店舗を出すケースが少なくありません。ここで関わってくるのがO2Oです。
O2Oは、オンライン・ツー・オフライン(Online to Offline)の略です。オンライン上で顧客に情報を発信して、実店舗というオフラインでの購買行動へ促す手法です。わかりやすい例は、スマホのアプリで「本日限定10%オフ」といったクーポンを配信して、雨の日に客足が鈍っている実店舗へ足を運ばせる施策です。
ただし、これはネットからリアルへの、一方通行の人の流れをつくる仕掛けです。オンラインとオフラインは、まだ別の世界として存在しています。そこがO2Oの限界でした。動画では、実店舗に来てくれたお客さんが、ネット上でどのページを見ていた人なのか、完全には結びつけられないケースが多かった、と説明しています。
OMO:オンラインとオフラインを融合する
これを根本から覆して、現在の最先端とされる概念が、最後のOMOです。オンライン・マージズ・ウィズ・オフライン(Online Merges with Offline)の略で、マージ、つまり融合です。冒頭で話した、スマホで決済して手ぶらで出るジャケットの買い方が、まさにこれです。
OMOの最大の特徴は、企業側がオンラインとオフラインという区別を、もう完全に捨て去っていることです。お客さんのスマートフォンが、企業の巨大なシステムとつながるリモコンとして機能します。実店舗の陳列棚は、もう単に商品を保管して売る場所ではなく、体験のためのショールームになります。買うのは、どこでもかまいません。
OMOの店頭で起きること
お客さんが店の入り口をくぐった瞬間に、アプリを通じて店側の端末に通知が届きます。店員さんは「このお客さんは、昨晩ECサイトのカートに、あの商品を入れて迷っていたな」と把握したうえで、接客に入れます。オンラインの世界が、実店舗をすっぽり包み込んでいるような状態です。
(補足:動画にない話です。OMOという言葉は、中国のベンチャーキャピタル、創新工場(シノベーション・ベンチャーズ)の李開復(カイフ・リー)氏が、2017年に英誌「The Economist」の寄稿(The World in 2018)で用いたことで広まった、とされています。)
試験ではここに注目
- D2C=メーカーが中間業者を通さず、自社ECなどで直接販売。顧客データを直接つかめる
- O2O=オンラインからオフラインへの誘導(クーポンなど)。流れは一方向
- OMO=オンラインとオフラインを区別せず、一体で顧客体験を設計する。「融合」が合言葉
進化の流れを、1本の線で整理する
ここまでの流れを、VMSの時代はモノの流れの統制、ネットの時代は接点とデータの連携、最終形態のOMOはオンラインとオフラインの境界線の消滅、という1本の線で眺めてみましょう。
これらの用語を、単なるアルファベットの羅列として覚えるのではなく、顧客の不満やビジネス上の摩擦を解決するために、どのような技術と組織の進化が起きたのかという、歴史的必然性として捉えること。これが、応用力が問われる試験での最強の武器になります。
おわりに:便利さの代償を考える
最後に、試験勉強の息抜きとして、動画が投げかけた少し哲学的な問いを紹介します。企業がOMOでシームレスに統合して、あなたの過去の購買履歴から、趣味、日々の行動パターンまでを完璧に把握したとします。あなたが「欲しい」と自覚するよりも前に、完璧なタイミングで、完璧な商品を目の前に提示してくれるようになったとき、あなたは本当に自分の意思で、その商品を選んで買っていると言えるでしょうか。
あまりにも快適に設計された購買体験の中で、私たちは選択する自由を、いつの間にかシステムに委ねてしまっているのかもしれません。便利さの裏側で、静かに稼働する巨大なマーケティングシステム。次にスマートフォンで何かを「ポチッ」としたとき、その裏側に広がる世界を、ぜひ想像してみてください。
この講義の試験対策チェックリスト
- VMSが生まれた理由(コストの無駄とブランドコントロールの喪失)を説明できる
- 企業型・契約型・管理型を、統制力・つなぎ方・特徴で区別できる
- フランチャイズ(トップダウン・品質の統一)とボランタリーチェーン(ボトムアップ・規模の経済)の違いを説明できる
- マルチチャネルのサイロ化の原因(システムだけでなく評価・予算の分断)と、オムニチャネルの条件(データ一元化・評価制度の見直し)をいえる
- D2C・O2O・OMOの意味と、それぞれの違い(直販/一方通行の誘導/融合)を区別できる
動画で聞く
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