サービスマーケティングの5特性とSERVQUALを図解で攻略
企業経営理論 第24回
「少しだけ思い浮かべてみてください。あなたが最後に買ったものは、何でしょうか」。手で触れるモノなら、お店で実物を確かめて納得して買えます。でも、買うものがコンサルティング契約や半年間の英会話スクールだったら、買う前に品質を確かめることはできません。動画はこんな問いかけから始まります。このページでは動画の流れにそって、サービスの特性、品質を測るSERVQUAL、現場の従業員を動かすインターナル・マーケティング、サービス・ドミナント・ロジックまでをまとめました。まず動画を聞いて、あとからここで復習するのがおすすめです。
目に見えない商品を、どう売るか
最後に買ったものを思い浮かべてみてください。新しいスマートフォンやお気に入りのペンのように、手で触れるものだったとします。お店で実物を見て、画面のきれいさや重さを確かめ、納得してレジへ持っていく。ごく当たり前の風景です。
ところが、買うものがプロのコンサルティング契約や、半年間の英会話スクールだったらどうでしょう。買う前に実物を手に取って、品質を完全に確かめることは、まずできません。ここに、中小企業診断士の1次試験を目指すあなたに、ぜひ知っておいてほしい落とし穴があります。目に見える有形財のマーケティングと、目に見えない無形財(サービス)のマーケティングを同じように扱うと、失敗しやすいのです。
実体のないものを売るのは、買う側から見ると、心理的なハードルが想像以上に高い行為です。だからサービスには、サービス専用の戦い方が必要になります。この講義では、サービス特有の厄介な性質、見えない品質の測り方、そして組織の戦略までを、1本の線でつなげていきます。用語の暗記だけでなく、「なぜそういう理論になるのか」という裏側のロジックを意識して読み進めてください。
サービスの特性:モノと何がちがうのか
サービスを売るのがなぜ難しいのか、その根本の理由を、特性として整理します。この動画で順に出てくるのは、無形性、不可分性(同時性)、非均一性、非貯蔵性の4つです。教科書によっては、ここに「所有権の非移転」を加えて5つとすることがあります(後ほど補足します)。呼び名もテキストによって違い、不可分性は「同時性」、非均一性は「変動性」「異質性」、非貯蔵性は「消滅性」とも呼ばれます。試験では、別の呼び方で出てきても同じものだとわかるようにしておきましょう。
1. 無形性:形がないから、不安になる
いちばん大きな違いは、触れないことです。お金を払うまで、自分の望む結果が得られるかどうかがわからず、買う側は不安で仕方がありません。この性質を無形性(非有形性)といいます。形がないので、事前にお試しをするのも難しいのです。
では、企業は消費者の強烈な不安をどう取り除けばよいでしょうか。答えは、形がないなら、無理やりにでも見えるようにすることです(有形化、見える化)。
- パーソナルジムのテレビCMで、数か月でどれだけ体型が変わったかを、ビフォーアフターの映像で見せる
- 学習塾のチラシに「東大合格者○○名」と大きく書く
サービスそのものは見えなくても、そこから得られた結果や実績を、数字や資格で示せば、購買意欲をかき立てられます。サービスマーケティングの最初のステップは、見えない価値に証拠を突きつけることです。実績という証拠は、非常に強力な武器になります。
(補足:動画にない話です。品質の見分けやすさで、財やサービスを3つに分ける考え方があります。買う前に確かめられるのが探索品質(服の色や形など)、使ってみて初めてわかるのが経験品質(レストランの味など)、使ったあとでも良し悪しを判断しにくいのが信用品質(医療やコンサルティングなど)です。サービスは経験品質や信用品質の比率が高く、だから買う前の不安が大きくなります。)
2. 不可分性(同時性):作る瞬間と使う瞬間が同じ
無事に買ってもらえても、次の壁があります。モノなら工場で作って倉庫に置いておけますが、サービスは、お客さんが目の前にいるその瞬間に生み出さなければなりません。生産と消費が同時に行われ、切り離せない。これが不可分性、または同時性です。
有名なアーティストのライブコンサートを考えるとわかりやすいでしょう。演奏している時間に、その場所にいなければ、サービスは体験できません。会場の席が埋まれば、外にチケットを買いたい人があふれていても、それ以上は売れません。時間も、場所も、量も、ガチガチに縛られるのです。企業から見れば、売上の天井がすぐに見えてしまいます。
この制約を突破する方法は、大きく2つあります。
- 設備の規模を拡大する:より大きなアリーナを借りるような、投資の判断をする。
- 同時性そのものをあきらめる:ライブの熱を映像や音声に記録して、デジタルコンテンツとして販売する。
つまり、物理的な制約をどう回避するかの勝負になります。
(補足:動画にない話です。不可分性のもう一つの面として、サービスでは顧客が提供の場に居合わせ、顧客自身も品質に関わります。たとえば、美容室で希望を的確に伝えられるかどうかで、仕上がりの満足度が変わります。顧客を「サービスの共同の作り手」と見る発想は、後半のサービス・ドミナント・ロジックにもつながります。)
3. 非均一性:人が関わると、品質がぶれる
お客さんの目の前で同時にサービスを生み出す、ということは、多くの場合、人間が提供しているということです。すると、その日の担当者のコンディションやスキルによって、品質がぶれてしまいます。これが非均一性(変動性)です。
美容室が典型です。同じお店で同じ料金を払っているのに、ベテランのトップスタイリストに切ってもらったときと、経験の浅いアシスタントに切ってもらったときで、満足度が天と地ほど違うことがあります。人が関わる以上、提供者やタイミングでクオリティが変わるのは避けられません。工場の製造なら不良品を弾けば済みますが、サービスはそうはいきません。
対策は、次のようなものです。
- マニュアル化・研修:徹底した接客マニュアルを作り、社内研修を強化して、誰がやっても一定のレベルを保てるようにする。
- 機械への置き換え:人に依存してぶれてしまう部分を、いっそタッチパネルや自動化システムに置き換える。飲食店のセルフオーダー端末が、まさにこれです。
4. 非貯蔵性:在庫にできない、しかも需要は波打つ
倉庫の話に戻ると、サービスは絶対に在庫としてためておけません。これが非貯蔵性(消滅性)です。さらに厄介なのが、需要の変動です。ランチタイムはお客さんでごった返しているのに、午後3時になると店内はガラガラ、という状況です。
だからといって、午後3時のサービスを箱に詰めて保存し、明日のランチタイムに回すことはできません。作り置きができない以上、需要と供給のバランスをどうコントロールするかが、企業の死活問題になります。打ち手は、需要側と供給側の両方にあります。
- 需要側の調整:午後3時のような閑散期に、ハッピーアワーと称して割引を行い、需要を作り出す。
- 供給側の調整:ピーク時にパートタイムのスタッフを大量に投入して、対応力を一気に引き上げる。
こうした細かな調整が欠かせません。
(補足)所有権の非移転
(補足:動画にない話です。「サービスの特性は5つ」として整理するテキストでは、5つ目に所有権の非移転(所有権の欠如)が入ります。モノなら、買えば所有権が自分に移ります。サービスは、買っても何かが手元に残るわけではなく、利用する権利や体験を得るだけです。ホテルに泊まっても部屋は自分のものになりませんし、映画を見ても映画館は手に入りません。コトラーの整理は、無形性・不可分性・変動性・消滅性の4つが中心とされます。このため、動画が4つで終わっているのは、その整理に沿ったものと考えられます。)
こうして順に見ると、サービスは企業の思い通りにならない「じゃじゃ馬」ですね。モノを売る感覚のまま売ろうとしたら、火傷しそうです。
そうなんです。無形性、不可分性、非均一性、非貯蔵性。すべてにおいてコントロールが難しいのが、サービス業の宿命です。だからこそ、特性ごとに打ち手を持っておくことが大切になります。
試験ではここに注目
- 特性の名前と、その内容・打ち手を結びつける(例:非均一性にはマニュアル化・研修・機械化、非貯蔵性には需要の平準化)
- 同じ性質でも名前が違う:不可分性=同時性、非均一性=変動性・異質性、非貯蔵性=消滅性
- 無形性への対策は「証拠を見せる(有形化)」という方向
見えない品質を、どうやって測るか:SERVQUAL
ここで、根本的な疑問が出てきます。形がなくて、しかも担当者によって品質がぶれる。そんなサービスの品質を、企業は客観的にどう測ればよいのでしょうか。体重計に載せて「今日のサービスは50キログラムでした」とはいきません。
この見えないものをあえて測ろうとするのが、マーケティングのおもしろいところです。そこで登場するのが、サービスの品質を測定するためのフレームワーク、SERVQUAL(サーブクオル)です。パラスラマン、ジーサムル、ベリーの3人の研究者が提唱しました。
5つの次元
SERVQUALでは、品質を5つの具体的な次元で評価します。レストランを例に見ていきましょう。
- 信頼性:約束したサービスを確実に提供できているか。ミディアムレアのステーキを頼んだら、ちゃんとミディアムレアで出てくるか。最も基本となる次元です。
- 反応性:お客さんが手を挙げたとき、どれだけ迅速に対応してくれるか。
- 確実性:従業員がメニューについて十分な知識をもち、お客さんに安心感や信頼感を与えられているか。ワインのペアリングを聞いたときに堂々と答えてくれると、「この店はちゃんとしている」と確信がもてます。
- 共感性:お客さん一人ひとりの事情に関心をもち、配慮が行き届いているか。たとえば、記念日で来ていることに気づいて、頼まれてもいないのにデザートにメッセージを添えてくれるような、パーソナライズされた対応です。
- 有形性:施設・設備・従業員の身なりなど、目に見える部分がどうか。
(補足:動画にない話です。覚えるときは、頭文字をとったRATER(Reliability信頼性、Assurance確実性、Tangibles有形性、Empathy共感性、Responsiveness反応性)が便利です。この5次元は、1985年の研究で出された10の評価の観点を、1988年に5つへまとめたものとされ、質問票は22項目です。)
無形のサービスに「有形性」があるのはなぜ?
ここで疑問が浮かびます。「サービスは無形が最大の特徴」と言ったばかりなのに、なぜ測る指標の中に有形性が入っているのでしょうか。矛盾していませんか。
実は、ここが人間の心理のおもしろいところです。サービスそのものは見えません。だからこそ、消費者はその見えない品質を判断するために、周囲にある目に見える物理的な手がかりを、無意識に探してしまうのです。レストランの椅子の座り心地、照明の雰囲気、ウェイターの制服にアイロンがきちんとかかっているか。こうした有形の要素が、無形のサービスの品質を評価するプロキシ(代理の指標)になってしまうのです。
確かに。どれだけ料理がおいしくても、トイレが汚かったり、店員さんのエプロンがしみだらけだったりしたら、このお店の品質は低いと直感的に判断しちゃいますね。
見えないからこそ、見える部分で判断される。それが有形性の意味です。無形性への対策として、証拠を見せるのと同じ方向の話でもあります。
(補足:動画にない話です。サービスのマーケティング・ミックスは、モノの4P(製品・価格・流通・プロモーション)に、人(People)、プロセス(Process)、物的証拠(Physical evidence)の3つを加えた7Pで考えるのが一般的です。有形性は、この物的証拠に当たります。)
最も大事なのは「期待とのギャップ」
SERVQUALで最も重要なインサイトは、5つの項目にチェックマークをつければよい、という話ではないことです。測るべきなのは、顧客が来店前に抱いた「期待」と、実際にサービスを受けた後の「知覚」(どう感じたか)のギャップなのです。
たとえば、町の定食屋さんに求める反応性や有形性と、三つ星フレンチレストランに求めるそれは、まったく違います。定食屋の店主が「うちは料理の出し方が遅いかもしれない」と思っていても、お客さんが「この値段でこのボリュームなら、多少待っても最高だ」と納得してくれれば、サービス品質は高いと評価されます。逆に、企業側が完璧な対応をしたと胸を張っていても、事前の期待値が高すぎたせいで顧客が不満をもてば、品質は低いとみなされます。
企業の自己満足は関係なく、顧客の頭の中にある期待値との差だけが真実、ということです。だから、期待値のコントロール(期待を上げすぎないこと)も、非常に大事になります。
(補足:動画にない話です。同じ研究者たちは、品質のずれが生まれる原因を整理した「ギャップモデル」も示しています。顧客が期待したサービスと知覚したサービスの差(顧客ギャップ)の背景に、「経営者が顧客の期待を正しく理解していない」「理解した内容を仕様に落とせていない」「仕様どおりに提供できていない」「広告などで約束しすぎている」という、企業側の4つのずれがあると考えます。)
試験ではここに注目
- SERVQUALは、サービス品質を「期待」と「知覚」の差で測るモデル
- 5つの次元の名前と内容(信頼性・反応性・確実性・共感性・有形性)を区別する
- 有形性は、目に見えない品質を判断するときの手がかり(代理の指標)という位置づけ
品質を届ける現場:サービス・トライアングルと3つのマーケティング
サーブクオルで品質の測り方は整理できました。では、その品質の高いサービスを、最前線で実際にお客さんに届けるのは誰でしょうか。もちろん、現場の従業員です。ここから、組織の仕組みに目を向けます。登場するのがサービス・トライアングルです。企業、従業員、顧客という3つのプレイヤーの関係を、図にしたものです。
この三角形の中には、3つの異なるマーケティングの矢印があります。
- エクスターナル・マーケティング(企業→顧客):広告を打つ、価格を決めるといった一般的なマーケティングに加え、サービス独自の約束を顧客と結ぶ活動です。
- インタラクティブ・マーケティング(従業員→顧客):接客やサービスの提供そのものです。ここで約束が果たされます。
- インターナル・マーケティング(企業→従業員):企業が従業員に向けて行う活動です。
ここまでは普通に理解できますが、3つ目の矢印は独特です。マーケティングは普通、商品を買ってくれる外部のお客さんに向けて行うものです。身内であるはずの従業員に、わざわざ「マーケティング」という言葉を使って社内策を行うのは、なぜでしょうか。
製造業のロジックと、サービス業のロジック
ここが、製造業とサービス業のロジックを決定的に分ける分水嶺です。工場でモノを作る場合、どんなに不機嫌な従業員が機械のボタンを押しても、出てくる製品の品質は同じです。機嫌が悪くても、スマホの性能は変わりません。
ところが、サービス業では、お客さんが体験する品質そのものを決めるのが、最前線でサービスを提供する従業員の感情や態度です。先ほどのSERVQUALの共感性は、マニュアルで強制できるものではありません。「心を込めて対応しなさい」と命令されても、やらされている感が出てしまうだけでしょう。
だから、企業はまず自分の組織の従業員を第1の顧客として扱わなければなりません。能力開発の機会を与え、適切な報酬を支払い、モチベーションを高める。こうして従業員を満足させる社内向けの活動が、インターナル・マーケティングです。従業員が満たされ、会社に大切にされていると感じてはじめて、「お客さんにも良い体験をしてほしい」という本心からの当事者意識が生まれます。
(補足:動画にない話です。3つのマーケティングは、サービスの「約束」という流れで理解すると覚えやすくなります。エクスターナル=約束をする、インターナル=約束を守れるように従業員を支える、インタラクティブ=現場で約束を守る。この三角形の整理は、サービス・マーケティングの教科書でよく使われます。なお、約束と実際のずれは、前に出てきたSERVQUALの期待と知覚のギャップにもつながります。)
サービス・プロフィット・チェーン
従業員の満足度が上がれば、サービスの質が向上します。それが顧客満足度の向上につながり、最終的に企業の利益や顧客ロイヤリティとなって跳ね返ってきます。この因果関係の連鎖を、サービス・プロフィット・チェーンと呼びます。ヘスケットらが1994年に発表した考え方です。
これは、「従業員にやさしくしましょう」という道徳の話ではありません。従業員への投資が、極めて合理的なビジネスの利益構造として設計されている、ということです。お客さんを喜ばせたければ、まず従業員を喜ばせる。最前線の従業員の心の状態が、そのまま商品の品質に直結するのが、サービスマーケティングの深さです。
(補足:動画にない話です。ヘスケットらの原型では、連鎖がもう少し細かく示されています。社内のサービス品質が従業員満足を高め、それが従業員の定着や生産性につながり、顧客に届く価値が高まって、顧客満足、顧客ロイヤリティ、そして売上の成長と収益性へと続きます。動画の説明は、その流れをかみ砕いたものです。)
試験ではここに注目
- 3つのマーケティングを、向き(企業→顧客、従業員→顧客、企業→従業員)と結びつけて区別する
- インターナル・マーケティングは、従業員を「内部の顧客」と見て、満足を高める活動
- サービス・プロフィット・チェーンは、従業員満足→顧客満足→利益という好循環
モノとサービスを分けない:サービス・ドミナント・ロジック
ここまで、モノとは違うサービス特有の戦い方を見てきました。形がないときの対応、ぶれる品質の測り方、そして現場の動かし方です。ところが、最近の世の中を見ていると、そもそもモノとサービスを明確に分けること自体が、時代遅れになっているようにも思えます。この視点の変化が、現代のマーケティングの最先端の議論につながっています。それがサービス・ドミナント・ロジック(S-Dロジック)です。バーゴとラッシュが2004年に示した考え方です。
これまでは、製品を作る製造業と、サービスを提供するサービス業を分けて考えてきました。ところが、このロジックは、あらゆる経済活動の根本はサービスであると再定義します。
よく知られた古いビジネスの格言に、「ドリルを買いに来た人が欲しいのはドリルではなく、穴である」というものがあります(マーケティング研究者のセオドア・レビットの言葉として知られています)。製品そのものではなく、それがもたらす結果に目を向けなさい、という教えです。S-Dロジックは、これをさらに進めます。製造業であっても、ドリルを売って終わりではありません。顧客がそのドリルを使って、安全にきれいに穴をあけるという使用価値を引き出せるよう、知識やサポートも含めたすべてを統合して、はじめて価値が生まれると考えます。
つまり、ドリルのような有形財は、サービスを届けるための単なる乗り物にすぎない、という視点です。
身近な例も出ていました。音楽を聞く体験がそうです。昔はCDを所有することに価値がありましたが、今はストリーミングサービスを使います。私たちが欲しいのは、MP3のデータファイルという製品ではなく、「通勤電車の中で、自分の気分にぴったりの音楽が流れている」というサービスです。自動車メーカーも、鉄のかたまりとしての車を売っているのではなく、安全で快適な移動空間というサービスを提供している、と見ることができます。有形財と無形財が、完全に融合しているのです。
そして、価値は企業が一方的に作って届けるものではなく、企業と顧客が一緒になって価値を共創していく。これが、これからのビジネスの前提になっていく、というのが動画の結びです。
(補足:動画にない話です。S-Dロジックは、価値を「作って売るときの交換価値」ではなく、顧客が使うときに生まれる使用価値(文脈価値)で捉えるのが特徴です。前半の不可分性(顧客が居合わせる)や、顧客の知覚で決まるSERVQUALも、この見方とつながっています。)
全体のつながりを整理する
最後に、この講義の流れを、一本の線として確認しましょう。
- サービスには、無形性・不可分性・非均一性・非貯蔵性という、企業にとってコントロールしづらい性質がある。
- 見えない品質は、顧客の期待と知覚のギャップとして、SERVQUALの5つの次元で測る。
- その品質を生み出す原動力は従業員。企業は従業員に向けたインターナル・マーケティングを行い、従業員満足→顧客満足→利益という連鎖(サービス・プロフィット・チェーン)をつくる。
- さらに、あらゆるビジネスをサービスとして捉え直すのが、サービス・ドミナント・ロジック。
用語を覚えるだけでなく、「なぜ企業はそういう行動をとるのか」という背景がわかると、知識が立体的に頭に入ります。丸暗記した知識はすぐ忘れますが、因果関係で理解したロジックは、試験会場でも、実際のビジネスの現場でも、あなたを助けてくれます。
次に何かを買うとき、少しだけ立ち止まって考えてみてください。買おうとしているものは、純粋な物理的製品でしょうか。それとも、何らかのサービスにのせられて、あなたに特別な体験をもたらそうとしているのでしょうか。サービスマーケティングのレンズを通して世界を見ると、いつもの景色が違って見えるはずです。
この講義の試験対策チェックリスト
- サービスの特性(無形性・不可分性・非均一性・非貯蔵性)と、それぞれの対応策をいえる
- SERVQUALが「期待と知覚のギャップ」で品質を測るモデルで、5つの次元を区別できる
- サービス・トライアングルの3つのマーケティングと、それぞれの向きをいえる
- インターナル・マーケティングとサービス・プロフィット・チェーンの関係を説明できる
- サービス・ドミナント・ロジックが「すべての経済活動の根本はサービス」という見方だとわかる
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