聞き流しラボby kufu-yaWebテキストNEW
中小企業診断士 2次試験

知識ではなく、解き方を聞く。

1次試験の合格者に向けて、与件文の読み方、設問の切り分け方、解答の型を、事例ごとに解説します。

事例別の過去問解説重要論点講義ファイナルペーパー
診断士 聞き流しラボ 2次試験対策

品質管理

事例Ⅲ 第21回

事例Ⅲ 品質管理を、与件文のサインから答案につなぐ9分7秒2026年8月31日公開

「二次試験の演習をしていて、与件文に『クレームが増えている』と書いてあるだけで、なんとなく『品質の話かな』とは思うけれど、そこから先、どう解答に繋げればいいか迷うことはありませんか」。動画はこんな問いかけから始まります。このページでは動画の流れにそって、与件文のサイン、設計・製造・使用の3段階、解答の組み立て方、検査やQC手法との混同、書き終わったあとの自己チェックをまとめました。まず動画を聞いて、あとからここで復習するのがおすすめです。

与件文に「クレームが増えている」とあったとき

動画は、講師のこんな問いかけから始まります。二次試験の演習をしていて、与件文に「クレームが増えている」と書いてあるだけで、なんとなく「品質の話かな」とは思う。けれど、そこから先、どう解答に繋げればいいか迷うことはありませんか、という問いです。

二次試験の演習をしていて、与件文に「クレームが増えている」って書いてあるだけで、なんとなく「品質の話かな」とは思うんですけど、そこから先、どう解答に繋げればいいか迷うことってありませんか。

あります…!知識としては「品質管理」って知ってるんです。でも、いざ与件文でクレームとか不良率の話が出てくると、「じゃあ何を書けばいいんだ」って手が止まっちゃうんですよね。

そうなんです。品質管理って、知識としてはみなさんもう持ってるんですよ。問題は、与件文のどの記述を見たときにこの論点を引っ張り出すか、そしてそれをどう解答の形にするか、なんです。

講師は、品質管理は知識としてはもう持っている、問題は与件文のどの記述を見たときにこの論点を引っ張り出すか、そしてそれをどう解答の形にするかだ、と言います。聞き手はここで、今日はその「使うタイミング」を教えてもらえるということですね、と受けます。講師の答えは、事例Ⅲで繰り返し問われる品質管理を、二次試験の現場でどう使うかという視点で一緒に整理していきましょう、というものです。

事例Ⅲで品質管理はどう聞かれるか

講師はまず、品質管理が事例Ⅲの中でどういう聞かれ方をすることが多いか、知っていますかと尋ねます。聞き手の答えは、なんとなく、不良とかクレームが絡んでいる印象はある、というものでした。講師は「そうです」と受けて、典型的なパターンを挙げます。

典型的な聞かれ方

  • クレームが増えている
  • 不良率が高い
  • 品質にばらつきがある

こうした問題を解消するための施策を問われるパターンです。聞き手は、「不良品の発生が目立つようになった」みたいな一文なら見たことがある、と言います。

あー、まさにそういう与件文、見たことあります。「不良品の発生が目立つようになった」みたいな一文ですよね。

そうです。そして品質管理は、その先にあるQC手法や検査といった、もっと具体的な論点にもつながっていく、いわば入口の論点でもあるんです。

聞き手が「入口、というと?」と聞き返すと、講師は、品質の問題そのものをどう捉えるかという土台の部分だと答えます。ここを外すと、そのあとのQC手法や検査の使い方も的外れになってしまう、と言います。聞き手は、順番として、まずここをちゃんと押さえておく必要があるんですね、と納得します。

そのうえで講師は、品質管理で一番やってしまいがちなことを挙げます。検査を厳しくするという対症療法だけで終わらせてしまうことです。ここは後で詳しく触れるので、覚えておいてください、と動画は先へ進みます。

与件文のサイン:4つの記述

聞き手は、与件文のどんな記述が出てきたら、品質管理だと気づけばいいのかを尋ねます。講師が挙げるサインは4つです。

① クレーム・不良品の増加クレームや不良品の発生が増えている② 作業者によるばらつき作業者によって品質がばらつく、標準化されていない③ 基準・手順・教育基準や手順が明文化されていない、教育が行き届いていない④ 信頼低下・受注減顧客からの信頼低下、品質が原因で受注が減っている品質管理の論点を使うこの4つのどれかが出たら
与件文に4つのサインのどれかが出たら、品質管理の論点を使います。
  • クレームや不良品の発生が増えている、という記述
  • 品質が作業者によってばらつく、標準化されていない、という記述
  • 品質基準や作業手順が明文化されていない、教育が行き届いていない、という記述
  • 顧客からの信頼低下や、品質が原因で受注が減っている、という記述

2つ目のサインのところで、聞き手が「作業者によって仕上がりが違う」みたいな書き方ですね、と例を出します。講師は「そうです」と受けて、残りの2つを続けました。最後に講師は、この4つは押さえておいてくださいと言います。

「クレーム」「ばらつき」「基準がない」「受注減」…この4つのどれかが出たら、品質管理のアンテナを立てる、ということですね。

その通りです。逆に言うと、この4つが出ていないのに品質管理を持ち出すのは、こじつけになってしまうので注意してください。

品質を3つの段階で捉える:設計品質・製造品質・使用品質

与件文でこれかもしれないと思ったら、次はどう整理すればいいのか。聞き手の問いに、講師は、品質を3つの段階で捉える考え方を使うと答えます。設計品質、製造品質、使用品質の3つです。聞き手が「3段階、ですか」と聞き返すと、講師は料理にたとえます。料理を人に振る舞う場面を想像してください、という入り方です。

設計品質:レシピを決める狙った味や見た目を、レシピに落とし込む製造品質:レシピ通りに作る毎回同じ味を再現できているか使用品質:食べた人の満足顧客が実際に感じる品質
品質を、設計・製造・使用の3つの段階で捉えます。
段階料理でいうと
設計品質レシピを決める段階。狙った味や見た目を、どんなレシピに落とし込むか
製造品質そのレシピ通りに、毎回同じ味を再現できているか
使用品質実際に食べた人が満足できたかどうか。顧客が実際に感じる品質

まずレシピを決める段階があります。狙った味や見た目を、どんなレシピに落とし込むか。これが設計品質です。聞き手は、レシピ自体がいまいちだったら、そもそも美味しくならないということですね、と受けます。

次に、そのレシピ通りに、毎回同じ味を再現できているか。これが製造品質です。レシピは完璧でも、作るたびに味がぶれていたら意味がない、と講師は言います。聞き手は、料理でまさにやりがちで、同じレシピのはずなのに作るたびに微妙に違う出来になってしまうと話します。講師は、まさにそれが製造品質のばらつきだと答えます。

そして最後が、実際に食べた人が満足できたかどうか。これが使用品質、つまり顧客が実際に感じる品質です。

料理のたとえ

  • 設計品質:レシピを決める。狙った味や見た目をどんなレシピに落とし込むか
  • 製造品質:レシピ通りに、毎回同じ味を再現できているか
  • 使用品質:食べた人が満足できたか。顧客が実際に感じる品質

レシピが良くても、それを再現できなくても、食べた人が満足しなくても、どこかで品質は崩れる、ということですね。本番では、この3段階のどこで問題が起きているかを、まず見極めればいいんですか。

その通りです。事例Ⅲでは、特に製造品質のばらつきが問われやすい、という傾向があります。作業者ごとの差、標準化されていない、という記述が多いのはそのためです。

与件文の記述は、どの段階に当たるか

聞き手は、先ほど出てきた「顧客からの信頼低下」や「受注が減っている」という記述は、この3段階だとどこに当たるのかを尋ねます。講師は、それは使用品質の側の話だと答えます。顧客が実際に使ってみて満足できなかった結果として、信頼が下がったり、受注が減ったりする、という流れです。

作業者ごとの差標準化されていない製造品質事例Ⅲで問われやすい顧客からの信頼低下受注が減っている使用品質満足できなかった結果記述がどの段階に対応しているかを意識して読む
同じ品質の問題でも、原因が製造の現場か、結果が顧客の受け止め方に出ているかを切り分けます。

なるほど、同じ「品質の問題」でも、原因が製造の現場にあるのか、それとも結果として顧客の受け止め方に出ているのか、切り分けて読む必要があるんですね。

はい。与件文でどの記述がどの段階に対応しているかを意識しながら読むだけで、解答の的が絞りやすくなります。

解答の組み立て方:3つの型

段階を見極めたあと、解答はどう組み立てればいいのか。聞き手の問いに、講師は「型はシンプルです」と答え、3つを順に挙げます。

① 段階を特定する設計・製造・使用のどの段階の問題か② 仕組みづくりを提案する製造品質なら、標準化・マニュアル化、作業者教育、QC手法を使った原因分析③ 全社的な取り組みにする方針や目標を決めるところから実際の改善活動までの一連の流れ
段階の特定、仕組みづくり、全社的な位置づけの3つで組み立てます。

1つ目は、与件文の品質問題が、設計・製造・使用のどの段階の問題かを特定することです。聞き手は、さっきの3段階のどこかを答案の中で明示するんですね、と確認し、講師は「はい」と受けます。

2つ目は、製造品質の問題であれば、作業の標準化やマニュアル化、作業者教育の実施、それからQC手法を使った原因分析、こういった仕組みづくりを提案することです。聞き手は、検査を強化する、じゃなくて、そもそもばらつきが起きない仕組みを作る方向で書く、ということですねと言い、講師は「そこが一番のポイントです」と答えます。

3つ目は、品質管理は一部門だけの仕事ではなく、全社的な取り組みとして位置づけることです。方針や目標を決めるところから、実際の改善活動までの一連の流れとして書けると、評価されやすくなります。

検査を強化するだけで終わらせず、標準化や教育まで書けると、一段階深い解答になる、ということですね。

そうです。上流の仕組みまで書けているかどうかで、解答の厚みがかなり変わってきます。

「検査」との混同:品質管理は検査を厳しくすることではない

ここまで聞いた聞き手は、結構「検査」と混同しそうだなと思った、と言います。講師は、そこは本当に多いと答えます。品質管理を、検査を厳しくすることと同じだと思い込んでしまう。でも検査は、できあがった不良品を選別する事後的な手段だ、というのが講師の説明です。

品質管理そもそも不良を発生させない仕組みそのもの(検査の前段階)検査できあがった不良品を選別する事後的な手段検査を強化するだけの解答は、半分しか答えていない
検査は事後的な手段。品質管理は、その前段階の仕組みです。

聞き手は、品質管理はその前段階、そもそも不良を発生させない仕組みそのもの、ということですねと言い、講師は「はい」と受けます。だから、検査を強化するだけの解答は、品質管理としては半分しか答えられていないことになる、と講師は言います。

私、まさにここでつまずいたことがあります。「検査体制を強化する」って書いて、なんかしっくりこなかったんですけど、標準化とか教育の視点が抜けてたからだったんですね。

それ、すごくよくあるつまずきです。

QC手法と混同しない

もう1つの混同が、QC手法です。講師は、QC手法という論点には、数値データを分析するタイプのものと、言語データを整理するタイプのものと、いくつか種類があると説明します。聞き手が「それも品質管理と混同しやすいんですか」と尋ねると、講師は「はい」と答えます。

QC手法の個別の手法名だけを書いて、それを使って何を分析し、どう改善につなげるのかという活動の流れが抜け落ちてしまう。手法名を並べるだけでは、品質管理の解答にはなりません。QC手法自体は、また別の回で詳しく扱う、と講師は言います。

品質管理はあくまで土台で、そこからQC手法や検査という具体的な話につながっていく、という順番を忘れないようにしないといけないですね。

もう1つだけ。品質問題の原因が、設計・製造・使用のどの段階かを特定せずに、漠然と「品質を上げる」で終わらせてしまう解答も多いです。これも評価されにくいので、気をつけてください。

やってしまいがちな解答

動画で挙げられた、やってしまいがちな解答は3つです。

やってしまいがちな解答足りないところ
検査を強化するだけ品質管理としては半分しか答えられていない
QC手法の手法名を並べるだけ何を分析し、どう改善につなげるかという活動の流れが抜け落ちる
漠然と「品質を上げる」で終わる設計・製造・使用のどの段階かを特定していない

書き終わったあとの自己チェック

聞き手は、書き終わったあと、自分の解答が漠然としていないか、どうやって確認すればいいのかを尋ねます。講師は、シンプルな方法があると言って、次のやり方を示します。

自己チェックの方法

  • 自分の解答を読み返す
  • 「設計・製造・使用のどの段階の話をしているか」を、自分で指差せるかどうか確認する
  • 指差せないなら、まだ漠然としている証拠

具体的な段階名を答案の中で言えているか、で自己チェックするんですね。

そうです。それだけで、答案の解像度がぐっと上がります。

まとめ

動画の最後に、聞き手は、本番でこの論点を使うときのチェックポイントをまとめてほしいと頼みます。講師が挙げたのは3つです。

本番でのチェックポイント

  • クレームやばらつきといったサインを与件文から見つけたら、まず設計・製造・使用のどの段階の問題かを特定する
  • 製造品質の問題なら、標準化・教育・QC手法による原因分析といった仕組みづくりを書く
  • 検査の強化だけで終わらせず、全社的な取り組みとして書く

知識はあったのに、使うタイミングが分かっていなかっただけなんだって、今日ですごく腑に落ちました。

その感覚、大事にしてください。与件文にサインが出た瞬間に、この3段階が頭に浮かぶようになれば、もう十分本番で使えるレベルです。

LISTEN

動画で聞く

NEXT

続けて読む