新QC7つ道具
事例Ⅲ 第23回
「新QC7つ道具って、意味は分かってるのに、事例Ⅲの本番でどこで使うか、パッと出てきますか?」。動画は、講師のこんな問いかけから始まります。このページでは動画の流れにそって、新QC7つ道具が出てくる2つの場面、与件文の4つのサイン、7つの道具の使いどころ、状況・手法名・効果の3ステップで書く答案の型、混同しやすい点をまとめました。まず動画を聞いて、あとからここで復習するのがおすすめです。
意味は分かっているのに、使いどころが出てこない
動画は、講師のこんな問いかけから始まります。「新QC7つ道具って、意味は分かってるのに、事例Ⅲの本番でどこで使うか、パッと出てきますか?」。聞き手の答えは「正直あやしいです」でした。
定義は覚えてるんですけど、与件文を読んでいる最中に「あ、ここで使うところだ」って気づけるかっていうと、自信ないです。
そうなんですよね。QC7つ道具の方は数値データが出てくるので分かりやすいんですが、新QC7つ道具は言葉の情報を扱う分、使いどころに気づきにくいんです。
たしかに、数値じゃなくて「意見がバラバラ」とか「原因が絡み合ってる」みたいな、ふわっとした記述の方が多い気がします。
そこがポイントです。今日はその「ふわっとした記述」が出てきたときに、どの道具を選んで、どう答案に落とし込むか、使い方を一緒に整理していきましょう。
QC7つ道具は数値データを扱い、現場のスタッフが使う道具です。新QC7つ道具は言語データを扱い、管理者やスタッフが使う整理・計画の道具です。講師は、この違いを取り違えないことが大事だと言います。
二次試験に出てくる場面は大きく2つ
講師は、新QC7つ道具が二次試験でどういう場面に出てくるかを、大きく2つに分けて見ていきます。
- 1つは、現場で複数の問題や意見が錯綜していて、まず全体を整理したい場面。
- もう1つは、改善策を決めたあとに、それをどう実行するか、スケジュールや段取りを組み立てたい場面。
なるほど、問題を整理するフェーズと、実行計画を作るフェーズ、両方で出てくるんですね。
そうです。しかもこれは、現場の作業者というより、管理者やスタッフが使う整理・計画のツールという立ち位置なんです。登場人物も、現場のオペレーターより管理者側の目線で描かれることが多いです。
あ、それ聞いて腑に落ちました。私、以前「誰が困っているシーンか」を意識せずに読んでいて、道具を選ぶときに軸がぶれてたんです。
まさにそこです。「誰の視点の困りごとか」を意識するだけで、選ぶ道具の精度がぐっと上がります。
与件文の着眼点:代表的なサインは4つ
聞き手が「実際に与件文のどんな一文が出てきたら、この道具を疑えばいいんですか?」と尋ねると、講師は、与件文の着眼点として代表的なサインが4つあると答えます。
- 1つ目:「複数の問題や意見が錯綜していて、まず全体像を整理したい」という記述。これが出たら、意見をグループ化する道具を考えます。
- 2つ目:「原因と結果の関係が複雑に絡み合っていて、因果関係を整理したい」という記述。原因を突き止めるための道具のサインです。
- 3つ目:「改善策の検討から実行までの手順を、段取りよく計画したい」という記述。
- 4つ目:「新しい取り組みを進める上で、想定外の事態にも備えておきたい」という記述。
講師は、この4パターンを頭に入れておくと、読んだ瞬間に道具の候補が絞れると言います。
4つのサインさえ持っておけば、読みながら「あ、これだ」って反応できそうです。
親和図法:意見がバラバラで全体像を整理したいとき
講師は、4つのサインに対応する道具を順番に整理していきます。1つ目のサイン、意見がバラバラで全体像を整理したい場面で使うのが親和図法です。漠然とした意見や事実を、似たもの同士でグループ化して、そこから特徴や新しい発想を得る道具です。
それって、たとえば文化祭の出し物を決めるときに、みんなが付箋に思いつきを書いて、それを似た系統でまとめていく、あの感じに近いですか?
まさにそのイメージです。バラバラな意見をいきなり結論にせず、一度グループ化して見えてくる傾向をつかむ、という発想です。本番では「意見が錯綜している」という記述を見た瞬間に、この道具を思い出してください。
連関図法と系統図法:原因を整理する道具と、解決策を具体化する道具
2つ目のサイン、原因と結果が絡み合っているときの道具は連関図法です。複雑にからみあった原因と結果の関係を整理して、根本原因を明らかにする道具で、「なぜ起きたのか」を突き詰めたいときに使います。
聞き手が、原因を整理したあとは解決策を考える段階になるが、そこでも別の道具があるのかと尋ねると、講師は系統図法を挙げます。目的を達成するための手段を、段階的に掘り下げて具体化し、解決策を決定する道具です。
連関図法が「なぜ起きたか」を整理する道具だとすれば、系統図法は「どう解決するか」を具体化する道具、という違いです。
あ、そこ、私まさに混同してました。原因を整理する道具と解決策を具体化する道具、名前だけ見るとどっちがどっちか分からなくなります。
そこは実際、受験生がつまずきやすいポイントです。「連関図法は過去を振り返る道具」「系統図法は未来の手段を組み立てる道具」と、時間の向きで覚えると区別しやすいです。
系統図法を実際に使うイメージを聞かれた講師は、生産現場の改善で言えば、と続けます。「不良品を減らす」という目的から、「検査工程を増やす」「作業手順書を見直す」というように、手段を段階的に枝分かれさせて具体化していくイメージです。目的から手段へ、上から下に掘り下げていく道具だと思ってください、と講師は言います。
なるほど、それは覚えやすいです。ほかにも道具はありますか?
マトリックス図法とマトリックスデータ解析法:扱う情報の種類で使い分ける
講師が次に挙げるのは、複数の要素同士の対応関係を表形式で整理したいときのマトリックス図法と、数値化したデータをマトリックスの形で分かりやすく整理したいときのマトリックスデータ解析法です。
マトリックス図法とマトリックスデータ解析法、名前が似ていて混同しそうです。
違いは扱う情報の種類です。マトリックス図法は担当者と工程の組み合わせのような、言葉同士の対応関係を表に整理する道具。マトリックスデータ解析法は、すでに数値化されたデータをマトリックスの形にして、傾向を見やすくする道具です。表の形は似ていても、中身が言葉の対応関係か数値データかで使い分けます。
| 道具 | 中身 |
|---|---|
| マトリックス | 言葉同士の対応関係(担当者と工程の組み合わせなど)を表に整理 |
| マトリックス | すでに数値化されたデータをマトリックスの形にして傾向を見やすくする |
アローダイヤグラム法とPDPC法:日程と、想定外の事態への備え
聞き手が、残りの日程の話と想定外の事態の話を促すと、講師が続けます。作業の順序関係を矢印で示して、最適な日程を決定する道具がアローダイヤグラム法です。引っ越しの準備で、荷造りと業者手配と搬出をどの順番で進めれば一番早く終わるか考える、あの感覚に近いと講師は言います。
想定外の事態への備えがPDPC法です。計画の実行過程で起こりうる不測の事態をあらかじめ想定して、対応策を用意しておく道具です。旅行の計画を立てるときに、「もし電車が遅れたらこう動く」まで決めておく、あのイメージだと講師は説明します。
7つの道具をつなぐ一本の軸
こうして並べてみると、7つとも「言葉の情報を、管理者がどう整理・計画するか」という一本の軸でつながってるんですね。
そうです。名前を単体で暗記するのではなく、この軸で位置づけを覚えておくと、本番でも思い出しやすくなります。
答案の型:状況→手法名→効果
聞き手が、実際に答案を書くときはどういう型で書けばいいのかと尋ねると、講師は、型はシンプルだと答えます。
- まず、与件文が示している状況を特定します。意見の整理なのか、原因の整理なのか、計画の具体化なのか、日程の調整なのか、リスクへの備えなのか。
- 次に、その状況に対応する手法名を挙げます。
- 最後に、その手法を使って何が整理・決定でき、どう改善や実行につながるかを一言添えます。
QC7つ道具のときと同じ考え方ですね。
そうです。手法名の暗記だけで終わらせず、与件文の状況との対応関係を示すことが評価される書き方です。状況→手法名→効果、この3ステップを崩さないでください。
私、以前は手法名だけ書いて満足してました。状況と効果まで書いて、はじめて説明として成立するんですね。
そこが得点差になりやすいところです。
混同・誤答しやすいポイント
講師は、最後に混同・誤答しやすいポイントを整理しておきましょうと言います。聞き手が「さっきの連関図法と系統図法以外にもありますか?」と尋ねると、講師はあと2つ押さえてほしいと答えます。
1つは、QC7つ道具と新QC7つ道具そのものの混同です。QC7つ道具は数値データを扱い現場のスタッフが使う道具、新QC7つ道具は言語データを扱い管理者やスタッフが使う整理・計画の道具、という違いを取り違えないことです。
もう1つは?
アローダイヤグラム法を、単なる作業一覧の整理だと誤解してしまうパターンです。実際には作業の順序関係や所要時間を踏まえて、最適な日程、いちばん短いスケジュールを決めるための手法です。一覧を作って終わりではなく、最適化まで踏み込む道具だと覚えておいてください。
| 誤り | 正しい理解 |
|---|---|
| QC7つ道具と新QC7つ道具の混同 | 数値データ・現場のスタッフか、言語データ・管理者やスタッフか |
| アロー | 順序関係や所要時間を踏まえ、最適な日程を決める |
まとめ
今日で、7つの道具がバラバラの暗記じゃなくて、1本の流れとして頭に入りました。
講師が最後にまとめたチェックポイントです。
チェックポイント
- 与件文に4つのサイン、意見の錯綜、原因の複雑さ、計画の段取り、想定外への備えのどれかが出ていないか探すこと
- そのサインに対応する道具を結びつけること:意見整理は親和図法、原因整理は連関図法、解決策の具体化は系統図法、対応関係の整理はマトリックス図法とマトリックスデータ解析法、日程決定はアローダイヤグラム法、不測の事態への備えはPDPC法
- 答案では、状況の特定、手法名、効果の3ステップを必ず書くこと
聞き手は「状況を見つけて、道具を選んで、効果まで書く。この流れを本番でそのまま再現できるように、しっかり練習しておきます」と話します。講師は「それができれば、新QC7つ道具はもう怖くありません。今日整理した4つのサインと3ステップを、ぜひ次の演習で試してみてください」と締めくくります。
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