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中小企業診断士 1次試験

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PQ分析の基本『工場で作るすべてのものを分類・分析し、どのようなレイアウトを組み、どのような生産方式を採用すべきか』

運営管理 第49回

運営管理・生産方式・現場改善 00416分45秒2026年2月22日公開

「PQ分析は、単なる無機質なグラフや分類の話ではありません。工場の中でどのようなレイアウトを組み、どのような生産方式を採用すべきかを決めるための、きわめて実践的な羅針盤なんです」。動画はこんな切り出しから始まります。このページでは動画の流れにそって、PQ分析のPとQ、グラフの描き方と読み方、A・B・Cグループごとのレイアウトと生産方式(製品別・グループ別・機能別)を、補足の数値例や資料による言い方の違いも添えてまとめました。まず動画を聞いて、あとからここで復習するのがおすすめです。

PQ分析は「工場の羅針盤」

動画は、こんな切り出しから始まります。PQ分析は単なる無機質なグラフや分類の話ではなく、工場の中でどのようなレイアウトを組み、どのような生産方式を採用すべきかを決めるための、きわめて実践的な羅針盤なのだ、と。工場管理というと、無機質な機械がただ並んでいる光景を想像しがちですが、その配置の1つ1つに明確な意味がある、というわけです。

PQ分析のPはProduct(製品)、QはQuantity(生産量)です。この「製品」と「生産量」という2つの軸で、工場で作るあらゆるものを分類・分析していく手法が、PQ分析です。

(補足:動画にない話です。PQ分析は、工場のレイアウト計画の代表的な手法SLP(Systematic Layout Planning)の一段階です。専門媒体(MONOistの連載)の解説では第2ステップとされています(ステップの数え方は資料で異なる可能性があり、原典での確認はできていません)。同じ解説では、PQ分析で基本的なレイアウト構想を立て、次にものの流れ分析で工程間の関連を調べる、という順序で説明されています。)

グラフの描き方:縦は「量」、横は「種類」

まず頭の中に大きなグラフを思い描きます。縦軸には生産量のQを取り、上へ行くほど、工場でたくさん作っていることになります。横軸には製品のPを取り、生産量が多い順に左から右へ並べます。

すると、いちばん左には、その工場で最もたくさん作っている「エース製品」が来ます。右へ行くほど少ししか作らない製品が並ぶので、グラフ全体は右肩下がりの滑り台のようなカーブになります。これがPQ分析の基本の形です。

Q(生産量)アイウエオカキクケコ右肩下がりのカーブになるA少種多量B中間C多種少量P(製品の種類・生産量の多い順に左から右へ)
横軸は製品の「数」ではなく「種類」。左から多い順に並べ、A・B・Cの3つに分けます。

ここで動画は、一次試験の出題者がよく仕掛けてくる罠を指摘します。それが、次のやりとりです。

縦が生産量で、横が製品で、右肩下がり。シンプルに聞こえますが、どこに引っかけがあるんでしょう。

横軸です。横軸は製品の「種類」であって、製品の「数」ではありません。縦軸が数を表しているので、横軸まで数を数えているように思ってしまう人が多いんです。

横軸に並んでいるのは、製品A、製品B、製品Cというように、名前の違う製品のバリエーション、つまり品目なんですね。1個、2個と総数を数えているわけではない。

そのとおりです。縦軸はどれだけ作るかの「数」、横軸は何を作るかの「種類」。ここは超重要なので、引っかからないでください。

(補足:動画にない話です。専門媒体の解説では、縦軸の単位は目的に応じて年・期・月・週などから選び、横軸は単一の機種でも製品グループ(ファミリー)でも、目的で使い分けるとされています。どちらでも、横軸が「何種類あるか」を表す点は変わりません。)

数値例で描いてみる(補足)

動画は数値を使わずに説明していくので、ここからは補足として、筆者が作った数値例で流れをつかんでおきましょう(実在の統計ではない)。ある工場が10品目を作っていて、月産量が多い順に、ア3,000個・イ2,000個・ウ1,500個・エ1,000個・オ700個・カ600個・キ500個・ク300個・ケ200個・コ200個だとします。合計は10,000個です。上の図は、この数値で描いたものです。

区分品目月産量(累計の割合)
Aア・イ(品目の20%)5,000個(累計50%)
Bウ・エ・オ(品目の30%)3,200個(累計82%)
Cカ〜コの5品目(品目の50%)1,800個(累計100%)

検算すると、5,000+3,200+1,800=10,000個です。品目の2割(2品目)で生産量の半分を占め、品目の半分(5品目)を占めるCは、生産量では2割に満たない(18%)ことがわかります。PQ分析の典型的な形です。

なお、A・B・Cの区切りの位置に、全国共通の決まった%はありません。参照した専門媒体の説明では、生産量の多い順に並べて3つに分け、各グループの特性を分析するとされているだけで、区切りの数値は示されていません。実務では、曲線の段差や落ち込み方を見て決めます。上の表の区切りも、あくまで一例です。

Aグループ:少種多量は「製品別レイアウト」とライン生産

グラフを左から順に、A・B・Cの3つのグループに分けていきます。売上分析で使うABC分類によく似た考え方です。

まず、いちばん左にそびえ立つAグループです。横軸で見ると幅はほんのわずか、つまり製品の種類は非常に少ない。しかし縦軸は非常に高く、生産量は圧倒的に多い。これを少種多量生産といいます。少ない種類のものを多量に、毎日毎日同じものをひたすら大量に作り続けるイメージです。

このAグループにもっとも適しているのが、製品別レイアウトという工場配置と、ライン生産という生産方式です。ベルトコンベアに乗って、同じ形の自動車や家電が次々に流れていく、あの光景がライン生産です。

どうしてAグループにはその形が適しているんですか。

毎日同じものを大量に作るなら、あちこち機械を移動するより、最初からその製品を作るためだけの専用の道を作ってしまったほうが無駄がないからです。材料の投入から完成まで、必要な機械を工程の順に一直線に並べる。これが製品別レイアウトです。

その製品のためだけの、専用VIPルートを作るようなものですね。理由がわかると、ただの暗記じゃなくなります。

他の製品を作ることは一切考えないので、途中の待ち時間や物の運搬といった無駄が極限まで解消され、圧倒的な効率を生み出せます。

製品別レイアウト(Aグループ向き)材料切断溶接塗装完成工程の順に一直線・その製品だけの専用ライン機能別レイアウト(Cグループ向き)第1エリア切断第2エリア溶接第3エリア塗装製品X:切断 → 塗装製品Y:溶接 → 塗装同じ機能の機械を1か所に集め、製品のほうが移動する
上は「製品が決まっているので一直線」、下は「製品ごとに必要なエリアを渡り歩く」配置です。

(補足:動画にない話です。受験用のまとめ資料では、製品別レイアウトを「生産設備を原材料から製品までの工程に従って配置する型」とし、長所は運搬が少なく、仕掛品が少なく、工程管理が容易な点、短所は生産の変動に対応しにくく、一部の機械が故障するとライン全体が止まる点、と整理しています。JIS Z 8141(生産管理用語)は、ライン生産方式を「各作業ステーションに作業を割り付け、品物がラインを移動するにつれて加工が進んでいく方式」(流れ作業ともいう)と定義しています。)

Cグループ:多種少量は「機能別レイアウト」

次は、一気にグラフの右端、Aの対極にあるCグループです。グラフは随分低くなっていますが、横軸は右のほうまでずっと長く伸びています。縦軸の生産量はごくわずかで、1つの製品につき月に数個しか作らないかもしれません。しかし種類は非常に幅広く多岐にわたります。Aとは真逆の多種少量生産に向いている製品群です。

動画は、こんなたとえを出します。Aグループが同じものを100万個作るとしたら、Cグループは100種類の違うものをそれぞれ10個ずつ作るような世界だ、と。検算すると、Cのこの例の合計は100種類×10個=1,000個で、Aの100万個の千分の1です。あくまでイメージをつかむためのたとえ話で、実際の統計ではありません。

もしCグループにも専用ラインを作ったら大変です。月に数個しか作らない製品のために、巨大なベルトコンベアや専用設備を用意することになり、工場の中は、普段まったく動いていないほこりをかぶった専用ラインだらけになります。スペースの無駄であり、投資としても大失敗です。

そこで採用されるのが機能別レイアウトです。同じような機能を持つ機械や設備を、工場内の1か所にまとめて配置します。たとえば、材料を切削する機械はすべて第1エリア、部品を溶接する機械は第2エリア、塗装する機械は第3エリア、という具合です。部屋ごとに役割を固定するわけです。そして、製品のほうが必要に応じて各エリアを移動していきます。ある製品は切断と塗装だけで完成するので第1エリアから第3エリアへ、別の製品は溶接と塗装なので第2エリアから第3エリアへ、といった具合に、多種多様な製品が自分に必要な機能のエリアを柔軟に渡り歩きます。

月に数個しか作らない製品が100種類あっても、みんなで機械をシェアしているので、機械が遊んでしまうことはありませんね。でも、製品があっちこっちへ移動するなら、工場の中で交通渋滞みたいなことが起きそうです。

鋭い視点です。それが機能別レイアウトの弱点でもあります。物の運搬距離が長くなり、管理も複雑になります。Aグループのライン生産のような圧倒的なスピードや量産性は出せません。

それでも選ぶのはなぜですか。

Cグループでは、スピードよりも、どんな注文が来ても対応できる柔軟性のほうがはるかに重要だからです。少々の渋滞を許容してでも機能別レイアウトを選びます。

ひたすら効率を求めて一直線の専用ラインを作るAと、効率は落ちてもあらゆる注文に柔軟に応える交差点のようなC。極端な2つの戦略ですね。

(補足:動画にない話です。解説サイトでは、機能別レイアウトの長所として設備稼働率の高さや需要変動への柔軟さを、短所として運搬経路が複雑で長いこと、仕掛品が増えやすいこと、リードタイムが長くなりやすいことを挙げています。JIS Z 8141は生産形態の区分に「フロー型・ジョブショップ型」を挙げていて、受験用のまとめ資料は、機能別レイアウトをジョブショップ型、製品別レイアウトをフローショップ型に対応づけています。)

Bグループ:中間は「グループ別レイアウト」とグループテクノロジー

両極端のAとCは分かりやすいのですが、現実の工場では、取り残された真ん中のBグループがいちばん扱いにくいところです。生産量もそこそこ、種類もそこそこ。このどっちつかずの中間層に採用されるのが、グループ別レイアウトという第3の手法です。

動画は、グループ別レイアウトを、ある資料の定義に沿って次のように説明します。グループテクノロジーを用いて、製品間で共通な工程とすることが可能な部分は共通ラインとすることで、製品別ラインに近い形で生産が行えるようにしたレイアウト、というものです。少し長いので、動画ではすぐに具体例で噛み砕いています。

グループテクノロジーを使って共通ラインを作る、というのは、どういう状況ですか。

木製の椅子と木製のテーブルを作っているとしましょう。形も大きさも違う別の製品です。でも作る工程を細かく見ていくと、どちらも最後は、表面にやすりをかけてニスを塗りますよね。

最終的な形は違っても、やすりがけをしてニスを塗る作業そのものは同じですね。

そこに目をつけるのがグループテクノロジーです。バラバラな製品の中から、共通する加工のプロセスや似ている手順を見つけて、1つのグループにまとめます。そして、やすりがけからニス塗りの部分だけ、Aグループのような一直線のラインにしてしまう。これが共通ラインです。

専用ラインを作るほどの量はないのでAにはなれない。かといってCのように毎回工場中を移動させては効率が悪い。だから似ている作業だけをライン化するんですね。

椅子の加工テーブルの加工共通ラインやすりがけニス塗り似た工程だけ一本のラインに最終の形が違っても、共通する工程はまとめられる
木製の椅子とテーブルの例。違う製品でも、やすりがけ→ニス塗りは同じ流れにできます。

こうして、多種多様な製品を扱いながら、部分的にはAグループの製品別レイアウトに近い、効率のよいライン生産の恩恵を受けられます。生産量と種類のバランスという現実的な悩みを、知恵と工夫で解決したのが、グループ別レイアウトなのです。

(補足:動画にない話です。JIS Z 8141(生産管理用語)は、グループテクノロジーを「多種類の部品を、その形状・寸法・素材・工程などの類似性に基づいて分類し、多種少量生産に大量生産的効果を与える管理手法」と定義しています。似た部品のまとまりを「部品ファミリー」、その加工に使う機械の組を「機械セル」と呼び、ファミリーをセルで作る形をセル生産(cellular manufacturing)と呼ぶ、という説明もあります。)

3グループの早見表

区分グラフの特徴レイアウトと方式
A種類は少なく、生産量が圧倒的(少種多量)製品別レイアウト、ライン生産。専用の一直線
B種類も量も中間グループ別レイアウト。共通工程を共通ライン化
C種類が多く、1つあたりは少量(多種少量)機能別レイアウト。柔軟性を重視

動画のたとえ:自分の仕事をPQで分けてみる

動画の最後は、PQ分析の考え方を自分の毎日の仕事に当てはめてみよう、という問いかけです。毎日大量にこなすメール処理のようなルーティンワークはAグループで、専用のラインを敷いて、無意識にこなせるようにしておくべきだ、と。一方、たまにしか発生しない複雑な企画書の作成やトラブル対応はCグループで、その都度、頭の中の機能を柔軟に組み合わせて対応する。自分のタスクをPとQの軸で分けたら、デスクのレイアウトや仕事の進め方はどう変わるでしょうか。

資料による言い方の違い(補足)

ここからは、動画にない補足です。参考書や解説サイトによって、言い方や対応づけが少しずつ違うので、整理しておきます。

個別生産・ロット生産・連続生産との対応。JIS Z 8141は、個別生産を「個々の注文に応じて、その都度1回限りの生産を行う形態」、連続生産を「同一の製品を一定期間続けて生産する形態」、ロット生産を「品種ごとに生産量をまとめて複数の製品を交互に生産する形態」で、個別生産と連続生産の中間的な形態、と定義しています。おおまかな目安としては、Aは連続生産寄り、Cは個別生産寄り、Bはロット生産寄りと考えると整理しやすいのですが、規格がこの対応を定めているわけではなく、資料によって組み合わせの説明は異なります。

Cグループの答え。動画はCに機能別レイアウトを当てています。専門媒体(MONOISTの連載)は、Aは単一の専用量産ラインで製品別レイアウト、Bは混合生産または混流ラインでグループ別レイアウト、と動画と同じ並びで説明しますが、Cについては、少人数での生産や一人生産方式などの自己完結型の生産方式が一般的だと説明し、レイアウト名は原文で「機種別レイアウト」と書かれています(機能別の誤記かどうかは確認できませんでした)。Cへの答えは、機能別一本とは限らないことになります。

用語のゆれ。解説サイトのなかには、工程の順に並べる型を「工程別レイアウト(ラインレイアウト)」と呼びつつ、見出しで「機能別レイアウト(製品別レイアウト)」と併記しているものもあり、用語がそろっていません。名前だけで丸暗記せず、「工程順に一直線」「同じ機能の機械を集める」「似た製品を束ねて共通ラインにする」という並べ方の説明で覚えておくと安全です。

カーブの形。専門媒体の解説では、PQ曲線の右下がりが急で、2つか3つの異なる生産方式に分類できるときに、PQ分析が効果的に使えるとされています。逆に、カーブがなだらかで特徴的な分類ができないときは、PQ分析は不向きです。

右下がりが急ほぼ平ら2〜3の方式に分けやすい分け方がはっきりしないPQ分析が効くPQ分析は不向き
カーブの形しだいで、PQ分析が使えるかどうかが変わります。

PQ分析は一つの指標。解説サイトでは、最終的な生産方式の決定は、製品の特性、コスト、納期、企業の戦略なども総合して行う、とされています。

(なお、中小企業基盤整備機構や日本能率協会の資料、JIS Z 8141の現行版(2022年版)の本文は、今回は確認できませんでした。ここで引いた規格の定義は2001年版のものです。)

まとめ

  • PQ分析のPは製品、Qは生産量。縦軸が生産量、横軸が製品の種類(数ではない)。生産量の多い順に並べると、右肩下がりのグラフになる。
  • グラフを左からA・B・Cの3つに分ける。区切りの%に決まりはなく、曲線の形で決める。
  • A(少種多量)は、専用の一直線を作る製品別レイアウトでライン生産。
  • C(多種少量)は、同じ機能の機械を集めて製品が渡り歩く機能別レイアウト。運搬と管理は大変だが、柔軟性が武器(動画の整理。資料によってはCを自己完結型の生産とするものもある)。
  • B(中間)は、グループテクノロジーで共通工程を束ねるグループ別レイアウト。
  • PQ分析は、何を、どれだけ作っているかで、取るべき最適な選択肢が変わることを教えてくれる。工場に限らず、ビジネス全般の戦術の最適化に通じる考え方。

動画のとおり、ただの丸暗記ではなく「なぜそのレイアウトなのか」の理由と一緒に覚えておけば、本番でPQ分析の問題が出ても落ち着いて答えられます。試験直前のおさらいは、動画の整理では「縦は量、横は種類。A=製品別、B=グループ別、C=機能別」の一行です。

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