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中小企業診断士 1次試験

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QC7つ道具|品質管理や現場の課題解決の代表的な7つの手法

運営管理 第28回

運営管理・設備・品質管理 0058分24秒2026年3月1日公開

「品質管理の現場で、問題解決の武器になる代表的な7つの手法」。動画は、QC七つ道具をこう紹介します。このページでは、動画の流れにそって、層別・ヒストグラム・チェックシート・パレート図・散布図・管理図・特性要因図の7つを、目的と読み方、試験での押さえどころとあわせてまとめました。まず動画を聞いて、あとからここで復習するのがおすすめです。

QC七つ道具は、現場の問題を解くための7つの手法

動画は、品質管理の現場で問題解決の武器になる代表的な7つの手法、QC七つ道具を紹介します。不良の原因を分析し、改善を考えるための実践的なツールで、データを図や表にして、誰もが問題点を直感的に捉えられるようにしているのが特徴です。

ただし、7つもあると覚えるのが大変です。そこで動画は、まず語呂合わせを紹介します。「サンチ家監督引っ張れそう」。頭文字を順に拾うと、散布図・チェックシート・管理図・特性要因図・ヒストグラム・パレート図・層別の7つになります。動画は、次の順に1つずつ見ていきます。

  • 層別:データを意味のあるグループに分ける。
  • ヒストグラム:データのばらつきを、山の形で見る。
  • チェックシート:データを集める、点検項目を確かめる。
  • パレート図:重要な問題を絞り込む。
  • 散布図:2つのデータの関係を見る。
  • 管理図:工程が安定しているかを時系列で見張る。
  • 特性要因図:原因の候補を体系的に整理する。

なお、数値で表しにくい問題を言葉で整理する新QC七つ道具は別の7手法で、別の講義ページで扱います。

(補足:使う流れに並べると、次の図のようになります。動画にはない整理です。)

集めるチェックシート記録用紙で、漏れなくデータを集める分ける層別機械別・作業者別などに分けて比べる絞るパレート図影響の大きい問題を見つける原因を探す特性要因図原因の候補を魚の骨の形で整理する調べる・見張るヒストグラム・散布図・管理図ばらつき・関係・安定状態を確かめる
使う流れに並べた一例です(動画にはない整理です)。

層別:ごちゃ混ぜのデータを、意味のあるグループに分ける

最初は層別です。ある製品の不良データを分析するとき、ただ眺めていても、なかなか分かりません。そこで、機械別、作業者別、時間帯別などにグループ分けして比較します。すると、どの要因が問題に大きく影響しているのかが見え、原因を探る糸口になります。

層別は、データを分けるだけの作業に聞こえますが、それで何が分かるのですか。

全体の平均だけでは隠れる差が、分けると見えてきます。不良が多いのは特定の機械か、特定の時間帯か。違いが見つかれば、そこが原因を探す場所です。

(補足:JIS Q 9024は、層別を「収集したデータを、共通点をもつ幾つかのグループに分類する技法」とし、グループ間の違いを見つけて、ばらつきの原因を分析するために使う、と説明します。分ける観点は、動画のほか、曜日別や原料のロット別なども使われます。)

ヒストグラム:山の形で、ばらつきと混ざりものを見抜く

ヒストグラムは、データのばらつき具合を視覚的に把握するためのグラフです。棒グラフが山のようになった形を想像してください。正常なデータなら、中央がいちばん高いきれいな山型になります。そして、山の横幅が広いほどばらつきが大きい、ということです。

山が1つ山が2つふつうの山型平均のまわりに集まる性質の違う2群が混ざっている疑い幅が広いほどばらつきが大きい例:午前と午後2台の機械の混在
山の形を見るのがヒストグラムの読み方です。二山型は層別のきっかけになります。

ここで重要なのが、山が2つできている場合です。性質の異なる2種類のデータが混在している可能性のサインだと動画は言います。午前と午後で作業条件が違う、2台の異なる機械のデータが混ざっている、といった隠れた要因を見つける手がかりになります。

山が2つあったとき、次は何をすればよいのでしょうか。

さっきの層別の出番です。機械別や時間帯別に分けてヒストグラムを描き直せば、どの条件で山がずれているのかが見えます。道具は、組み合わせて使います。

(補足:JIS Q 9024は、ヒストグラムの使い道を、分布の形で工程の異常に気づく、中心傾向で規格に合っているか確かめる、層別して偏りやばらつきを見つける、と整理します。棒グラフとの違いは、JIS Z 8101-1では、ヒストグラムは面積が度数に比例する隣り合う長方形のグラフ、棒グラフは長方形を近接させる必要がない名義尺度のグラフです。)

チェックシート:データ収集の信頼性を支える、いちばんシンプルな道具

チェックシートは、データを集めたり、点検項目を確かめたりするための表です。不良の項目や発生場所をあらかじめリストにしておき、正の字でカウントしていくような、とてもシンプルなものです。動画は、ここで集めたデータが、ヒストグラムやパレート図の基礎になると説明し、簡単だけれど、データ収集の信頼性を担保する重要なツールだと強調します。

種類使い方例
記録・調査用項目ごとの発生件数を記録し、どこに集中しているかを見る不良の種類を正の字で数える
点検・確認用確認項目を1つずつチェックして、抜け漏れを防ぐ作業手順や安全確認の一覧

(補足:JIS Q 9024は、チェックシートを「計数データを収集する際に、分類項目のどこに集中しているかを見やすくした表又は図」とし、層別データの記録用紙になること、点検漏れの防止にも使えることを述べます。なお動画は「ヒストグラムの基礎にもなる」と言いますが、JISの説明は計数データが中心で、パレート図が典型です。ここは「データを集める入口の道具」という広い意味で受け取ると安全です。)

パレート図:重要な問題はどれかを、ひと目で特定する

パレート図は、重要な問題は何かを特定するための図です。「不良原因の8割は、全原因の2割から生じる」といった、いわゆる80対20の法則を可視化するのに役立つ、と動画は話します。作り方は、項目を件数の多い順に左から棒グラフで並べ、同時に累積比率を折れ線で示すこと。最も影響の大きい要因が一目で分かります。

これで改善の優先順位がつき、限られた資源で効果的な対策を打てます。

(補足:動画にない数値例です。不良100件の項目別の件数と、累積比率(上から順に足して全体で割った値)です。)

不良項目件数累積比率
キズ42件42%
寸法不良26件68%
汚れ14件82%
変形10件92%
その他8件100%
件数累積キズ42件寸法不良26件汚れ14件変形10件その他8件80%42%68%82%92%100%
棒は件数、折れ線は累積比率。左の数項目で全体の大半を占めます(数値は説明用の例)。

この例では、上位2項目(キズと寸法不良)で68%、3項目目で82%に達します。5項目のうち3つに絞れば、不良の約8割に対応できる、という見方です。

80対20は、いつもその比率になるのですか。

いえ、経験則で、目安です。大切なのは比率そのものではなく、少数の項目に影響が集中していないかを確かめて、対策を絞ることです。

(補足:JIS Q 9024は、パレート図を「項目別に層別して、出現頻度の大きさの順に並べるとともに、累積和を示した図」と定義し、データ収集にはチェックシート、絞った後の原因探しには特性要因図を使う、と書きます。ABC分析との関係は、JIS Z 8141が、在庫品目を金額や量の大きい順にA・B・Cに区分する分析をABC分析、品目の代わりに欠点や不良の項目をとった重点管理の分析をパレート分析と呼ぶ、としています。同じ考え方で、対象が違います。ABCの区分の目安や80対20の由来は、資料で説明が食い違います。)

散布図:2つのデータの関係を見る。ただし因果とは限らない

散布図は、2つのデータの関係性、つまり相関関係があるかどうかを見る図で、点をプロットしていきます。たとえば、気温とアイスクリームの売上のように、一方が増えるともう一方も増える、あるいは減る、といった関係があるかを視覚的に確認できます。全体の傾向から大きく外れた特異な点がないか、層別する必要がないかも確認できます。

形点の並び例
正の相関右上がりに並ぶ気温とアイスの売上
負の相関右下がりに並ぶ気温と暖房器具の売上
相関なしばらばらで傾向がない気温と文房具の売上

ここで注意点があります。一見関係がありそうに見えても、実は因果関係がない見せかけの相関(疑似相関)です。動画が挙げるのは、ビールの売上と熱中症患者の発生数の例。どちらも夏に増えるので相関があるように見えますが、直接の因果関係はありません。背景に、気温の上昇という共通の要因が隠れているだけです。相関が見られたからと言って、すぐにこれが原因だと結論づけるのは危険です。

点がきれいに右上がりに並んでも、原因とは言えないのですね。

そのとおりです。散布図で分かるのは、関係があるかどうかまでで、どちらが原因かは示しません。共通の要因が隠れていないかを、まず疑います。

(補足:総務省統計局の学習サイトも、散布図で分かるのは関係の有無だけで、因果関係は示さないとし、血圧と給料の例(共通の要因は年齢)を挙げます。JIS Q 9024は、無相関に見えても層別して作り直すと相関分析が進むことがある、と書きます。上の表の例は説明用です。)

管理図:工程が安定しているかを、時系列で見張る

管理図は、データの変動を時系列でプロットして、プロセスが安定した状態にあるか、異常がないかを確認するための図です。データがこの範囲内なら正常と判断する上限(UCL)と下限(LCL)、そして中心線(CL)を引き、時系列でデータを打点していきます。

UCLCLLCL限界の外 → 異常のサイン時間(サンプル番号)の順に打点限界の内側でも、片側に連続して偏る連続して上昇・下降する並びは、異常を疑う
点が限界を外れるだけでなく、点の並び方の規則性も見ます。

点が限界線を超えれば、もちろん異常です。しかし、それだけではありません。点の並び方の規則性も見ます。点が限界線の内側にあっても、中心線の上側か下側に連続して偏っていたり、連続して上昇・下降の傾向にあったりすれば、偶然とは考えにくく、何らかの要因がプロセスに影響を与えているサインかもしれません。こうして、問題の兆候を早期に発見できます。

サイン見え方疑うこと
限界の外1点がUCL・LCLを外れる異常な原因
偏り片側に連続して並ぶ平均の移動
傾向連続して上昇・下降する摩耗・劣化など

(補足:動画の「範囲内なら正常と判断する」は、少し誤解を招く言い方です。管理限界は、規格の上限・下限ではなく、実際の工程データから計算して決めます(JIS Z 8101-2)。製品が規格に入っているかと、工程が安定しているかは別の話です。シューハート管理図では、限界線を中心線から両側へ3シグマの距離に引き、正規分布を仮定すると約99.7%の点が限界内に入ります。安定していても約0.3%(1000回に3回ほど)は外れます(JIS Z 9020-2)。2シグマの線は警戒限界です。)

(補足:JIS Z 9020-2は、限界外の点、工程平均や変動の移動、系統的な傾向、周期的なパターンという4つの典型的な異常ルールを示します。動画の2つは、おおむね平均の移動と傾向に当たります。「何点連続したら異常」という点数は資料で違い(たとえばNelsonのルールは、片側に9点以上、増加または減少が6点以上)、JISの数字は今回確認できませんでした。点数より「並び方の異常も見る」という考え方を押さえましょう。)

(補足:動画にない数値例です。群の大きさ5のX̄-R管理図で、群の平均の平均が50.0、範囲の平均が2.0とします。係数はA2=0.577、D4=2.114、D3=0です。)

管理図式値
X̄管理図 UCL50.0+0.577×2.0約51.15
X̄管理図 LCL50.0-0.577×2.0約48.85
R管理図 UCL2.114×2.0約4.23
R管理図 LCL0×2.00(下限なし)

(補足:管理図は、データの種類で使い分けます。JIS Q 9024は、計量値データ(測った値)にはX̄-R管理図やX管理図、計数値データ(数えた値)にはp・np・c・u管理図などを挙げます。変動の原因は、プロセスに固有の偶然原因と、それ以外の異常原因に分かれ、管理図で見つけたいのは後者です。引用は、JIS Q 9024:2003年版、JIS Z 9020-2:2016年版です。JIS Q 9024は2026年に改正版が出たとされますが、本文は確認できておらず、ここでの引用は2003年版です。)

特性要因図:原因の候補を、魚の骨の形で整理する

最後は特性要因図です。1つの問題、つまり特性に対して、考えられる原因(要因)を体系的に整理していく図で、見た目から魚の骨(フィッシュボーンチャート)とも呼ばれます。解決したい問題点を魚の頭に置き、その原因を、魚の大きな骨として、人・機械・材料・方法などの大項目に分けます。さらに、それぞれの大骨に、より具体的な原因を小骨として書き込んでいきます。

不良が多い人経験が浅い手順を知らない機械刃の摩耗調整のずれ材料ロットの違い保管の状態方法手順書がない作業の順序
魚の頭に問題、大骨に4Mの分類、小骨に具体的な原因の候補を書きます。

こうすると、問題の構造が明確になり、原因の洗い出しや、チームでの議論の活性化に役立ちます。

大骨は、人・機械・材料・方法の4つに決まっているのですか。

この4つは代表的な分け方で、4Mと呼ばれます。ただ、決まりではありません。測定を加えて5Mとする資料もあります。現場の問題に合わせて分けて構いません。

(補足:JIS Q 9024は、特性要因図を「特定の結果(特性)と要因との関係を系統的に表した図」とし、因果関係を整理して原因を追究するために使う、と書きます。「魚の骨」や「4M」という言葉は、JISの本文には出てきません。開発者は石川馨で、日本科学技術連盟の資料は、魚の骨・イシカワ・ダイヤグラムとも呼ばれる、と書きます。開発の年は資料で説明が分かれ、一次資料では確認できませんでした。)

(補足:書き出したものは、あくまで原因の候補です。本当にそうかは、散布図や層別などで、データを使って確かめます。)

7つの数え方は資料で違う(補足)

動画の7つは「層別あり、グラフなし」の数え方ですが、資料によって顔ぶれが違います。試験で迷わないよう、並べておきましょう。

資料7つの顔ぶれ特徴
動画散布図・チェックシート・管理図・特性要因図・ヒストグラム・パレート図・層別層別を入れ、グラフは入れない
JIS Q 9024(2003年版)の注記パレート図・グラフ・チェックシート・ヒストグラム・散布図・管理図・特性要因図グラフを入れ、層別は入れない
福山平成大学の論文グラフ・管理図、ヒストグラム、チェックシート、パレート図、特性要因図、散布図、層別グラフと管理図を1つにまとめ、層別を入れる
民間の解説(@DIME)JISと同じ7つ層別は方法として捉えることが多い

(補足:JIS Q 9024(2003年版)は、特性要因図を言語データに対する技法の側に載せています。2026年の改正版でこの扱いが変わったかは、確認できていません。「旧=数値データ、新=言語データ」は大づかみな整理です。動画の最後の「データを言葉にするためのもの」も、その意味では大づかみで、旧QC七つ道具の多くは、数値データを図や表にして共通の認識を持つための道具、と読むと整合します。)

試験の注目点

7つの名前と、それぞれの使いどころの組み合わせが基本です。パレート図は「項目別に層別して、出現頻度の高い順に並べ、累積和を示した図」、特性要因図は「魚の骨」と、説明を取り違えないようにしましょう。(参考:令和4年度の運営管理 第11問は、QC七つ道具・新QC七つ道具の説明の正誤を選ぶ形で、パレート図の説明が正解でした。令和元年の第11問は、特性要因図を魚の骨とする選択肢が正解でした。いずれも予備校の解説など二次資料による確認で、公式の問題冊子の原文は確認していません。)

まとめ

手法使いどころ鍵
層別データを機械別・作業者別などに分けて比べる分ける
ヒストグラムばらつきを山の形で見る。二山型は混在のサイン山の形
チェックシートデータの記録と、点検の抜け漏れ防止集める
パレート図件数の多い順の棒と累積比率の折れ線で、重要な問題を絞る絞る
散布図2つのデータの相関を見る。因果とは限らない関係
管理図UCL・LCLと中心線で、工程の安定を時系列で見張る見張る
特性要因図原因の候補を魚の骨の形で整理する原因

動画の結びは問いかけです。仕事や学習の身近な問題を、どの道具で整理するか。原因だと思うことを特性要因図に書き出す、作業ミスをチェックシートで記録してパレート図で最多のミスを突き止める。見える化が、解決への第1歩になる、と動画は締めくくります。

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