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一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の違い|媒介契約の3類型を比較

宅建業法 03812分16秒2026年9月4日公開

「一般媒介契約と専任媒介契約の違い」「専任媒介契約と専属専任媒介契約の違い」は、名前が似ていて数字も多く、混ざりやすいところです。動画は、聞き手の「パッと見分けられません」という本音から始まり、見分け方を2つの質問に絞ります。このページでは動画の流れにそって、3つの媒介契約の違いを表と図で整理しました。まず動画を聞いて、あとからここで復習するのがおすすめです。

3行でいうと

  • 媒介契約は、「買ってくれる人(借りてくれる人)を探してください」と不動産会社に頼む契約です。頼み方で、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の3つに分かれます。
  • 3つの違いは2つの質問で見分けます。「他の不動産会社にも重ねて依頼できるか」「自分で見つけた相手と直接契約(自己発見取引)できるか」です。
  • しばりが強いほど、不動産会社の義務は重くなります。有効期間は3か月以内、業務の報告は2週間に1回/1週間に1回、レインズへの登録は7日以内/5日以内です。

媒介契約の違いは、たった2つの質問で見分けられる

家を売りたいけれど、買ってくれる人を自分で探すのは大変です。そこで不動産会社(宅建業者)に「買い手を探してください」と頼みます。この頼み方を決めた契約が媒介契約です。媒介契約とは、買い手(交換の相手)を探す仕事を業者に任せる契約のことで、宅建業法34条の2が、売買・交換の媒介契約についてのルールを置いています(貸借の媒介は、この条文の対象ではありません)。

動画は、聞き手の「3つとも名前が似ているし、3か月とか7日とか5日とか、数字もいろいろ出てきて、正直パッと見分けられません」という本音から始まります。そこで講師が出した答えが、「質問は2つだけ」です。

結論:①他の業者に重ねて依頼できるか、②自己発見取引ができるか。この2つで、3つのどれかに必ず行き着きます。

Q1 他の業者に重ねて依頼できる?できるできない一般媒介契約明示型・非明示型重ねて依頼OK自己発見取引もOKQ2 自己発見取引はできる?できるできない専任媒介契約自己発見OK専属専任媒介契約自由しばりが強い
質問は2つだけ。重ねて依頼できれば一般、できなければ自己発見取引の可否で専任と専属専任に分かれます。

自己発見取引って、なんですか?

自分で知り合いなどの買い手を見つけて、不動産会社を通さずに直接契約することです。専属専任媒介契約だけは、これができません。

質問が2つだけなら、試験でも迷わずに済みそうです。

3つが混ざった問題が出たら、まずこの2つの質問を頭の中で立てるのがコツです。

一般媒介契約には「明示型」と「非明示型」がある

重ねて依頼できるのが一般媒介契約です。そのなかで、他の業者にも頼んでいることを、依頼した業者に教える義務があるものを明示型、教える義務がないものを非明示型といいます。どちらも一般媒介契約であることに変わりはありません。媒介契約書面には、重ねて依頼することの許否と、許す場合に他の業者を明示する義務があるかどうかを書きます(34条の2第1項3号)。

一般・専任・専属専任の違いを一覧表で比べる

ここからは、動画の整理にそって、3つを5つの観点で横並びにします。観点は、①重ねて依頼・自己発見取引の可否、②有効期間、③業務処理状況の報告義務、④指定流通機構(レインズ)への登録義務、⑤申込みの報告です。

観点一般媒介専任媒介専属専任媒介
重ねて依頼媒介・代理ともできるできないできない
自己発見取引できるできるできない
有効期間上限規制なし3か月3か月
業務処理状況の報告義務なし2週間に1回以上1週間に1回以上
レインズへの登録義務なし7日以内休業日は除く5日以内休業日は除く
申込みの報告遅滞なく依頼者に報告(3つとも共通)

数字は宅建業法34条の2と、同法施行規則15条の10によります。「規制なし」は、法律に上限の定めがないという意味です(補足:国土交通省の標準一般媒介契約約款は、有効期間を「3か月を超えない範囲で、依頼者と業者が協議して定める」としています。法律の規制ではなく、約款による扱いです)。

重ねて依頼OK自己発見OK報告の義務なし登録の義務なし一般媒介重ねて依頼NG自己発見OK報告 2週間に1回登録 7日以内専任媒介重ねて依頼NG自己発見もNG報告 1週間に1回登録 5日以内専属専任媒介依頼者の自由が大きい業者の義務が重い
右の階段へ進むほど、依頼者の自由は減り、不動産会社の義務は重くなります。

表を縦に読むと、右へ行くほど「しばり」が強くなり、そのぶん不動産会社に課される義務も重くなっています。依頼者の自由と、業者の義務の重さは、いつも逆向きに動きます。

① 重ねて依頼・代理・自己発見取引

専任媒介契約と専属専任媒介契約は、他の業者に媒介を重ねて依頼できないだけでなく、代理を依頼することもできません。法律は専任媒介契約を「重ねて売買又は交換の媒介又は代理を依頼することを禁ずる媒介契約」としています(34条の2第3項)。「媒介はダメでも代理ならいけるかも」という抜け道はありません。

自己発見取引は、一般媒介と専任媒介ではOK、専属専任媒介だけがNGです。ちなみに条文には「専属専任媒介契約」という言葉は出てきません。「依頼者が、その業者が探索した相手方以外の者と契約できない旨の特約を含む専任媒介契約」という書き方になっています(9項のかっこ書き)。専属専任は、専任媒介契約に「自己発見取引の禁止」の特約がついたもの、と読み替えると条文で迷いません。

② 有効期間:専任・専属専任は3か月以内

一般媒介契約には、有効期間の規制がありません。専任と専属専任は3か月以内で、契約でこれより長く定めても、その期間は3か月になります(3項)。契約書に「半年間」と書いても、効力があるのは3か月分です。たとえば4月1日に契約すれば、7月1日ごろまでです。

更新はできますが、依頼者の申出が必要です(4項)。自動更新はできませんし、更新後の期間も、更新の時から3か月以内です。

3か月たったら、そのまま続けてもらうことはできないんですか?

続けたいなら、依頼者が申し出て更新します。業者が黙って3か月ごとに更新し続けることはできません。依頼者が主導権を持つしくみです。

③ 業務処理状況の報告:2週間に1回と1週間に1回

一般媒介契約に、定期的な報告の義務はありません。専任媒介契約は2週間に1回以上、専属専任媒介契約は1週間に1回以上、業務の処理状況を依頼者に報告します(34条の2第9項)。報告の方法について条文は決めていません。動画でも、書面ではなく口頭でもかまわないと説明されています。方法よりも、決まった頻度を守ることが大事、ということです。

1週間に1回と2週間に1回、専属専任はどっちでしたっけ?

しばりが強い専属専任のほうが、報告の間隔が短い1週間です。専任は2週間です。

④ レインズへの登録:7日以内と5日以内

レインズ(指定流通機構)は、国土交通大臣が指定した、不動産会社どうしが物件情報を共有するしくみです。一般媒介契約に登録義務はありません。専任媒介契約は契約日から7日以内、専属専任媒介契約は5日以内に登録します。この日数は、業者の休業日を算入しません(施行規則15条の10)。3か月や2週間のほうは休業日を除く話は出てこないので、除くのは登録期限だけ、と覚えておくと試験でねらわれやすい細かい点に強くなります。

① 契約日媒介契約書面を作って依頼者に交付(3類型共通)② 登録期限専任:契約日から7日以内専属専任:5日以内(休業日は除く)③ 期間中報告 専任:2週間に1回以上報告 専属専任:1週間に1回以上④ 3か月以内期間満了(長く定めても3か月)更新は依頼者の申出で・3か月以内
専任・専属専任の数字を、契約してからの時間の順に並べました。

⑤ 申込みの報告:ここだけは3つとも同じ

媒介の目的物について売買や交換の申込みがあったときは、遅滞なく依頼者に報告します(8項)。一般でも専任でも専属専任でも共通です。「3類型に共通する規制は?」と聞かれたら、まずこの申込みの報告義務を思い出しましょう。

レインズまわりの登録事項・証明書・成約通知

動画の後半は、レインズに登録するときの細かい話です。流れは「登録して、証明書が出て、成約したら通知する」の順です。

宅建業者(専任・専属専任)指定流通機構(レインズ)① 登録② 証明書③ 証明書を遅滞なく依頼者に引き渡す依頼者④ 契約が成立したら遅滞なくレインズへ通知登録番号・取引価格・成立年月日
登録、証明書、依頼者への引渡し、成約の通知の順です。

登録事項は5つ

  • 宅地建物の所在・規模・形質、売買すべき価額
  • 都市計画法などの法令に基づく制限のうち主要なもの
  • 取引の申込みの受付に関する状況
  • 専任媒介契約が交換の契約に係るときは、その宅地または建物の評価額
  • 専属専任媒介契約であるときは、その旨

1つ目は法律本体(34条の2第5項)に、2つ目以降は施行規則15条の11に書かれています。

登録証明書と成約の通知

登録すると、レインズから登録を証する書面が出ます。業者はこれを遅滞なく依頼者に引き渡します(6項)。依頼者の承諾があれば、書面の代わりにメールなどの電磁的方法で提供してもかまいません(12項)。

専任・専属専任で登録した物件の契約が成立したら、遅滞なくその旨をレインズに通知します(7項)。通知する事項は、登録番号・取引価格・契約成立年月日の3つです(施行規則15条の13)。

一般媒介は登録義務がないのに、通知の義務は出てくることがあるんですか?

動画では、ここがひっかけポイントだと説明されています。一般媒介でも、業者が自主的に登録した物件については、契約が成立したときに成約の情報を通知する、という整理です。登録する義務と、登録したあとの通知は、別の話なんです。

補足:法律上の通知義務(34条の2第7項、施行規則15条の13)があるのは、専任・専属専任で登録した物件です。一般媒介契約は、そもそも登録が義務ではないので、7項の対象外です。そのうえで、国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」は、一般媒介契約でも指定流通機構に登録した物件が成約したときは、機構の規程等に従って成約情報を通知するよう求めています。動画の整理は、この行政の運用とレインズの規程の話にあたります。「法律の義務として」と問われたときは、7項が専任・専属専任の登録について書かれている点に注意しましょう。

具体例:転職エージェントでたとえると

動画のたとえ

動画は、求人(転職活動)にたとえています。一般媒介契約は、複数の転職エージェントに同時に登録して、どこからでも紹介を受けられる状態。専任媒介契約は、1社の専任エージェントとだけ契約して、でも自分で知り合いのつてを頼るのはOKな状態。専属専任媒介契約は、その1社に完全にお任せで、自分で動くことも禁止された状態です。

これを依頼者の立場から見ると、選び方も見えてきます。自分でも動きたい、複数の業者に頼みたいなら一般媒介契約。1社にしっかり動いてほしい代わりに、こまめな報告とレインズへの登録という義務を課したいなら、専任か専属専任です。自由度と、業者の義務の重さは、いつも逆向きでした。

まとめ

  • 見分け方は2つの質問:重ねて依頼できるか→できれば一般。できなければ自己発見取引ができるか→できれば専任、できなければ専属専任
  • 専任・専属専任は、有効期間3か月以内。報告は2週間に1回/1週間に1回、レインズ登録は7日以内/5日以内(休業日は除く)
  • 申込みの報告は3つとも共通。レインズに登録したときの登録事項は5つ、成約の通知事項は登録番号・取引価格・契約成立年月日

試験ではここに注目

  • 専任・専属専任は、媒介だけでなく代理の依頼もできない。自己発見取引ができないのは専属専任だけ
  • 有効期間は3か月以内で、これより長く定めても3か月になる。更新は依頼者の申出があるときだけで、更新後も3か月以内
  • 数字の対応は、専任=2週間・7日、専属専任=1週間・5日。しばりが強いほど数字が小さい。登録期限は休業日を算入しない
  • 一般媒介契約には、有効期間の規制、定期報告の義務、レインズへの登録義務がない。共通で課されるのは、申込みがあったときの遅滞なく報告する義務
  • 条文では「専属専任媒介契約」とは書かず、「…できない旨の特約を含む専任媒介契約」と書く。専任の規制は、特約つきの専属専任にも当てはまる
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