聞き流しラボby kufu-yaWebテキストNEW
中小企業診断士 2次試験

知識ではなく、解き方を聞く。

1次試験の合格者に向けて、与件文の読み方、設問の切り分け方、解答の型を、事例ごとに解説します。

事例別の過去問解説重要論点講義ファイナルペーパー
診断士 聞き流しラボ 2次試験対策

協働型マーケティングと操作型マーケティング

事例Ⅱ 第22回

事例Ⅱ 優劣じゃない、強みで選ぶ姿勢の使い分け9分8秒2026年8月19日公開

「協働型マーケティングと操作型マーケティング、知識としては知っているけど、二次の現場でどっちを選べばいいか、意外と迷いませんか」。動画は、こんな問いかけから始まります。用語の意味は分かるのに、与件文を前にして手が止まる。このページでは動画の流れにそって、事例Ⅱでの問われ方、与件文の手がかり、差別化の焦点という見分けの軸、答案の型、やりがちな誤答をまとめました。まず動画を聞いて、あとからここで復習するのがおすすめです。

知識はあるのに、どっちで書くか手が止まる

動画は、講師のこんな問いかけから始まります。「協働型マーケティングと操作型マーケティング、知識としては知っているけど、二次の現場でどっちを選べばいいか、意外と迷いませんか」。聞き手は「まさにそれです」と即答します。用語の意味は分かるのに、与件文を読みながら「どっちで書けばいいのか」と、本番で手が止まってしまう。両方知っているのに、どちらを使うタイミングなのかが分からない。聞き手は、いつもそこで止まると打ち明けます。

講師は最初に、この論点の見方をそろえます。協働型と操作型は、企業が顧客とどう向き合うかという姿勢の話であって、どちらが優れているという話ではありません。事例企業の状況に合わせて、どちらの発想を使うかを見極める論点だ、というのです。

動画はこのあと、「使い分け」の部分を次の順で整理していきます。このページも同じ流れでまとめます。

  • 事例Ⅱでの問われ方は大きく3パターン
  • 与件文のどこを見れば気づけるか(手がかり)
  • 差別化の焦点という見分けの軸と、「操作型」という名前の由来
  • 見極めの手順と、答案に書く型
  • やりがちな誤答3つ

2つの姿勢:一緒に作る、提案して選んでもらう

講師が示した2つの姿勢は、次のとおりです。協働型は、顧客と一緒に商品やサービスを作り上げていく姿勢。操作型は、企業が用意した提案を、顧客に受け入れてもらう姿勢です。この2つが、事例Ⅱでは繰り返し問われる、と講師は言います。

姿勢の違い、ですか。

ええ。協働型は、顧客と一緒に商品やサービスを作り上げていく姿勢。操作型は、企業が用意した提案を、顧客に受け入れてもらう姿勢。この2つが、事例Ⅱでは繰り返し問われるんです。

ポイントは、どちらも「顧客に向き合う姿勢」の名前だということです。知識として覚えるだけでなく、与件文の企業がどちらの姿勢に向いているかを、答案の中で説明できるようにしておく。聞き手の「いつも止まる」は、まさにこの一歩手前の見極めの部分でした。

問われ方は3パターン

では具体的に、どんな問われ方をするのか。聞き手の質問に、講師は「大きく3パターンあります」と答えます。

中小企業が大手と違う強みを活かす提案協働型の発想が使われやすい自社ブランドや独自コンセプトを軸にした提案操作型の発想が使われるどちらの姿勢かを与件文の状況から判断させる与件文を読み解く力が問われる(一番厄介)
問われ方は3パターン。3つ目が一番厄介です。
  • 1つ目:中小企業が大手と違う強みを活かす提案を問う設問。ここでは協働型の発想が使われやすい。顧客との距離の近さや、個別対応力がその中身です。
  • 2つ目:逆に、自社ブランドや独自コンセプトを軸にした提案を問う設問。ここでは操作型の発想が使われます。
  • 3つ目:どちらの姿勢を取るべきかを、与件文の状況、つまり顧客との関係性や自社の強みから判断させる問題。

大手にはできない、小回りの効くところ、ってことですね。

そうです。2つ目は逆に、自社ブランドや独自コンセプトを軸にした提案を問う設問。ここでは操作型の発想が使われます。

ブランド力で攻める場合、ってことですね。

はい。3つ目は、どちらの姿勢を取るべきかを、与件文の状況から判断させる問題として出ることもあります。

講師は、この3つ目が一番厄介だと言います。設問がヒントをくれず、与件文を読み解く力そのものが問われるからです。聞き手も「ヒントが少ない中で自分で見極めなきゃいけない」と怖がります。

3つ目、怖いですね。ヒントが少ない中で自分で見極めなきゃいけないってことですよね。

そうです。だからこそ、与件文のどこを見ればいいかという着眼点を、体に染み込ませておく必要があるんです。

与件文の手がかり:協働型は3つ、操作型は2つ

聞き手が次に尋ねたのは、与件文のどこを見れば、どっちだと気づけるのかという点でした。講師が挙げた手がかりは、協働型が3つ、操作型が2つです。

協働型の手がかり 3つ操作型の手がかり 2つ担当者・従業員が顧客と直接やり取り要望を聞きながら一緒に作り上げるオーダーメイド・カスタマイズに対応自社ブランド・独自コンセプトが強み企業側から提案し顧客に選んでもらう
与件文の記述が、どちらの手がかりに当たるかを探します。

協働型の手がかりは次の3つです。

  • 顧客と接する担当者や従業員が、顧客と直接やり取りしている記述
  • 顧客の要望を聞きながら、商品・サービスを一緒に作り上げている記述
  • オーダーメイドやカスタマイズに対応している記述

なるほど、「一緒に作る」感じが出てる文章ってことですね。

そうです。

操作型の手がかりは次の2つです。

  • 自社ブランドや独自コンセプトを強みとして持っている記述
  • 企業側から一方的に新商品・新サービスを提案して、顧客に選んでもらう販売スタイルの記述

「提案する」「選んでもらう」っていう、企業が先に動いてる感じですね。

まさにそうです。

協働型は「一緒に作る」、操作型は「企業が先に動く」。この手触りの違いを、与件文の文章から拾っていきます。

差別化の焦点で見分ける

手がかりをさらに掘り下げて、講師は差別化の焦点という見分けの軸を示します。

協働型顧客と一緒に作り上げる姿勢差別化の焦点顧客と接する担当者顧客との関係を展開する場操作型企業の提案を受け入れてもらう姿勢差別化の焦点製品コンセプト(ブランド)焦点が「人・関係」か「ブランド・コンセプト」かで見分ける
違いは姿勢と、差別化の焦点です。優劣ではありません。

協働型は、差別化の焦点が「顧客と接する担当者」や「顧客との関係を展開する場」にあります。売り手と買い手がすり合わせをしながら、協働作業で商品・サービスを創造していく姿勢です。一方、操作型は、差別化の焦点が「製品コンセプト」、つまりブランドにあります。売り手が買い手に向けて製品やサービスを提案し、受け入れてもらえるように働きかける姿勢です。

見る点協働型マーケティング操作型マーケティング
姿勢一緒に作り上げる提案を受け入れてもらう
差別化の焦点担当者・関係の場製品コンセプト
与件文の強み接点・関係性ブランド・コンセプト

焦点が「人・関係」なのか、「ブランド・コンセプト」なのか、っていう軸で見るんですね。

そうです。この軸を持っておくと、与件文を読んだときに自然と手がかりが目に入るようになりますよ。

講師は、この軸が「操作型」という名前の由来にもつながっていると続けます。売り手が買い手に、提案を受け入れてもらえるように働きかける。つまり、買い手の選択を動かそうとする姿勢だから、操作型と呼ばれるのだそうです。

「操作」って聞くと、ちょっと怖い言葉に感じますけど、そういう由来なんですね。

そうなんです。あくまで自社の強みを軸に働きかける姿勢の名前であって、悪いニュアンスではないので、そこは誤解しないでくださいね。

見極めの手順:強みの置き場所を見る

聞き手が「実際に与件文を読むとき、どういう手順で整理すればいいんですか」と尋ねると、講師はまず最初の一手を示します。与件文の強みが「顧客との接点・関係性」にあるのか、「自社ブランド・コンセプト」にあるのかを見極めることです。

与件文の強みはどこにあるか顧客との接点・関係性が強み自社ブランド・コンセプトが強み協働型の発想操作型の発想「中小企業だから協働型」と決め打ちしない
まず強みの置き場所を見極めます。決め打ちはしません。
  • 顧客と接する担当者の強みや、個別対応力が強みとして描かれている → 協働型
  • 自社ブランドやコンセプトそのものが強みとして描かれている → 操作型

ここで聞き手が、イメージしやすい例を出します。オーダーメイドの洋服屋さんです。

たとえば、オーダーメイドの洋服屋さんをイメージするとどうですか。お客さんと生地や仕立てを相談しながら1着ずつ作っていくお店と、有名ブランドが「今季はこのデザインです」って新作を提案してくるお店、みたいな。

いい例えですね。前者が協働型、後者が操作型のイメージです。

講師は、中小企業の事例では、大手にはない個別対応力や、顧客との距離の近さが強みとして描かれることが多いので、協働型の発想が使いやすい場面が多い、と言います。では「基本は協働型で考えておけばいいのか」と聞き手が尋ねると、講師はここに注意点があると答えます。

じゃあ基本は協働型で考えておけばいいんですか。

いえ、そこが注意点です。与件文がブランド力や独自コンセプトを強調している場合は、操作型の発想も有効になります。「中小企業だから協働型」と決めつけず、与件文がどちらの強みを描いているかを、そのつど見極める必要があります。

思い込みで片方に決め打ちしないってことですね、気をつけます。

そこが本番で差がつくポイントです。

答案の型:強み、姿勢、効果

見極めたあと、答案にどう書くか。講師は「型があります」と言います。「〜という強み、顧客との接点や自社ブランドなどを活かし、〜という姿勢、協働型や操作型で顧客に向き合うことで、〜という効果を実現する」という組み立てです。聞き手が整理した通り、強み、姿勢、効果の3段構成になります。

① 強み顧客との接点や自社ブランドなどを活かし② 姿勢協働型や操作型で顧客に向き合うことで③ 効果〜という効果を実現する言葉を置くだけでなくなぜその姿勢が合うかまで書く
強み、姿勢、効果の3段構成。姿勢を選んだ理由まで書きます。

講師が「一番大事」と強調するのは、「協働型で行く」「操作型で行く」と言葉だけを置かないことです。なぜその姿勢がこの事例企業の強みに合うのかまで書くことで、答案の説得力がぐっと増します。

え、言葉を置くだけじゃダメなんですか。

ダメです。たとえば、さっきの洋服屋さんの例で言うと、「協働型で行く」とだけ書くのと、次のように書くのとでは、説得力が全然違いますよね。

洋服屋さんの例で書き比べ

  • 言葉だけ:「協働型で行く」
  • 理由までつなぐ:「お客さんと直接やり取りする担当者がいて個別対応力があるという強みを活かし、協働型で顧客と一緒に商品を作り上げることで、大手にはできない満足度を実現する」

たしかに、後者の方が「なぜ」がちゃんと書いてありますね。

そうです。与件文の強みから姿勢の選択、そして効果まで、この因果関係を丁寧につなぐことが、この論点の解答の核なんです。

つまり、この論点の答案は、与件文の強み、選んだ姿勢、実現する効果が一本の線でつながっているかどうかで決まります。姿勢の名前を知っていることは出発点にすぎません。

やりがちな誤答は3つ

聞き手が「逆に、やりがちな誤答ってどんなパターンですか」と尋ねると、講師は3つ挙げます。

1つ目は、協働型マーケティングを、単なる「顧客対応の丁寧さ」と混同することです。協働型の本質は、顧客と一緒に商品・サービスを創造していく点にあります。ただ丁寧に接客するだけとは違います。

あ、それ私やりそうです。「親身に対応してます」で協働型って書いちゃいそうです。

そこなんです。丁寧さだけだと、一緒に作り上げてる根拠にはならないので注意してください。

2つ目は、操作型マーケティングを、顧客を軽視した一方的な押し売りと誤解することです。操作型は、自社の強み、ブランドやコンセプトを軸に提案する姿勢であって、顧客のニーズを無視するという意味ではありません。

操作型って言葉の響きだけで、ちょっと悪いイメージ持っちゃいますね。

そうなんです。でも実際は、自社の強みを軸にした、まっとうな提案スタイルなんです。

3つ目は、どちらか一方が常に優れていると決めつけることです。事例企業の強みに応じて、どちらの姿勢が合うかを判断する必要があります。

「協働型の方が今っぽくて良さそう」みたいな思い込みも危ないですね。

危ないです。与件文がブランド力を強みとして描いているのに、無理やり協働型で答えを書いてしまうと、与件文と答案がかみ合わなくなります。逆にブランド力の記述が薄いのに操作型で押し切るのも同じことです。

与件文の記述に、答案側を合わせに行くってことですね。

その通りです。

誤り実は
協働型=丁寧な接客本質は一緒に創造すること
操作型=押し売り強みを軸にした提案。ニーズ無視ではない
どちらかが常に優れる事例企業の強みで判断する

試験ではここに注目

  • 与件文の強みが「顧客との接点・関係性」か「自社ブランド・コンセプト」か
  • 選んだ姿勢を、「なぜこの企業に合うのか」まで理由づけて書けているか
  • 与件文の記述と答案の姿勢がかみ合っているか

まとめ

動画の整理

  • 協働型と操作型は、顧客との向き合い方という姿勢の違い。優劣ではなく、事例企業の状況で使い分ける
  • 問われ方は3パターン。大手と違う強みの提案は協働型の発想、自社ブランド・独自コンセプトの提案は操作型の発想。3つ目は与件文から判断させる問題で、一番厄介
  • 手がかりは、協働型が3つ(担当者が顧客と直接やり取り、要望を聞いて一緒に作る、オーダーメイド・カスタマイズ)、操作型が2つ(ブランド・コンセプトが強み、企業側から提案して選んでもらう)
  • 差別化の焦点が、協働型は「担当者・関係の場」、操作型は「製品コンセプト」
  • 答案は強み、姿勢、効果の3段構成。姿勢を選んだ理由まで書く
  • 誤答は3つ。協働型を丁寧さと混同する、操作型を押し売りと誤解する、どちらかを常に優れていると決めつける

講師は最後に、この論点で見るのは3つだとまとめます。与件文の強みが「顧客との接点・関係性」か「自社ブランド・コンセプト」かを見極める。選んだ姿勢を「なぜこの企業に合うのか」まで理由づけて書く。どちらか一方を優れていると決めつけない。聞き手の言葉でいえば、強みを見極めて、姿勢を選んで、理由までつなげる3ステップです。

本番で協働型・操作型のどちらかの言葉が頭をよぎったら、まず与件文の強みの焦点がどこにあるかを確認する。それだけで、この論点の得点はぐっと安定する、と講師は言います。聞き手も「すごく整理できました」と締めくくっていました。名前を思い出す前に、与件文の強みを見にいく。この順番を覚えておきましょう。

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