聞き流しラボby kufu-yaWebテキストNEW
中小企業診断士 2次試験

知識ではなく、解き方を聞く。

1次試験の合格者に向けて、与件文の読み方、設問の切り分け方、解答の型を、事例ごとに解説します。

事例別の過去問解説重要論点講義ファイナルペーパー
診断士 聞き流しラボ 2次試験対策

RFM分析

事例Ⅱ 第19回

事例Ⅱ RFM分析。金額だけでは見抜けない優良顧客を3つの軸で掴む11分17秒2026年8月19日公開

「顧客ごとに違いがあると与件文に書かれているのに、答案でその違いをうまく表現できない」。動画は、こんな相談から始まります。優良顧客を見極める、というところまでは書けても、その先の「どう見極めるか」で止まってしまう。このページでは、RFM分析が出る場面のサイン、デシル分析との使い分け、答案の型、混同しやすい3つの誤りを、動画の流れにそってまとめました。まず動画を聞いて、あとからここで復習するのがおすすめです。

知っているのに、答案で止まる

動画は、事例Ⅱの与件文に「顧客ごとに違いがある」と書かれているのに、答案でその違いをうまく表現できない、という相談から始まります。講師は、こうした相談をよく聞くと言います。聞き手は「それ、私です」と手を挙げ、優良顧客を見極めましょう、というところまでは書けるけれど、その先の「どう見極めるか」で毎回止まってしまう、と打ち明けます。

そこで講師が持ち出すのが、デシル分析と並ぶもう一つの顧客識別の手法、RFM分析です。聞き手は、直近性・頻度・金額の3つで顧客を評価する手法、というところまでは覚えています。それでも、本番の答案でどう使えばいいのかには自信がない。講師は、知識はあるのに使うタイミングに気づけないのだと指摘し、今日はその「気づき方」から整理していく、と宣言します。

3つの軸で顧客を評価する手法、というところまでは覚えています。でも本番の答案でどう使えばいいか、実はあまり自信がなくて。

まさにそこなんです。知識はあるのに、使うタイミングに気づけない。今日はその「気づき方」から一緒に整理していきましょう。

動画の流れは次のとおりです。このページも、同じ順番でまとめます。

  • RFM分析は、事例Ⅱでどんな問われ方をするのか
  • 与件文のどこを見れば、RFM分析だと気づけるのか
  • たとえ話:コーヒーショップの常連さん二人
  • 与件文の情報を整理する手順と、使う・使わないの判断
  • 答案に落とし込む型と、説得力を上げる一言
  • 混同・誤答しやすいポイント3つ

与件文は、顧客の違いを複数の切り口で書いてくる

まず、RFM分析がどう問われるかです。講師によると、事例Ⅱの与件文は、顧客の違いを一つの言葉だけで書くとは限りません。複数の切り口で書いてくることがあります。たとえば、次のような記述が同じ与件文に並ぶパターンです。

  • 「最近来店していない顧客がいる」
  • 「よく来る顧客と、たまにしか来ない顧客がいる」
  • 「一度に多く買う顧客と、少しずつ買う顧客がいる」

聞き手は、これだと一つ一つが別々の情報に見えてしまう、と言います。頻度の話だな、金額の話だな、と個別に読んでしまいそうだ、というわけです。

一つ一つは別々の情報に見えちゃいますね。頻度の話だな、金額の話だな、って個別に読んじゃいそうです。

そうなんです。でも診断士側の視点で見ると、それは「単一の指標では顧客の違いを説明しきれない」というサインなんですよ。

だからこそ、なぜ複数の指標で見る必要があるのかを問う設問が出ることがある、と講師は言います。聞き手の言葉でまとめると、複数の記述がバラバラにあること自体が、複数指標の出番だという合図、ということです。

もう一つの出方が、デシル分析との使い分けを判断させる問題です。与件文の状況にどちらの手法が合うかという判断力を見られるパターンで、聞き手は「知識として持っているだけでは足りないんだ」と受け止めています。

  • 複数指標が必要な理由を問う設問:バラバラに並んだ記述が、単一指標では足りないサインになる
  • デシル分析との使い分けを判断させる設問:与件文の状況に合う手法を選ぶ力が見られる

与件文のサイン:R・F・Mと「ねじれ」

次は、与件文のどこを見たらRFM分析だと気づけるか、という着眼点です。講師は、直近性(R)、頻度(F)、金額(M)の順に、サインとなる言葉を挙げていきます。

直近性最近来ていない「最近来店していない」「休眠顧客」「離反の兆候」頻度回数の差来店・購入の回数に差がある「常連客」「リピーターが多い」金額金額の差購入金額の大きさに差がある(デシル分析の着眼点とも重なる)指標同士がねじれた記述「金額は大きいが最近来ていない」など→ RFM分析の出番
3つの軸のサインと、「ねじれ」のサイン。最後が一番大事です。
見る軸サインになる記述
直近性(R)「最近来店していない」「しばらく来店していない」「休眠顧客」「離反の兆候」。来店の間隔に関する記述はすべて材料
頻度(F)来店や購入の回数に差がある、という記述。「常連客」「リピーターが多い」
金額(M)購入金額の大きさに差がある、という記述

聞き手は、「休眠顧客」という言葉は聞いたことがあり、あれは直近性が低いというサインなのだと確認します。講師は「その通りです」と応じ、さらに「常連客」という言葉が出てきたら頻度の指標だと反応すればいい、という整理を進めます。

常連客っていう言葉が出てきたら、頻度の指標だ、と反応すればいいんですね。

そうです。そして金額、Mの視点。これは購入金額の大きさに差がある、という記述で、実はデシル分析の着眼点とも重なる部分です。

あ、金額の記述だけだと、デシル分析でも拾える範囲ということですよね。

いいところに気づきましたね。ここが今日のポイントの一つです。

そして最後に、講師が「一番大事」と言うサインが出てきます。それは、複数の指標が同時に必要になることを示す記述です。

一番大事なサイン

  • 「金額は大きいが最近来ていない顧客」
  • 「金額は小さいが頻繁に来る顧客」
  • 一つの指標だけでは、優良顧客かどうか判断できない状況を示す記述

講師は、この記述が出たら「単一指標では処理できないというシグナル」だと思ってください、と言います。聞き手は、金額が高いのに直近性が低い、というように指標同士がねじれている記述が出たら、それがRFM分析の出番という合図なのですね、と言い換えて確認しました。

たとえ話:コーヒーショップの常連さん二人

イメージしやすいように、と講師がたとえ話をします。あるコーヒーショップに、常連さんが二人います。

毎日来る方毎日のように来店1回はコーヒー1杯頻度が高い(コツコツ型)月に一度の方月に1回だけ来店家族分の豆をまとめ買い1回の金額が高い・頻度は低い購入金額の合計は、近い金額になることがある金額だけでは違いが見えない頻度も同時に見る必要がある
金額が近くても、来店パターンは別物です。

一人は、毎日のように来て、その都度コーヒーを一杯頼む方。もう一人は、月に一度しか来ないけれど、来るたびに家族分の豆をまとめ買いしていく方です。講師は、この二人は購入金額の合計だけを見たら、実は近い金額になることがある、と言います。

金額だけ見たら似た顧客に見えちゃうんですね。でも実際は全然違うタイプですよね。

そうなんです。毎日来る方は頻度が高くて一回あたりの金額はコツコツ型。月一の方は一回あたりの金額は高いけれど頻度は低い。金額という一つの物差しだけでは、この二人の違いを答案に落とし込めないんです。

だから頻度も同時に見る必要があるんですね。金額だけ見てたら、この二人を同じ「優良顧客」でひとまとめにしちゃうところでした。

講師は、本番で気をつけたいのは、こうした「金額は同じくらいなのに、来店パターンが違う」という記述を見た瞬間に、RFM分析のスイッチを入れられるかどうかだ、とまとめます。

整理の手順:軸が一つならデシル分析でよい

ここからは、与件文から拾った情報をどう整理していくか、という手順です。聞き手は「ここが一番知りたいところです」と身を乗り出します。

与件文の顧客の記述を直近性・頻度・金額の3つの軸に仕分ける一つの軸だけで違いが説明できる?できるできないデシル分析や単純な顧客層の違いとして扱ってよい軸同士がねじれる(評価が軸で変わる)→ RFM分析の出番
まず一つの軸で足りるかを確認。足りなければ3つの軸を拾います。

最初の作業は、与件文の顧客に関する記述を、直近性・頻度・金額の3つの軸に仕分けることです。ここで聞き手が、仕分けた結果、一つの軸しか出てこなかったらどうするのか、と尋ねます。講師はこれを「いい質問です」と受け、こう答えます。一つの指標だけで顧客の違いが説明できるなら、無理にRFM分析を持ち出さず、デシル分析や単純な顧客層の違いとして扱ってよい。

え、無理に使わなくていいんですね。てっきり、出てきたら必ず使うものだと思ってました。

そこが誤解されやすいところなんです。複数の軸が絡み合って初めて顧客の違いが説明できる場合、つまり、さっきのコーヒーショップの例のように軸によって評価が変わる顧客がいる場合に、RFM分析の出番だと判断してください。

聞き手は、軸が一つで足りるなら一つで済ませる、軸同士がねじれている時だけRFMを持ち出す、という判断基準なのですね、と整理しました。講師は「その通りです」と認めたうえで、次の段階に進みます。3つの指標をそれぞれ5段階などで評価し、組み合わせて顧客層を分類する、という手順を答案の骨格にしていく、という話です。

聞き手は、5段階評価というのは実際の点数を計算させる問題ではなく、考え方の骨格として使うのか、と確認します。講師の答えは、実際の計算をさせる問題というより、「3つの指標で評価して組み合わせる」という発想そのものが、与件文の状況を整理する型になる、というイメージで持っておいてほしい、というものでした。

判断の順番

  • 顧客の記述を、直近性・頻度・金額の3軸に仕分ける
  • 一つの軸で足りるなら、デシル分析や単純な顧客層の違いとして扱う
  • 軸によって評価が変わる顧客がいるなら、RFM分析の出番
  • 3指標を5段階などで評価し、組み合わせて顧客層を分類する発想を骨格にする

答案の型:データ→3指標→顧客層→施策

では、解答に落とし込むときの型です。講師が示した基本の型は、次のとおりです。

① 購買データを活かす② 直近購入日・購入頻度・購入金額で評価③ どんな特徴の顧客層かを把握する④ その層に施策を行う(精緻な顧客対応)ひと言添える金額だけでは捉えられない頻度・直近性まで加味
データ、3指標、顧客層、施策の順。デシル分析との違いを一言添えます。

基本の型

「〜という購買データを活かし、直近購入日・購入頻度・購入金額の3つの指標から顧客を評価するRFM分析により、〜という特徴を持つ顧客層を把握したうえで、その層に対して〜を行うことで、より精緻な顧客対応を実現する」

この型、覚えやすいです。データを使う、3指標で評価する、顧客層を把握する、施策を打つ、という流れですね。

そうです。ここで一つ、答案の説得力を上げるコツがあります。デシル分析との違いを明示できると、採点者に対する説得力が増すんですよ。

具体的には、「金額だけでは捉えられない、来店頻度や直近性まで加味した評価ができる」という点を答案の中に一言添える、と講師は言います。これがRFM分析ならではの価値だからです。

聞き手は、ただ「RFM分析を使います」と書くのではなく、「なぜデシル分析ではなくRFM分析なのか」まで書くことで、与件文の状況を正しく読めていることが伝わるのですね、と受け止めました。講師も、この一言があるかないかで、単に用語を知っているだけの答案か、使いこなせている答案かの差が出る、と話しています。

混同・誤答しやすい3つのポイント

講師は「ここは本番で一番失点しやすいところです」と前置きして、3つの注意点を挙げます。

1つ目:RFM分析とデシル分析を同じものとして扱う

聞き手は正直、この二つはなんとなく似たようなものだと思っていた、と告白します。講師は、そこが典型的な取り違えだと言います。デシル分析は購入金額のみの1軸で、金額でグループを10等分するというシンプルな手法。RFM分析は直近性・頻度・金額の3軸を組み合わせる多面的な手法。軸の数が根本的に違う、と覚えておいてほしい、とのことです。

デシル分析購入金額のみの1軸金額でグループを10等分するRFM分析直近性・頻度・金額3つの軸を組み合わせる多面的な手法違いは、指標(軸)の数1軸か、3軸か
デシル分析は1軸、RFM分析は3軸。軸の数が違います。
観点デシル分析RFM分析
軸の数1軸(購入金額のみ)3軸(直近性・頻度・金額)
手法の性格金額で10等分するシンプルな手法3つを組み合わせる多面的な手法

2つ目:単一指標なのに、RFM分析を持ち出す

2つ目は、与件文が単一の指標、たとえば金額の違いしか示していないのに、無理にRFM分析、つまり3軸を持ち出してしまうことです。聞き手は、さっきの「軸が一つしか出てこなかったらデシル分析でいい」という話につながると気づきます。

講師は、与件文の複雑さに見合った手法を選ぶことが重要で、シンプルな状況にはデシル分析で十分な場合が多い、と言います。そのうえで、「RFM分析を使えば必ず加点される、という思い込みは危険です」と釘を刺します。聞き手は、手法の名前を知っているからといって何でもRFM分析で押し切ろうとするのは、「逆に減点対象になりかねない」のですね、と受け止めていました。

3つ目:指標の名前だけ覚えて、与件文の記述と結びつかない

3つ目は、直近性・頻度・金額という3つの指標の名前を覚えるだけで、それぞれが与件文のどの記述に対応するかを結びつけられないことです。聞き手は「まさに苦手なパターンです。用語は覚えているのに、与件文の言葉と結びつかない」と認めます。講師が勧めるのは、対応関係をシンプルに持っておくことです。

与件文の記述読み取り
「最近来ていない」直近性が低い
「常連」頻度が高い
「高額購入」金額が高い

言葉のパターンとして持っておけば、読んでる途中で反応できそうです。

この対応付けを意識するだけで、記述の見落としがぐっと減ります。

誤り動画での注意
デシル分析と同一視1軸と3軸で、指標の数が根本的に違う
単一指標でRFMを使う複雑さに見合った手法を選ぶ
名前だけの暗記与件文の記述と対応付ける

試験ではここに注目(動画が挙げた確認ポイント)

  • 与件文に、直近性・頻度・金額のサインが何軸分あるか
  • 「金額は大きいが最近来ていない」のように、指標同士がねじれた記述があるか
  • 答案に、3指標での評価、顧客層の把握、施策の流れと、デシル分析との違いの一言があるか

まとめ

動画の整理

  • RFM分析は、直近性・頻度・金額の3軸を組み合わせて顧客を評価する手法。デシル分析の1軸とは、指標の数が根本的に違う
  • 与件文では、直近性・頻度・金額それぞれのサインに加えて、「金額は大きいが最近来ていない」のように指標同士がねじれた記述が出たら、RFM分析の出番
  • 軸が一つで足りるならデシル分析、軸同士がねじれていたらRFM分析、という使い分け
  • 答案では、3指標で評価して顧客層を把握し、施策につなげる型を使う。可能であれば、デシル分析との違いも一言添え、なぜRFM分析を選んだのかまで書く

動画の最後に、聞き手は「知識としては知っていたRFM分析が、今日で『本番でどう気づいて、どう使うか』まで分かった気がします」と話しています。講師が最後に示した順番は、与件文を読むとき、まず一つの指標で足りるかを確認し、足りなければ3つの軸をそれぞれ拾っていく、というものです。名前を知っていることと、与件文のサインに気づいて答案に使えることは別です。この順番を、本番でも思い出してください。

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